2025/6/11
本日(令和7年6月11日)、大阪維新の会 枚方市議会議員団で、豊中市の「庄内さくら学園」および隣接する「庄内コラボセンター ショコラ」を視察しました。


今回の視察では、以下の4つの目的をもって豊中市の取組を学びました。
① 学校規模適正化の観点 ▶ 少子化により児童生徒数が大きく減少するなか、教育の質を維持しつつ適正規模の学校を再構築する必要があります。
② 公共施設マネジメントの観点 ▶ 老朽化が進む学校施設は、市有建築物全体の大部分を占めており、財政面・維持管理面からも抜本的な再編が求められています。
▶ 発達段階に応じた学びの継続性、中1ギャップの解消、教職員の連携強化など、教育的メリットを現場の声を交えて検証しました。
▶ 教育施設と図書館・福祉施設などを一体整備することで、限られた資源の中でも利便性の高い施設運営を実現するモデルを学びました。
▶ 学校統廃合により生まれる跡地を、まちの資源としてどう生かすか。老朽化や分散化した公共施設に新たな機能を加えた複合施設として再活用する方法を探るため、豊中市の先進事例を視察しました。

庄内さくら学園は、**2023年4月に開校した豊中市初の施設一体型小中一貫校(義務教育学校)**です。
庄内地域では、かつて人口増加に対応して多くの小中学校が設立されましたが、現在は児童生徒数がピーク時の4〜5分の1にまで減少し、小規模校が進行。人間関係の固定化や教育活動の制約が深刻化しています。また、生活・学習面で課題を抱える子どもも多く、将来への希望を育む教育が求められていました。
こうした状況を受け、教育委員会は平成24年に審議会へ諮問し、翌年「地域と連携した魅力ある学校づくり」が必要との答申を受けました。以降、地域との対話を重ねながら、学校規模の適正化や通学区域の見直し、小中一貫教育による教育内容の質的向上をめざして検討が進められました。
その結果、庄内地域の課題を総合的に解決する最善の方策として、**施設一体型の小中一貫校「庄内さくら学園」**を新設する計画が策定されたものです。
以下の5校を統合して設立されました:
小学校:庄内小学校、野田小学校、島田小学校
中学校:第六中学校、第十中学校
これにより、約1,140人の児童生徒が1年生から9年生まで、ひとつの校舎で学ぶ体制が整いました。
庄内さくら学園では、子どもの発達段階に応じた「4-3-2の3ステージ制」を採用しています。
第1ステージ(1~4年)
第2ステージ(5~7年)
第3ステージ(8~9年)
入学式・ステージ式・卒業式を実施し、節目ごとの成長を大切にしています。学級数は、1~3年と5~8年は各4クラス、4年と9年は各3クラスで、一定の規模を確保。
義務教育学校として、9年間を一貫して見通した教育体制を構築。特に5年生以降は中学校生活への移行を意識した取組を行っています。
5年生から教科担任制の一部導入
5年生から定期考査の一部導入
5年生から制服着用、週1回の部活動体験も開始
また、全校で休憩・昼休みを統一することで、異学年交流や児童会・生徒会活動を活性化させています。ステージごとの宿泊行事も実施されており、学年間のつながりを大切にする教育環境が整っています。
庄内さくら学園では、1~9年生を貫く系統的な独自カリキュラムを編成し、子どもたちの「自信」「表現力」「社会とのつながり」を育む多彩な学びを展開しています。
🎶 大阪音楽大学と連携した音楽ワークショップ
🎭 劇作家・平田オリザ氏による演劇ワークショップ
🗺 地域学習(「校区たんけん」「ショコラたんけん」など)
🧒 キャリア教育(起業体験、保育体験など実践的学び)
これらのプログラムを通じて、子どもたちは自分の可能性を広げるとともに、地域や社会との関係性を築きながら学ぶ力を育てています。
庄内さくら学園は、単なる統廃合ではなく、未来志向の教育とまちづくりの融合モデルとして、全国の注目を集める存在となっています。枚方市においても、こうした先進事例から多くの示唆を得ることができます。






