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西尾 憲一 ブログ

議員のビジネスクラスは違憲(10)

2020/8/5

  1.  国家公務員等の旅費に関する法律34条の違憲性

     同条は、その一号、二号において、当該公務員の地位・階級の相違により、支給航空運賃の額に差を設けている。このような差別は、憲法14条に違反する。

     そもそも憲法第14条は、法の下の平等権を保障しているが、その趣旨は、究極において個人の尊厳の確保にある。とすると、いかなる差別も許されないと解すべきとも思われる。

     しかしながら、実際には、各人には資質、能力等に差があるから、これを無視してすべての者を常に画一的に平均化することは、かえって、個人の尊厳の確保という14条の趣旨に反する。

     したがって、平等とは、種々の事実的、実質的差異を前提として、法の与える権利の面でも、法の課する義務の面でも、同一の事情と条件の下では、均等に取り扱うこと(相対的平等)を意味すると解する。換言すれば、恣意的差別は許されないが、個人の尊厳、民主主義理念に照らして合理的なものである限り、差別は許されるものと解する。

     次に問題は、合理性だけでは、判断基準として明確ではない。そこで、より具体的な基準が要請される。これは、結局、人権の保護・救済を国会・内閣という民主政の過程に委ねるのか、それとも、民主政の過程によっては保護・救済されない少数者の権利・自由の確保を任務とする裁判所(憲法81条)に委ねるのかという役割分担の問題である。

     思うに、14条が、人種、信条等を列挙した理由が、沿革的に、それらの事由については不当な差別がおこなわれやすかったという事情にある。したがって、それらの事由に基づく差別については、それら以外の事由による差別より、裁判所による救済の要請は強い。

     よって、違憲審査基準も、14条列挙事由による差別の場合には、やむにやまれざる利益達成のために、当該差別が必要不可欠か、否かにより、それ以外の事由による差別の場合には、合理性の基準によるべきである。

     但し、後者の場合でも、差別の対象となっている人権が、重要な人権(民主政の根幹を成すもの、個人の尊厳に深くかかわるもの)については、裁判所による救済が強く要請されるから、厳格な基準によるべきである。

     以上を本件についてみると、公務員の地位階級によって、支給されるべき航空運賃の額に差を設けることは、「社会的身分による差別」に該当するから、合理性の判断基準は厳格になされるべきである。

     しかるに、公務員の地位階級によって航空運賃に差別を設けることには、やむにやまれざる利益達成という目的は存在しない。したがって、上記差別には、合理性がない。

     よって、国家公務員等の旅費に関する法律34条は、憲法14条に反して違憲である。

  2.  その結果、同法によるとする「職員の旅費に関する条例」第30条も違憲の瑕疵を帯び、本件差額分支出行為も違憲違法となる。

 

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著者

西尾 憲一

西尾 憲一

選挙 千葉県議会議員選挙 (2019/03/29) [当選] 15,917 票
選挙区

船橋市選挙区

肩書・その他 「平和の党」代表 千葉県議会議員
党派・会派 無所属

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