港区の防災対策についてですが、一昨年から高輪南町町会よりご相談を頂きまして、高齢者の多い町会として１キロ先の我が母校高輪台小学校の避難所まで避難することは厳しいとのこと。出来れば品川駅周辺の再開発の中で、我々区民を受け入れてくれる区民が避難を出来る場所を作ってもらえないかとのご相談でした。ご相談をお受けして、京浜急行電鉄（株）や（株）西武リアルティソリューションズ、JR東日本（株）に区がこれまで協議してきた帰宅困難者とは別の区民向けの避難所（補完避難所）の提供をお願いを致しました。これについては各社とも前向きな回答を下さいました。大変有り難い話であり、南町町会の皆さんにも喜んで頂いた次第です。しかし、今年の元日に起きた能登半島地震によってより踏み込んだ防災対策に取り組むべき話となりました。私は能登半島地震の前年である昨年の令和５年港区議会第3回定例会の会派代表質問において、区内ホテルにおいて新型コロナウィルス蔓延期に療養施設としてホテルが使われたことから、災害時において区民避難所から家の倒壊等でご自宅に戻れない方についてホテルに滞在することが出来ないか、避難についての「港区モデル」を確立して欲しい旨の質問しております。その際の武井区長の答弁は直接的に区民のホテル避難については触れられませんでした。その翌週からの令和4年度決算特別委員会の総務費の款にてこのホテルでの避難について所管課に質問を致しました。その際の答弁は区内に多数存在するホテルに協力を求めていくとのことでした。ここでご相談を頂いた南町町会の件ですが、再開発の中で区民が避難する補完避難所では数年先の完成を待たなければなりません。再開発が完成するまでのこの間に発災した場合の対応をどうするのかが、今年に入ってより早く進めなければならない重要な課題となりました。防災課の方へお願いをしておりました西武リアルティソリューションズとの協議も進んでいない状況と聞き、私は４０年近くに亘りお世話になっているグランドプリンスホテル高輪の総支配人に相談を致しました。ここで話が一気に進展して西武リアルティソリューションズとグランドプリンスホテル高輪管理課との話し合いの場を設けて頂き、本年3月22日に当時の鳥居防災課長、中村高輪支所協働推進課長と共にホテルへ伺いました。そこで補完避難所についてご了解を頂き、また二次避難所となるホテル客室への避難についてもご了解を頂き、話が前に進みました。協定締結を楽しみにしておりましたが、本年6月に港区と（株）西武リアルティソリューションズとの協定が締結されました。高輪プリンス・品川プリンスの２地区であり、残念ながらプレス発表は行われておりません。しかし、大変嬉しいことに港区側の署名は「港区長　武井雅昭」になっております。

また、先週になりますが区が2次避難所として区内ホテルへ協力を求めていくことが分かりましたので、妻の女学校時代のご縁を使わせて頂き、佐藤危機管理室長とアパグループ本社へ伺わせて頂きました。ここで元谷一志社長ともお会いさせて頂き、港区とアパグループでの災害時のアパホテルへの避難、所謂、「二次避難所」として使わせて頂く方向で合意させて頂き、協定締結へ向けて準備を進めることになりました。都内では初めてのことですし、避難所運営での港区モデル確立へ一歩前進したと喜んでおります。

なかかな進んでこなかったペットの避難についても、昨年の9月に東京都獣医師会の上野会長と平井事務局長と区の防災課にてお会いさせて頂きました。平井潤子事務局長はペット防災のエキスパートでおられ、その際にも大変貴重なご助言を頂きました。本年8月21日に港区へ平井先生がご来庁下さり、その際に同席された防災危機管理室長、高輪協働推進課長に的確なアドバイスを頂戴致しました。ペットの避難については同行避難の前に、内も外も災害に強い家を作り、ペットを避難所へ連れて行かなければならないことを飼い主は極力避けるべきであると伺いました。犬も猫も住み慣れた家にいることが一番であり、飼い主はその努力をすべきだそうです。また、ペットとの同行避難が議会でも強く言われますが、飼い主との同行避難は大変ハードルが高く、同行避難については飼い主が運営するペット避難所を開設するのがこれまでの被災地を回って実際に行われてきたこともお伺いしました。普段から掛かり付けの動物病院やよく使うペットホテル等と契約して被災した際に預かってもらうことがペットのストレスを減らす飼い主の重要な役目となっているそうです。このことをよりペットを飼われている区民の皆さんに周知して、ペットの避難について正しい知識を得ていかなければならないと強く感じている次第です。

これからも港区の防災力の向上に向けて取り組んで参ります。