**庄内コラボセンター「ショコラ」**は、豊中市が南部地域の活性化を目指して設置した、地域の新たな拠点となる施設です。
老朽化し、点在していた市の機能を1カ所に集約し、公共施設の複合化・多機能化により、まちの課題解決と魅力創出の両立を図る「地域のハブ拠点」として2022年に誕生しました。
1階:市民公益活動支援センター、保健センター、子育て支援センター
2階:図書館、こども・教育総合相談窓口、貸室
3階:市役所出張所、介護予防センター、しごと・くらしセンター、貸室
4階:貸室、防災倉庫
「ショコラ」は単なる公共施設の集合体ではありません。南部地域の活性化を目的に、地域に関わる人を増やすこと、そして地域に住み続けたくなる環境づくりを柱にしています。
地域課題の解決につながる多機能サービス
生活・学習・福祉・就労支援など一体的な市民サポート
子育て世帯、高齢者、若者などあらゆる世代が集う空間
これにより、地域の「関係人口・交流人口」の増加や「愛着を持って住み続ける」市民の創出へとつなげています。
地域文化体験:「音楽」「食」「スポーツ」「ものづくり」など、南部地域の魅力を体験・体感できるイベントを継続的に開催
学校との連携:
放課後の学習支援
「囲碁・将棋」などの部活動支援
PTAや地域団体と連携した地域のお祭り開催
公民学連携による企画提案の募集制度を導入し、市民が主役となって施設運営に関われる仕組みを整備
庄内コラボセンターショコラは、以下のような地域に根差した価値創出サイクルの拠点となることをめざしています:
地域に根差した固有の魅力づくり
その魅力を活かした関係人口・交流人口の拡大
地域に愛着を持ち「住み続けたい」と思える人を増やす
⇒ 最終的には、地域の本質的な価値を創造するための中核的な拠点となるよう、運営と機能の両面から工夫が凝らされています。
このように、ショコラは単なる「便利な公共施設」ではなく、まちを変える力を内包した地域づくりの装置として設計・運用されています。枚方市でも、公共施設再編や学校統廃合を議論するうえで、大いに参考となるモデルです。




今回の視察で得られた多くの学びをもとに、以下のような視点から枚方市のこれからを考えたいと思います。
老朽化した施設を単純に統廃合するのではなく、機能を再配置し、複合化によって市民サービスを向上させるという豊中市の姿勢は大いに参考になります。 施設を「減らす」のではなく「価値を高めて生かす」方向へ、枚方市でも舵を切るべきです。
「学校規模等適正化基本方針」が示されたにもかかわらず、学校統廃合が進まず、小規模校や過密校の問題が抜本的に解決していない状況です。 統廃合を前提とした地域合意形成を、市としてリードする姿勢が求められます。
義務教育学校は、あくまで学校再編を進めた先にある新たな教育の姿です。 豊中市のように、段階別のカリキュラム編成や中1ギャップの解消に成果を上げている事例もあり、枚方市でも再編後の学校の在り方として、制度導入を視野に入れた検討を始めるべき段階に来ていると感じます。
統廃合後に活用方針が決まらず、跡地が放置されると、地域の不安や不信感を招きます。 地域と協働しながら早期に方向性を示す取り組みを進めていくべきです。
豊中市では、学校や公共施設がなくなることについて、当初は地域の方から不安の声もあったとのことです。そうした中で、計画段階から将来像を丁寧に示し、地域とともに対話を重ねることで理解を得ていったとのお話をお聞きし、早期にビジョンを示すことや対話の重要性を改めて感じました。
▶ また、今回視察した**豊中市では「未来への投資実現チーム」**という庁内横断型の専門組織を設置し、学校施設の再整備や跡地利活用、財源確保のあり方まで一体的に検討しています。
このチームでは、以下のような点が包括的に整理されています:
児童減少を見越した柔軟な空間設計やリノベーション、民間との合築可能性の検討
学校施設と地域公共施設の戦略的な再配置
ふるさと納税や企業誘致と連動した財源スキームの制度設計
長期財政シミュレーションによる投資計画の持続性の担保
このように「施設整備+財政戦略」を一体で設計する姿勢は、枚方市でも非常に参考になります。
学校統廃合や跡地活用は、教育委員会だけに任せるのではなく、市長部局が主体的に関わり、まちづくりの柱として全庁的に取り組む体制が必要です。枚方市でも、「未来への投資」を支える実行力のある仕組みをつくっていくことが求められます。
学校統廃合の議論は、「なくす」ことが目的ではありません。 子どもたちの教育環境をより良くし、まちの資産を次の世代につなげるという目的に向かって、丁寧な議論と着実な実行が必要です。
今回の視察で得た知見をもとに、引き続き市政の中で課題提起と提案を続けていきます。
🔗【参考リンク】
▶ 庄内さくら学園が開校しました(豊中市)
▶ 庄内地域における魅力ある学校づくり(豊中市)
▶ 庄内コラボセンターショコラ(豊中市)
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