2018/8/17
「野党は反対ばかりで仕事してないじゃないか」
「反対ばかりで建設的な議論ができないから、やっぱり野党はダメだな」
「国のことを真面目に考えて仕事をしているのは自民党だけだ」
国民の皆さんが野党に持つイメージは様々だと思いますが、その中でも多く耳にするのが上記のような
「野党は与党の意見に反対ばかりしている」という意見です。
確かにネットやテレビなどでは、「野党審議拒否」などのニュースが大々的に取り上げられることが多く、
野党は与党の出す法案に反対ばかりしていると思われてしまっているのかもしれません。
しかし、本当に野党は与党に反対ばかりしているのでしょうか。
今回はそれらの意見を明確にするため、様々なデータをもとに検証してみました。
直近に開会していた第196回国会を例に見てみましょう
国会に提出された法律案は、前回からの継続分7件を含め、その総数は143件でした。
【データから分かる客観的事実】
・最も賛成率が高かったのは、衆議院 日本維新の会で97.6%
・最も賛成率が低かったのが、衆議院 共産党の43.4%
日本維新の会は与党に近いとされている党でありますが、客観的データからもその事実が分かります。
しかし、一番賛成率の低い共産党でも、半数近くは賛成をしています。
そして、我等が立憲民主党は、衆議院、参議院平均で78.31%と、約8割賛成しています。
その他の野党を見ても、5割から9割の賛成率であることがわかりました。
これが紛れもない客観的なデータ検証結果です。
我々立憲民主党は、ライバルである与党の提案であるから反対しているのではなく、
平和で豊かな国民生活を創ることを念頭に、深く審議した上で、賛成すべきであるか、反対すべきであるかを
判断しているのです。
だからこそ、みなさまに注目して欲しいのは、与党提案の法律案に約8割賛成している立憲民主党が、
反対している2割の法律案についてなのです。
多くの法律案に賛成しているにも関わらず、2割の法律案には反対しているのには、必ず理由があります。
反対している法律案には、明らかに反対すべきおかしなポイントが存在しているのです。
例を挙げれば、
「党利党略で自民党国会議員の身分保障を優先した参議院議員定数6議席を増やす法案」
「成長戦略、依存症対策などあらゆる面で疑問だらけなのに、賭博ギャンブルを解禁して実行するカジノ法案」
「捏造データをもとに審議を続けてきた、働き方改革関連法案」
など、世論調査を見ても国民の多くが疑問を持ち、反対している方々が多数派を占める法案ばかりです。
今後、我々が反対している法律案があった時には、「野党だから反対している」と思うのではなく、
意見に少しでも耳を傾け、客観的な目で是非注目してください。
そこには、反対すべき「明確な理由」があることがおわかりいただけると思います。
今国会で立憲民主党は、
「原発ゼロ基本法案」「公文書管理法案」「ギャンブル依存症対策基本法案」
「共謀罪廃止法案」「子どもの生活底上げ法案」「農業者戸別所得補償法案」
「性暴力被害者支援法案」「介護士処遇改善法案」「保育士処遇改善法案」
など他党との合同提出も含め44本の議員立法法案を国会に提出しました。
しかし、残念ながら世間ではこのことを知られてないどころか、
「野党は対案を出さずに批判ばかりしている。」
という事実に基づかないご批判をいただくことがあります。
こうした中、我が党の枝野幸男代表も、「野党は反対するだけ」という批判に対して反論し、
現実は「成立している法律等の約半数は全会一致」であり、立憲民主党に限っても「約8割の法案に賛成」
していることを訴えました。
また逆に、枝野代表は政府与党が行っている「審議拒否」の実態を衆議院本会議にて、このように指摘しました。
「政府提出法案を優先してやりたい。与党のみなさんがそういう立場であることは認めるわけではありませんが、
理解します。そうであるならば、経済産業委員会はどうなんでしょう。
政府提出の審議案件がとっくの昔になくなっています。
われわれはいわゆる原発ゼロ法案を提出をして審議を求めています。
政府提出法案がまだまだたくさん残っていて、そちらの審議をやらざるを得ないので野党提出の議員立法の審議が
できない、のではなくて、政府提出の案件がなくなって空っぽスカスカでやることがないのに、野党の議員立法の
審議にすら応じない。誰が審議拒否をしているんですか?」
このように、与党が自分たちの意見のみを反映させた政府提出法案の成立を優先させることだけを行い、
対案である野党提出法案は審議すらされないという現状を説明しました。
これらの数値や実態を客観的にみて、野党は与党に反対ばかりしていると言う人はいないのではないでしょうか。
様々な場所で、「野党は反対ばかりしている」という人々は、どのような根拠をもとにそのような発言をしている
のか分かりませんが、客観的な事実に基づいた意見でないことだけは間違いありません。
あえて申し上げさせて頂くとすれば、そのような意見を述べる方々は、偏った情報収集により判断し、
客観的に物事を見ることができおらず、定量的な尺度ではなくステレオタイプで物事を判断する傾向があり、
自分と違う意見は、2割程度の少しでも気に入らず、耳を傾けようとしていないと言えるのではないでしょうか。
メディアが急速に多様化してゆく中で、正しい判断をする前提として、まず大事なことは正しい情報をもとに
考察することだと思います。
今の時代は、報道や情報を鵜呑みにせず、その真偽を慎重に確かめながらファクトチェック(事実がどうか確認)
を行い、真実を客観的に判断するメディアリテラシーの向上が求められております。
この記事を読んでいただいた皆様におかれましては、有益な情報を取り入れるために、先入観や固定概念を捨て、
様々な事象をファクトベースで俯瞰的にご判断していただけましたら幸いです。
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>中谷 一馬 (ナカタニ カズマ)>「野党は反対ばかりしている?」を客観的にデータ検証してみた。