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【過去の災害の教訓が台風15号対応に活きる千の葉をつなぐ幹となれ』抜粋連載企画、台風15号対応④】

2020/10/8

【過去の災害の教訓が台風15号対応に活きる 『千の葉をつなぐ幹となれ』抜粋連載企画、台風15号対応④】

おはようございます。
『千の葉をつなぐ幹となれ』の連載企画④です。私は歴史が好きで、過去から学ぶことで成長してきました。
災害対応においても、被災を経験した知事や市長から当時の経験を聞くことで、自分が同じ立場だったらどうするか、常にシミュレーションしてきたことが昨年の災害では活きてきました。逆に私の体験も誰かの役に立つと考え、書き残しています。

『千の葉をつなぐ幹となれ』は書店での取り扱いが増えており、私の公式Webで取り扱い店舗を紹介しています。公式Webで申し込んで頂ければ、希望者にはサイン入りのものを送付いたします。https://www.kumagai-chiba.jp/book/

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■10年の経験と他の災害の教訓が生きる

 このように想定外の状況に陥りながらも、千葉市は与えられた条件の中で最善を尽くすべく全組織が動いてくれました。これは組織として東日本大震災の経験が大きかったほか、千葉市が長年、東北や熊本など、大規模な災害が発生した自治体に「助けると同時に、我々も学ぶ」というスタンスで職員を積極的に応援派遣してきたことも役に立ちました。

 私自身についてはやはり任期 10年間の経験が大きかったと思います。 10年で、東日本大震災以外にも、竜巻災害や大雪被害、台風など様々な災害に直面する中で、自分なりに自身の行動や判断を総括してきました。
 もっとこうしておけばよかったのではないか、ほかに良い判断はなかったのかどうか。今でも自問自答する時があります。
 被災地に派遣した職員が帰ってきた際には必ず報告を受け、時にはランチミーティングなどで昼食を取りながら現地の話を詳しく聞いてきました。

 また、私は様々な勉強会を通して知事や市長と交流を持っているので、被災地の知事や市長と会った時には「どのような考えで災害指揮に臨んだのか」、「あの時の判断の背景はどうだったのか」などを直接聞いて自分なりに研究することができました。熊本地震での大西一史熊本市長、博多駅前道路陥没事故での高島宗一郎福岡市長、2018年7月豪雨での片岡聡一総社市長など、多くの尊敬すべき首長から学ぶことが多々あります。
こうした学びが今回の災害では生かされましたが、それでも災害対応に完璧はありません。今回の災害も組織的な総括と、自分自身の総括を、しっかりと行い、次の災害に備えていく考えです。

■ Amazon欲しいものリスト

 学びが生きたという点では、岡山県総社市から学んだ災害時のAmazon欲しいものリストの活用があります。
 Amazonを使っている方はご存じだと思いますが、Amazonには自分が欲しいものをリスト化して他者に公開する機能「欲しいものリスト」があります。この機能を活用して被災地として今必要なものをリスト化し、全国から支援物資として募ることができるのです。

 災害時には、報道等を見た全国の方から「何か必要な物はありますか?」という問い合わせが必ずあります。人として何か支援したいとなった時に、日本人はどうしても「物」を送りたいのです。個人が送る少量の物資が整理されずバラバラに届くことで、被災自治体はその物資の受け取り、仕分け、配送などで負担がかかるので、本当は義援金などが最も良いのですが、目に見える「物」を送りたいという気持ちは非常によく分かります。私たちもそうした善意を無駄にしたくありません。
 そこで、被災自治体として必要な物資をあらかじめAmazonで取り扱っている商品単位で指定し、かつ必要量と送付先も指定しておくことができるAmazon欲しいものリストは大変有用です。必要量に達すると自動的にリストから落ちることで、必要な品物を必要な量、必要な場所に送っていただくことができ、支援する側も普段慣れたAmazonでボタンを押すだけで支援物資を必要な場所に送ることができます。

