2026/5/23

【はじめに:教育の支援が、親の離職を招いてはならない】
「通級指導を受けさせたいけれど、仕事があって平日の送迎ができない……」
「子どものために正社員を辞め、パートに切り替えざるを得なかった」
私、倉敷市議会議員(青空市民クラブ)の齋藤武次郎のもとには、こうした保護者の皆様からの切実な、時に悲痛なご相談が絶えません。私はこれまで、学童保育や不登校、発達障害など、光の当たりにくい「マイノリティな課題」を解決することを政治家としての使命としてきました。
2025年9月議会では、発達障害や情緒障害のある子が通う「通級指導教室」の現状を問い、家庭の経済基盤をも揺るがしている「送迎の壁」の打破を訴えました。
倉敷市内の中学校で、通級利用者が「0人」の学校が2校あります。これは支援の欠如ではなく、「早期支援の成功例」であることを議会で明らかにしました。
早期療育の効果: 小学校低学年からの適切な指導により、中学校進学までに困難さが改善されたケースです。私はこれを「倉敷の誇るべき実績」として全校に広めるべきだと提言しました。
現在、通級指導教室は市内に13校。自校にない場合、保護者は授業時間中に他校へ送迎しなければなりません。
「二次被害」の阻止: 送迎のために仕事を辞める、あるいは収入減を余儀なくされる現状は、親の「労働の権利」を脅かす社会課題です。「子どもが移動する」のではなく、「支援が子どもの元へ届く」全校設置こそが、家庭の生活を守る唯一の解決策です。
中学校までは手厚い支援がある一方、市立高校での通級利用は現在「ゼロ」です。これはニーズがないのではなく、受け皿となる環境が整っていないからです。
先見の明: 国(文科省)が令和8年度から高校での検証を始めるのに先駆け、私は市立高校における支援体制の早期整備を強く要望しました。
発達障害の支援、不登校の悩み、仕事と育児の両立……。
「どこに相談していいか分からない」「行政の制度が使いにくい」と感じたときは、ぜひ齋藤武次郎をご活用ください。
「できない理由」を探すのではなく、現場の痛みを知る政治家として「できる方法」を創り出す。
それが、私が議員として果たしてきた「仕事」です。地域の有力な陳情先として、皆様の声を確実に市政の改善へと繋げます。
▼今回の代表質問の詳細は、以下の動画からぜひご覧ください。
学校生活の中で、お子さんが「うまく言葉が聞き取れない」「友達とのコミュニケーションで誤解が生じやすい」「感情のコントロールが難しい」といった、ちょっとした困りごとを抱えていることはありませんか。これらは一見、個人の性格や努力不足と捉えられがちですが、適切な環境さえあれば、その子が持つ本来の力を発揮できるケースが多くあります。
その支援の要となるのが「通級指導教室」です。これは、通常の学級に在籍しながら、「言語障害」や「情緒障害」といった特性に応じた特別な自立活動(発音やコミュニケーションの練習など)を週に数時間受ける制度です。
今、この通級指導のあり方が大きな転換期を迎えています。先日行われた倉敷市議会での齋藤武次郎議員の質疑を基に、データから見える現状と、私たちが直面している社会課題を読み解いていきましょう。
倉敷市内の公立中学校において、通級指導の利用者が「0人」の学校が2校あることが明らかになりました。一見すると、「必要な支援が行き届いていないのではないか」というネガティブな印象を受けるかもしれません。しかし、教育長の答弁からは、質の高い教育モデルとしての背景が見えてきました。
この「利用者ゼロ」の背景には、主に2つの理由があります。
1. 早期支援の成果: 小学校低学年から通級指導を利用し、中学校進学までに学習や生活上の困難さが改善された。
2. 丁寧な合意形成: 本人・保護者と小中学校が十分に相談した上で、利用の有無を判断している。
倉敷市の中学校における通級利用率は、令和5年度で0.7%(全国平均1.2%)と低めですが、一方で「利用者が在籍している学校の割合」は73.1%(全国平均50.8%)と非常に高く、令和7年度には92.3%にまで上昇しています。つまり、多くの学校にニーズが存在し、きめ細かく対応している証左でもあります。
この状況に対し、齋藤議員は次のように高く評価しました。
