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有村 治子 ブログ

「この国」についての前回X・FB発信について、類を見ないほど多くの反響を頂きました。

2025/9/30

「この国」についての前回X・FB発信について、類を見ないほど多くの反響を頂きました。ご覧の通り、ほとんどは賛同コメントである一方、ごく少数ですが、ネガティブなお声もあります。敬意を持って、拝読致しました。
以下長文ですので、興味がある方のみ、お読み下さい。

実は平成21年(2009)の総選挙に向けた自民党の政権公約を検討する会議で、「日本はいつから我が国を『この国』と指示語で示す国になったのでしょうか?保守政党を自認する自民党が、主権者たる国民皆さまにお約束する選挙公約に『この国』を連載連発する事が、果たして適切なのでしょうか?英語でも、this country ではなく、our countryであるはずです」と発言しました。

有村の指摘に賛同下さった政務調査会・広報本部・選対本部の合意で、自民党公約全項目に通底していた「この国」表記が、「日本」と更新された経緯・実績があります。

しかしこの十年ほどで社会の言語感覚も変化し、今や保守論壇の重鎮や安倍元総理を含む歴代宰相、このたびの総裁候補を含む政治的リーダーも、特段意識することなく、「この国」と言う言葉を使われています。

当然ながら「この国」と言う表現自体に、問題がある訳ではなく、その言葉を使う方々を、責める意図もありません。

その一方、国の未来を創る私達国民一人ひとりの主体性を鑑みれば、「この国」と言う表現が、自国を表す社会の共通言語として定着する事が、本当に健全なのかどうかは、一考に値する問題提起なのではないでしょうか。

以前、過去に発表したエッセイを、追記致します。

〜〜〜

近年、「この国」という言い方が幅を利かせています。総理や閣僚と言う政治的リーダーさえ、「この国」という言葉を多用します。今や違和感を覚える人も少ないのかもしれませんが、私はこの語句を聞くたびに戸惑いや寂しさを覚え、自分の国を(無意識のうちに)相対化させることへの弊害が出ないか、案じます。

日本は一体いつから「その国・あの国・この国」と、人指し指で指示される国になったのでしょうか。父祖伝来の郷土、その集合体として先人から継承してきた日本は、我が命と人格を育んでくれた「我が国」であるはずです。

かけがえのない「我が国」の独立と家族の安寧を願って一命を捧げられた御霊が、靖国神社に眠られているのではないでしょうか。国難に殉じられた方々が一命を捧げてまでも各々の持ち場に向かわれたのは、まさに「祖国」を想う心からであり、「この国」ではなかったはずです。

私達は家族や地域、学校や職場など、多くの組織や共同体に属しています。夫や妻、あるいは親子や同僚が「そもそもあの人は…」「この家は…」「あの学校は…」「その地域は…」といった指示語を敢えて使う時、多くの場合は自らと距離を置きたい時や、批判的な立場を取る時に、このような指示語が使われます。

もし自民党の主たる構成員である議員が「この党は」と、政党と自らに距離があるかのような突き放した言葉を使い続けたら、国民皆さんは果たして自民党を支持し、力を与えようと思って下さるでしょうか。社長や役員達が「この会社」と、組織と経営責任を切り離すような物言いを続けた先に、会社の発展や消費者の信頼はあるのでしょうか。

私達は日頃、「我が家では」「ウチの子は」「私達の会社では」と帰属意識を明確にした言葉を使うことによって、自らが属する組織や地域への愛着や情を示すと同時に、自らの立ち位置や責任を明らかにしています。子供達が運動会で「赤組ガンバレ!」「白組フレーフレー」と躍起になるように、自らが主体的な構成員だと認識するからこそ、「その発展のために尽くそう!」と努力する気持ちや誇りが育まれるような気がします。

父祖伝来の国土や文化的集積を持つ「我が国」を一般的名詞として相対化させ、自らのアイデンティティと国家に距離を置くかのような言葉遣いが無意識のうちに定着する事に、果たして日本弱体化の政治的意図はないのでしょうか。少し冷静になってみることも必要かもしれません。

内外の分断が指摘される中でも、難しい課題を乗り切らねばならない現在だからこそ、自らが地域社会や国の未来を担う主体だという気概をこめて、「我が国」「私たちの日本」「日本」と言う能動的な言葉を大事にしたいと、国政に身を置く私は考えます。

自らが発する一語一句に魂や哲学を込める「言霊(ことだま)」という素晴らしい言葉を、先人は遺してくれています。万葉集いわく、私達は【言霊(ことだま)幸(さきわ)う国】であると。

言葉が持つ力を信じ、思いやりや配慮のある言葉の力が、皆に幸せをもたらすと考えてきた国に生まれし国民です。
温かく、主体性のある言葉を使っていきたいものです。

🔻先日の有村の発信
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=24577758238580944&id=100003203258096

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著者

有村 治子

有村 治子

選挙 第27回参議院議員選挙 2025年 (2025/07/20)
選挙区

比例代表 自由民主党 [当選]

肩書 初代女性活躍担当大臣
党派・会派 自由民主党
その他

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