 台風が襲来する半年ほど前に指定都市市長会議が岡山市で開催される際に、7月豪雨での対応が注目された総社市に会議前に立ち寄り、片岡市長や副市長から被害の状況や災害対応について詳しく伺うことができました。被災された方々とも交流することができ、様々な学びがあったのですが、その中でAmazon欲しいものリストの話が出て、千葉に戻った後すぐに防災部門に検討を依頼しました。
 その後、別の部署である千葉市動物公園で動物たちの新たな展示や来園者へのおもてなしで必要なものをAmazon欲しいものリストで募集したところ、所管も驚くほどのスピードで寄付が
集まりましたので、この手法は大変有用だと実感しました。
 台風が襲来した際、危機管理監から「Amazon欲しいものリストを活用したいと思います」と具申があり、「検討しておいてよかったね。早速活用してくれ」と指示し、ブルーシートや停電世帯に支給するLEDランタンなどを募集し、あっという間に支援物資を集めることができました。この手法は支援物資を迅速に集めることができるだけでなく、誰もがすぐに参加できる斬新な支援手法を提示することで、SNSやテレビ等で大きな反響を呼び、千葉市が全国的な注目と支援を集めることにもつながりました。

 今ではこの手法は他の自治体も採用し、今後の日本の被災地支援のスタンダードになっていくと思われます。なお、この機能はAmazonしかないのですが、他の通販サイトにも同様の機能が実装できないか呼び掛けているところです。

■災害時におけるツイッターの有用性

 今回の災害ではツイッターが本当に役に立ちました。2011年の東日本大震災の際も、私はツイッターを活用して計画停電の情報や市の復旧復興情報などを発信したり、十分に役立ちましたが、当時と今では普及度が違います。当時は情報感度の高い人たちがツイッターを使う傾向にあり、有用な情報がある一方で、確度の低い情報も拡散され、真偽を見極める必要がありました。行政の最新の情報を多くの方に発信し、自動的に拡散されるという意味では有用でも、被災現場の実態把握という観点では平均的な実態とずれていることを考慮する必要がありました。

 それが9年間経過し、今ではごく普通の方も災害時などに行政のツイッターなどで情報を入手することが一般的になり、特に千葉市では私がこの 10年間、常にツイッターで市政情報を発信し、ツイッター対話会など平時から意見交換を行ってきたため、若い方はもとより高齢の方でも「市長、ツイッター見ています。娘が設定してくれまして」と普及が進んでいました。
 その結果、「市長、○○町です。倒木で道路が寸断され、孤立状態です」「、○○町は東電のホームページでは停電地域になっていませんが、○○番地は局所的に停電しています」といった情報が一気に集まり、行政が集約した情報とツイッターの情報を掛け合わせることで、おおよそどの地域がどのような状況に置かれているか、被害の全体像を把握することにつながりました。時には危機管理部門よりも詳しい情報を持っている時もありました。9年前と比べて写真や動画をつけるようになったことも大きいですね。
 また、日が経過するにつれて被災者のニーズが変化していく様子も分かり、災害対応がどのステージにあるかも把握しやすくなりました。

 千葉市では2011年の東日本大震災を契機に、広報広聴課や観光プロモーション用のアカウントを立ち上げ、私のアカウントと連携しながら適宜情報を発信してきました。9年間の蓄積があるため、多くの市民がフォローしています。災害時に必要な情報を拡散させやすいほか、広報広聴課が必要な発信をしっかりしてくれました。
都道府県でも観光や防災などでSNSを活用していますが、千葉県はSNSを活用してこなかったため、今回の災害時もSNSでの情報発信がなく、7日目の 15日になって防災アカウントが立ち上がっています。

 私からの助言としては、千葉市のように広報系の部署がアカウントを運用した方が良いと思います。県の防災アカウントは防災危機管理部危機管理課災害対策室に広報部門の職員が臨時的に防災危機管理部に派遣されて運用したようですが、災害時に県民が求める情報は防災危機管理部以外にも数多くあります。普段から各部門が県民に広報すべき情報を集約する業務フローが存在する広報部門が運用することが望ましいですし、平時に県の各種情報を発信しているからこそ、多くの県民がフォローします。

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著者

熊谷 俊人

熊谷 俊人

選挙 千葉市長選挙 (2017/05/14) [当選] 182,081 票
選挙区

千葉市

肩書・その他 千葉市長
党派・会派 無所属

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