「文部科学省が求めてきた真逆でとても良い事例だと思うんですね。もっと誇らしげにPRをして同様の取り組みを全校に広げていくべきではないでしょうか。」
早期に適切な支援を行い、将来的に支援を必要としない状態へと成長を促す。この好循環を「倉敷モデル」として全校に広げていく価値は極めて高いと言えます。
一方で、この素晴らしい支援制度の普及を阻む、深刻な構造的課題があります。現在、倉敷市内で通級指導教室が設置されているのは、サテライト教室を含めても小中学校合わせて13校。全校設置には至っていません。
教室が自校にない場合、保護者が授業時間中に他校へ送迎しなければなりません。この「物理的な距離」は、単なる手間の問題を超え、家庭の経済基盤を揺るがす「二次被害」を引き起こしています。
* キャリアの断念: 送迎時間を確保するため、正社員からパートへの契約変更を余儀なくされる。
* 経済的困窮: 職場との調整がつかず、最終的に離職に追い込まれ、世帯収入が激減する。
* 教育機会の不平等: 「親が送迎できない」という理由だけで、本来必要な支援を諦めるケースが存在する。
これはもはや教育の問題だけでなく、親の「労働の権利」を侵害する社会課題です。「子どもが移動して学ぶ」という現行のモデルから、専門家が学校を回る、あるいはすべての学校に教室がある「サービスが子どもの元へ届く」全校設置モデルへの転換が、論理的にも人道的にも不可欠です。
さらに、中学校までは9割以上の学校で何らかの支援に繋がっているのに対し、高校進学を機に支援がパタリと途切れてしまう「段差」が存在します。
現在、倉敷市立高校において通級指導の利用者は「ゼロ」です。これは生徒にニーズがないからではありません。齋藤議員が指摘するように、「利用できる環境そのものが整っていない」のが実情です。
義務教育を終えた途端に支援の枠組みが消滅する現状は、子どもたちの社会へのスムーズな移行を妨げる要因となります。幸いにも、文部科学省は令和8年度から高校での指導方法の検証を始める方針です。自治体としても、この「空白地帯」を埋めるための体制整備を急がなければなりません。
通級指導教室は、決して「一部の特別な子ども」だけのための場所ではありません。すべての子どもが、自分に合ったスタイルで学び、健やかに成長するための当然の権利です。
これまでの議論から明らかなように、通級指導の「全校設置」は、単なる教育の充実にとどまりません。それは、送迎の負担から保護者を解放し、家庭の生活とキャリアを守ることに直結しています。
教育環境を整えることは、子どもたちの未来を拓くと同時に、支える親の人生を支えることでもあります。
すべての子どもが移動の制約や家庭環境に縛られず、通い慣れた自分の学校で必要な支援を受けられる社会。そんな「当たり前」を実現するために、まずは私たち自身が地域の学校の設置状況に目を向け、この負担が「家庭だけの責任」にされていないか、問い直していく必要があるのではないでしょうか。
質問通告最後の通級による指導についてお伺いいたします。
この項の1点目、倉敷市の通級指導教室の設置状況についてお伺いいたします。
令和7年7月16日付文部科学省初等中等教育局長通知、「令和5年度通級による指導実施状況調査」の結果についてでは、各教育委員会において、各学校が通級による指導を積極的に実施できるよう体制の整備に努めることが示されていますが、現在の倉敷市の通級指導教室の設置状況はどうなっているのか、お尋ねいたします。
○議長(荒木竜二君)仁科教育長。
◎教育長(仁科康君)通級による指導での学習とは、通常の学級に在籍する児童、生徒が言語や情緒の通級指導教室に通い、自立活動として、発音やコミュニケーションの仕方等を身につけることでございます。
現在、倉敷市では、言語障がいと情緒障がいの通級指導教室を小学校7校、情緒障がいの通級指導教室を中学校2校に設置しております。また、中学校通級指導教室の担当者が学校を巡回して指導を行うサテライト教室を、中学校3校に設置しております。さらに、聴覚障がいの通級指導教室を岡山県立岡山聾学校の派遣教室として、小学校1校に開設しております。
○議長(荒木竜二君)齋藤武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎君)今の御答弁で、倉敷市内にはサテライト教室を含めて、小・中学校合わせて13校に通級指導教室が設置されていることが分かりました。
