2026/3/1
皆さん、こんにちは。枚方市議会議員のかじや知宏です。
2月10日に開催された総務委員協議会では、市から報告のあった16の案件について協議をしました。
その案件の中から、今回は**「文化財保存活用事業について」**を取り上げます。
今回のテーマは、国史跡・楠葉台場跡への大砲モニュメント設置です。
枚方市の歴史資源をどう活かすのか。私は質疑を通じて、その実効性について指摘しました。
楠葉台場跡は、
**国内で唯一遺構が残る「河川台場」**です。
2011年に国史跡に指定され、
2016年から公園として供用が始まりました。
この楠葉台場は、京都を守るために江戸幕府が築いた防御施設で、
慶応元年(1865年)に完成しました。
「台場」とは、大砲を置くための砲台を設置した防御施設のことです。
幕末、欧米諸国の船が日本に来航するようになると、
各地の沿岸や川沿いに築かれました。
楠葉台場は、高い土塁と深い堀に囲まれ、
船番所や京街道を含めると
約38,000平方メートルという広さを持っています。

特に特徴的なのは、その設計です。
南側と西側の大坂方面には、
「稜堡式(りょうほしき)」という西洋の築城技術を取り入れています。
これは、城壁の一部を外に突き出させることで、
正面だけでなく両側からも攻撃できる構造です。
いわば、死角をなくす仕組みです。
また、京街道を台場内に引き込んで関門としての機能を持たせるなど、
当時の複雑な政治・軍事情勢が反映された設計となっています。

現在は
📝 歴史ファンの来訪
📝 地域住民の散歩コース
📝 子育て世代の憩いの場
として利用されています。


枚方市として、この歴史資源をさらに活用するため、
「四斤山砲(よんきんさんぽう)」という幕末期の大砲モニュメントを設置する計画が示されました。

市の答弁によると、
✅ 外周の堀の一部復元
✅ 説明板の設置
✅ 土塁や番所の位置を植栽で表現
といった整備が行われています。
しかし、正直に言えば、
「歴史に関心がある人」以外には、
台場の全体像がイメージしにくい状況でもあります。


市は、
📝 説明板の設置
📝 市ホームページやSNSでの発信
📝 AR映像制作
📝 幕末史の普及啓発事業
を実施する考えを示しました。
期待される効果としては、
✅ 市外からの来訪増加
✅ 平和教育への活用
✅ シビックプライドの醸成
が挙げられています。
ここが最大の論点です。
まず、今回の事業費です。
📌 楠葉台場跡モニュメント設置事業
《事業費》1,100万円
支出内訳:備品購入費 1,100万円
財源:一般財源 1,100万円(全額市の税金)
つまり、全額が枚方市の一般財源でまかなわれる予定です。
だからこそ、
✔ 来訪者はどれだけ増えるのか
✔ 地域経済への波及はあるのか
✔ 投じた税金に見合う効果があるのか
を検証する必要があります。
私は委員協議会で、
「大砲を置くだけで実効性ある観光振興につながるとは考えにくい」
と指摘しました。
観光施策として本気で進めるなら、
✔ 数値目標の設定
✔ 周辺資源との回遊性づくり
✔ 民間連携による誘客施策
など、具体的な戦略が不可欠です。
平和教育や郷土理解を掲げるなら、
✅ 学校教育との連携
✅ 体験型学習プログラム
✅ 来訪児童生徒数の把握
✅ 成果指標の設定
が不可欠です。
モニュメントや説明板の設置だけでは、
教育効果は測れません。
「設置=教育」ではありません。
学びにつながる仕組みがあって初めて、
教育的価値が生まれます。
楠葉台場跡は、枚方市の誇る歴史資源です。
全国でも珍しい「河川台場」の遺構が残る場所です。
しかし今回のモニュメント設置事業は、
📌 事業費 1,100万円
📌 全額が枚方市の一般財源(市民の税金)
で実施されます。
だからこそ、私は次の3点が不可欠だと考えています。
🟢 目的を明確にする
🟢 教育施策として体系化する
🟢 成果指標を設定し、毎年検証する
観光なのか。
教育なのか。
地域の誇りづくりなのか。
まず、何のためにやるのかをはっきりさせる必要があります。
そして、
来訪者数はどう変わったのか。
子どもたちの学習機会は増えたのか。
地域経済に波及はあったのか。
数字で検証し、改善していく。
それが行政の責任です。
さらに私は、財源の確保の仕方にも工夫が必要だと考えています。
1,100万円をすべて一般財源で賄うのではなく、
✅ クラウドファンディング
✅ ふるさと納税
✅ 地元企業との連携
などを活用することで、
✔ 全国の歴史ファンの共感を集める
✔ 市民参加型のプロジェクトにする
✔ 枚方市のPRにつなげる
といった効果も期待できます。
歴史資源は、「行政が整備するもの」から
「みんなで支えるもの」へ。
その発想の転換も必要です。
楠葉台場跡の大砲モニュメント設置は、
枚方市の文化財活用の新たな一歩です。
しかし、重要なのはその後です。
📌 設置して終わりにしないこと
📌 税金を使う以上、効果を検証すること
📌 市民とともに育てる仕組みにすること
歴史資源は、置くだけでは生きません。
人が訪れ、学び、語り継いでこそ価値が生まれます。
枚方市の歴史を、
次の世代につなぐ本物の政策へ。
私は、実効性と持続可能性の両立を求めながら、
これからも提案を続けていきます。
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ホーム>政党・政治家>かじや 知宏 (カジヤ トモヒロ)>【枚方市】楠葉台場跡に大砲モニュメント設置へ その効果は?|総務委員協議会の案件より