選挙ドットコム

熊谷 俊人 ブログ

【まちづくりパッケージの策定 『千の葉をつなぐ幹となれ』抜粋連載企画、台風15号対応⑨】

2020/10/18

【相次ぐ災害を教訓としたまちづくりパッケージの策定 『千の葉をつなぐ幹となれ』抜粋連載企画、台風15号対応⑨】

おはようございます。
拙著『千の葉をつなぐ幹となれ』の抜粋連載企画。今日は相次ぐ災害を経験したからこそ、防災モデル都市となるプロジェクトについて。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■ 防災モデル都市となる

台風 15号への対応を行っている最中、台風 19号、さらには 10月 25日の集中豪雨と三度、千葉は大きな災害に見舞われました。特に 10月の豪雨では、千葉市で1カ月に降る雨がわずか3時間で降るという、観測史上でも例の無い集中豪雨によって市内各所で道路冠水や内水氾濫、土砂崩れが発生しました。
千葉市では市民への警戒情報の発信や帰宅困難者対策など、市職員が全庁を挙げて災害対応にあたってくれましたが、土砂崩れによって3名の尊い命が失われました。亡くなられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、命を救うことのできなかった悔しさを今でも感じます。

千葉県は土砂災害警戒区域の指定率が全国で最も低い県であり、千葉市も県に対して早期指定と対策を求めてきました。政令市といえど防災、特に土砂災害に関しては権限の多くが県にあります。
県もこの事態を受けて、早期指定に向けて特別態勢を敷き、スピード感を持って土砂災害警戒区域の指定など各種対策を展開してくれています。国、県と連携しながら、被災地の復旧復興を今後も進めていきます。

そうした中で私が職員に呼び掛けたことは、「未曽有の災害に打ちのめされるのではなく、ただ単に復旧復興に取り組むだけではなく、これら災害に最も強い都市を作り上げ、全国の防災モデル都市となるのだ」ということです。
私の住んでいた神戸市は阪神淡路大震災で凄まじい被害を受けました。神戸市はそれ以来、防災先進都市として様々な防災対策に取り組み、そして災害が起こった都市をいち早く支援しています。

被災者は支援も求めていますが、一番求めていることは「自分たちのつらい経験が誰かのために役に立つ」ということです。千葉市のみならず千葉県は、一連の被災とその対応によって「災害に弱い県」というイメージがつき、県民の中にも忸怩たる思いを持っている方も少なくありません。
私は市民に誇りを失ってほしくありません。逆境を新たな道を切り開く契機に変えていく、被災経験を意味のある経験に変える、そのために行政がリーダーシップを発揮し、先駆的な防災対策に取り組むことが必要です。

そのビジョンの下で、千葉市は2月には「災害に強いまちづくり政策パッケージ」を発表、

1、電力の強靭化
2、通信の強靭化
3、土砂災害・冠水等対策の強化
4、災害時の安全・安心の確保
5、民間企業等との連携拡大

の5つの分野において踏み込んだ一連の施策を打ち出しました。

例えば電力の強靭化では、避難所となる公民館・学校約200カ所に太陽光発電設備と蓄電池を整備し、長期停電となってもそれぞれの地域に電力の途切れない拠点を作ります。
この施策の特徴は「行政の負担なく」という点です。税金を使って整備するのはどの自治体でもできます。千葉市は民間との連携によって市の負担ゼロで、しかも2022年度までにスピード感を持って整備するところに千葉市としての創意工夫があります。

千葉市は一連の災害の前に北海道の停電災害を受けて企業との連携を進めていたことを紹介しましたが、その一環としてTNクロス社(東京電力・NTT出資会社)とも協定を締結しています。
その協定のモデル事業として、市内中学校において環境省の補助事業を活用して企業負担で太陽光発電と蓄電池を整備し、平時は学校が電気をTNクロス社から購入し、災害時には地域の電力として活用する取り組みを行っており、事業として成り立つという結論を得ていました。

一連の災害後に速やかに民間主体による太陽光発電・蓄電池整備を打ち出せたのは、こうした災害前のモデル事業のノウハウがあったからです。この取り組みを着実に進めていくことで電力の強靭化を実現し、全国のモデルとなることができます。

民間企業等との連携という点では千葉市は2つ全国のモデルとなる連携を実現しています。1つは東京電力との協定、もう1つは不動産業界との協定です。

1つ目の東京電力との協定は、台風 15号の際に倒木処理を加速化するため、電線に関わる倒木を電力事業者と市側で連携して処理することができるようにした取り組みを協定という形で整理したほか、災害時に東京電力からリエゾン職員(現地情報連絡員)を派遣してもらい、復旧情報を迅速に共有すること、市側の優先順位に基づいて電源車を派遣してもらうことなどが盛り込まれており、こうした協定を市が締結するのは全国初となります。

不動産業界とは、市のハザードマップを活用して、物件売買時にその物件の災害リスクを事前に市民に説明していただく協定を締結しました。
重要事項説明において土砂災害については説明が義務化されていますが、それ以外の災害リスクについては不動産事業者に委ねられています。市民が自らの災害リスクを十分に理解していなければ、いざという時の避難行動にもつなげることはできません。

不動産事業者が売る際にマイナスになる情報を伝えることを驚かれる方もいるかもしれませんが、私が全国宅地建物取引業協会(宅建協会)千葉支部の役員に相談したところ、「千葉市の防災の取り組みに協力できることは大変光栄。我々宅建事業者には、不動産取引を行う人に対し、知り得た事実についてきちんと伝える義務がある」と快諾いただき、首都圏でも初の協定締結となりました。
今後は全日本不動産協会の方とも協定を締結する予定です。(※現在は締結済)

この2つの協定はいずれ千葉県、さらには首都圏全体のモデルとなるでしょう。千葉市の被災経験、そしてそこから生み出された政策が他の自治体に役立てられる、それは既に始まっています。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

私たちが東電と締結した協定は既に千葉県や県内他市町村が千葉市をひな型にして締結しています。
また、民間と連携しての太陽光発電・蓄電池設置モデルは、環境省の事業募集の際も、この事例が参考モデルとして提示されています。

これで災害対応に関する抜粋連載は終了となります。
今までの抜粋連載をまとめて私の公式ページ(https://www.kumagai-chiba.jp/
で後ほどアップする予定です。

この記事をシェアする

著者

熊谷 俊人

熊谷 俊人

選挙 千葉県知事選挙 (2021/04/04) - 票
選挙区

千葉県

肩書・その他 千葉市長
党派・会派 無所属

熊谷 俊人さんの最新ブログ

ホーム政党・政治家熊谷 俊人 (クマガイ トシヒト)【まちづくりパッケージの策定 『千の葉をつなぐ幹となれ』抜粋連載企画、台風15号対応⑨】

icon_arrow_b_whiteicon_arrow_r_whiteicon_arrow_t_whiteicon_calender_grayicon_email_blueicon_fbicon_fb_whiteicon_googleicon_google_whiteicon_homeicon_homepageicon_lineicon_loginicon_login2icon_password_blueicon_posticon_rankingicon_searchicon_searchicon_searchicon_searchicon_staricon_twitter_whiteicon_youtube