続いて、この項の2点目の通級による指導を受けている生徒がいない中学校についてお伺いいたします。
前述の文部科学省の通知の中で、全ての中学校に特別な教育的支援を必要とする生徒が在籍している可能性があることを前提に、通級による指導体制の充実に努めることが求められています。
そこで、倉敷市の現状を調査してみました。国の調査と同じ令和5年度で、倉敷市立中学校で通級指導教室を利用しているのは89人で利用率は0.7%と、全国平均の1.2%より低くなっています。また、公立の中学校数全体に占める通級指導教室を利用している生徒が在籍する学校の割合は、全国が50.8%に対して、倉敷市立中学校では73.1%と、こちらは倉敷市のほうが高くなっています。
利用する生徒は年々増加しており、令和7年度では倉敷市立中学校生徒の通級指導教室利用率は1.0%。ただ、令和5年度の全国平均よりは下回っています。通級指導教室を利用する生徒が在籍する学校の割合は92.3%と、いずれも増加しています。その中で、倉敷市立中学校で通級指導教室利用者が1人もいない学校が2校あることが分かりました。このことは、文部科学省が求める全ての中学校に特別な教育的支援を必要とする生徒が在籍している可能性があることを前提に、通級による指導体制の充実に努める必要があるのではないでしょうか。
利用する生徒がいない中学校の現状についてお伺いいたします。
○議長(荒木竜二君)仁科教育長。
◎教育長(仁科康君)令和7年度に、通級による指導を受けている生徒がいない中学校は2校となっております。
児童、生徒の通級指導教室の利用につきましては、毎年各学校で検討されており、小学校低学年から通級指導教室を利用し、中学校進学までに障がいによる学習や生活における困難さの改善が図られたこと、また本人、保護者と小・中学校が相談した上で通級指導教室を利用しないことなどにより、通級による指導を受けている生徒がいない中学校もございます。
倉敷市教育委員会といたしましては、今後も引き続き通級による指導の一層の充実に努めてまいります。
○議長(荒木竜二君)齋藤武次郎議員。
◆35番(齋藤武次郎君)通級指導教室の利用者が1人もいない中学校がある理由として、小学校低学年から通級指導教室を利用して、中学校進級までに障がいによる学習や生活における困難さの改善が図られているということを御答弁いただきました。このことは、文部科学省の指摘とは真逆で、とてもよい事例だと思うんですね、もっと誇らしげにPRして、同様の取組を全市に広げていくべきではないでしょうか。この2校も、決して生徒数が少ないからゼロではないわけですね。今後ともよい事例、取組を広げるとともに、通級指導教室の利用が必要な児童、生徒が通級指導教室を利用できるように、通級による指導の一層の充実に努めていただきたいと思います。
続いて、この項最後の通級指導教室の拡大についてお伺いいたします。
先ほどの答弁であったように、全ての学校に通級指導教室を設置しているわけではありません。在籍の学校から通級指導教室を受ける学校まで、保護者等が送迎しなければなりません。それが保護者の負担になっていたり、保護者が仕事を辞めたり、正規労働からパート労働に変わったりしなければならないケースもあり、家庭の収入減を余儀なくされている例もあるとお聞きいたします。また、送迎ができないために、通級指導教室の利用を諦めざるを得ないケースもあるそうであります。本来は、全学校に通級指導教室が設置されるべきであります。全校設置に向けて、通級指導教室の数を増やすことを要望させていただきたいと思います。
また、小・中学生に比べて高校生の通級指導教室の利用が広がっていないことを受けて、文部科学省は令和8年度に高校での適切な指導方法などの検証を始める方針を決められました。倉敷市立高校では、全く通級指導教室の利用がなされていません。というよりは、利用できる環境が整っていないのが現実であります。倉敷市立高校における通級指導教室及び支援の必要な生徒に必要な支援を行える体制整備を要望して、私の全ての質問を終わらせていただきたいと思います。
御清聴ありがとうございました。
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