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村松 一希 ブログ

歌舞伎町トー横問題について(悪質ホストクラブ、オーバードーズ)

2023/12/13

これまでトー横問題、悪質ホスト対策に取り組んでこられた「かけこみ寺」や「青少年を守る父母の連絡協議会(青母連)」の皆様との意見交換や、現場調査、都担当部署との意見交換など行って参りました。現在の状況を一旦まとめてみたいと思います。

 

 

1,悪質なホストクラブの現状

現象としては新大久保公園周辺の路上売春婦いわゆる「立ちんぼ」であるが、特に問題となる動機として、ホストクラブやコンセプトカフェで「推し」に貢ぎたいというもので、自発的ならばまだしも、マインドコントロール化で冷静な判断が出来なくなっているということが問題である。

 悪質なホストクラブでは若年女性に恋愛感情を抱かせ、マインドコントロール化におき、巨額の借金(売掛金)をさせ、性風俗店や「立ちんぼ」などをさせて借金を返済させていく。被害者は被害を受けているとは思っていないケースが多く、事件化しにくい。ホストクラブではこのマインドコントロールを行う方法をマニュアル化しており、組織的に行われていると言える。

 路上での客引きがホストとグルになっているケースもあり、ホストクラブに紹介後、借金が増えると今度は性風俗店を紹介し、ホストクラブと性風俗店それぞれからマージンを取っていることで、被害者の負担がさらに重くなる構造がある。

 客引きの紹介で風俗店に勤務するとマージンを取られ収入が減ることから、自分で路上に立ち客を取って売春を行うケースやSNSなどで客を取るケースもある。

 さらに友達を連れてきたら借金を減らしてあげるなどと言われて、被害者を増やしてしまうことがある。被害者の多くは地方から東京の学校に出てきた学生や、東京の企業に就職したばかりの女性で、都民は2割を切るとのこと。

 売掛金の回収に「トクリョウ」匿名・流動型犯罪グループが関わっているケースもある。被害者の自宅や被害者の両親、親族宅への訪問は当たり前に行われている。

 

2,現行法での対応

・消費者契約法第4条第3項第6号で18歳以下や恋愛感情を利用した契約を取り消すことができる。

・性風俗店の紹介は職業安定法第63条で罰則規定があり検挙することができる。

 

3,都の対策

・警視庁は悪質なホストクラブや客引きの取り締まり強化。現行法での検挙徹底。

・路上売春婦の取り締まりを強化、福祉や消費者相談などにつなげる。

・面会要求罪の厳格な適用。

・令和6年トー横に相談ブースを設置。

・都内教育機関で注意喚起を要請(霊感商法については以前から行っている)

 

4,新宿区の対策

・トー横周辺の見回りを強化。ホストクラブへ訪問し、不法行為が無いよう啓発。

・区とホストクラブ事業者で意見交換、売り掛け禁止について要望。

 

5,業界団体の取り組み

令和6年4月から売掛禁止や20歳未満の入店禁止を目指す予定。一部店舗ではすでに取り組みが始まっている。

 

6,法規制の提案

売り掛けを禁止する法令を作るべきである。問題となっているのはホストクラブであることから、風俗営業1号に規定されている事業者のみ売り掛けを禁止する法令を作ることで規制が可能と考える。

 

7,オーバードーズについて

市販薬を大量に服用することで「ハイ」になることから、トー横に集まる中高生を中心に広がっている。手軽に薬局で購入出来ることから被害が広がっている。オーバードーズ状態でカラオケで歌うことを「パキカラ」と呼び、あたかもカッコイイことのように広がっている。平常心ではなくなり飛び降り自殺をしたり、致死性不整脈や、アセトアミノフェンによる肝不全が原因で亡くなるケースも。またオーバードーズに起因して、性被害など犯罪に巻き込まれるケースも多い。

地方の子供がトー横で覚えたオーバードーズを地元に戻って拡げる、地方にトー横のような空間を作るなど、全国に波及させている。

生活保護受給者がSNSを通じて薬を売買するケースもある。フリマアプリでぬいぐるみの販売と偽り、購入すると薬が届くケースもある。

 

8,オーバードーズを始める動機

・友達がやっていて、仲間はずれになりたくない。

・ファッション感覚。オシャレ。おそろいの薬用キーホルダー。

・犯罪行為ではなく、簡単に入手できる。

・楽しい気持ちになりたい。現実逃避したい。

・身体的外傷がない。

・興味本位。SNSでの投稿をみて。

 

9,オーバードーズ対策

薬の販売について規制をしていく必要がある。同時に多量の購入を規制することや未成年への販売を規制するなどが考えられる。

 

10,「根本原因、トー横に集まるのはなぜか」

 一言で言えば「孤独」を感じている子供が集まっている。家庭や学校、地域に自分の居場所がなく、同じ境遇の同世代が集まるトー横に集まってきてしまう。「孤独」を感じる原因はそれぞれで、家族からの虐待だったり、学校でのいじめだったりするが、コロナ禍でリアルに人と会う機会が少なくなったことも大きな要因といえる。

 家族と一緒にいられない子供を見守る地域や学校の取り組みが必要で、その中で孤独を感じている子供はトー横など、同じ境遇の子供が集まる場所を作ってしまう。集まることは悪くないが、歌舞伎町のド真ん中であるトー横で集まることは、それだけで犯罪に巻き込まれやすいといえる。

 

11,「まとめ」

オーバードーズや売春という「現象」を解決するための規制を強化するのではなく、その「根本原因」である「なぜ」を解決する支援策が必要です。その解決のためには経済対策だったり、教育支援であったり、地域の仕組みであったりする思います。今後も「なぜ」を解決するための取り組みを進めて参ります。

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村松 一希

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