2023/6/5
○田中(健)委員 国民民主党、田中健です。
加藤大臣始め皆様、どうぞよろしくお願いをいたします。
まず、本日は独立行政法人について伺いたいと思います。JCHOから山本理事長にもお越しをいただきました。地域医療機能推進機構であります。
このJCHOの清水さくら病院起工式が、二〇二二年の十二月二十一日、JR清水駅東口の建設予定地で行われました。山本理事長、また院長、そして静岡市長、そして不肖私も参加をさせていただきました。
ここに至るまで、この清水さくら病院、移転場所が二転三転し、入札も不落が続き、三度目で何とか落札ができました。多くの苦労があってここまで来たという思いであります。行政の説明不足や津波浸水地域に建設するという問題についても当委員会で指摘をさせてもらい、その際には、山本理事長から、万全な体制で臨むということも答弁いただいたところであります。
しかし、資料、新聞記事をつけさせてもらいましたけれども、先月、病院が寄附を呼びかけという静岡新聞の記事でございますが、この記事が載りました。内容としましては、建設資材の高騰で当初予算を二割オーバー、医療機器予算からこの五億円を充当することで医療機器予算が不足してしまった、この寄附を呼びかける事態に陥っているという内容でした。
市民も、私も、この記事を見るまで知りませんでしたので、寝耳に水の話でございまして、十二月に参加をしました起工式でも、そんな話は全くありませんでした。これはいつ理事長には伝えられたのかということをお聞きをしたいと思っています。
資材の高騰というのは、もちろん、このコロナ禍で分かります。多くの物価が上がり、資材が上がっています。しかしながら、これは十一月七日に落札したばかりでありまして、僅か三か月で予算の二割アップ、これはなかなか理解がし難い内容です。
まず、どうしてこのような状況になってしまったのか、お伺いをいたします。
○山本参考人 お答え申し上げます。
JCHOにおいて病院を建て替える場合は、当該病院の経営状況を勘案して、病院自身が建築費用等の資金計画を立てております。この桜ケ丘病院におきましても、できるだけ赤字経営とならないように病院自身が資金計画を立て、支払いが可能となる上限額を設定して、これを本部が承認して、自己資金で不足する場合については、その額を貸付けを行うということにしております。
この桜ケ丘病院の新病院の建て替え工事入札では、建築資材等の高騰を勘案して、病院が設定した上限額以内になるように入札を繰り返して、そして、令和四年、昨年十一月に三回目の入札で落札しました。その結果、第一回目の入札に比べて、建て替えの工事費用が約二割増加したというところでございます。桜ケ丘病院の支払い可能な上限額には医療機器の整備費用も含まれておりますために、工事費が二割増額となった分を医療機器整備費が不足することになった、こういう次第でございます。
○田中(健)委員 御説明いただきました、JCHO傘下の、全国各地に病院がありますけれども、自治体の場合は、損失の場合、穴埋めができるんですけれども、そのような公立病院とは違い、御説明あったように独立採算が求められております。一方、透明性の高い企業経営を導入することが義務づけられ、民間企業からの借入れは機構法で禁止をされているということです。
JCHOの本部からの借入れと病院ごとの積立金が新病院建設の際の財源だということも今説明いただきましたけれども、そうしますと、病院の資金計画が甘かったということになるんでしょうか。あわせて、寄附に頼るしか、市民の皆さんにお願いするしかないというのが現状なんでしょうか。お願いいたします。
○山本参考人 先ほどもお答え申し上げましたとおり、JCHOにおいて病院を建て替える場合には、当該病院の経営状況を勘案し、病院自身が建築費用等の資金計画を立てているところでございます。この桜ケ丘病院においても、できるだけ赤字経営とならないように病院自身が資金計画を立て、そして支払いが可能となる上限額を設定し、本部が承認して、自己資金で不足する額の貸付けを行うこととしているところでございます。
先ほども御指摘ございましたように、JCHOでは、法人全体かつ各病院が独立採算による安定的な運営を目指して取り組んでいるところでございまして、この桜ケ丘病院についても、経営改善による自己資金の増加や、支払い可能な上限額の見直しによる本部からの貸付金増加に向けた検討、これを、あわせて、現在お願いしている寄附金などを活用して新病院の整備を進めて、地域医療に貢献してまいりたいと考えているところでございます。
○田中(健)委員 そうしますと、病院の資金計画が甘かったと言わざるを得ないんですけれども、やはり、できる前から市民に、五億円集めるというのは余りに不安定で、市民からは大変に心配をされています。私も起工式に出て、本当に、これから立派な病院ができ、地域医療を担っていただきたいという強い思いを持っておったので、是非ここを本部も力を合わせて取り組んでいただきたいと思っていますが、既に、当初、二〇二三年には竣工するということなんですが、二〇二四年十二月にもう延期がされています。この資金不足により更に完成が遅れるんじゃないかという声が地元から上がっておりますけれども、この計画の見通しというのを聞かせてください。
○山本参考人 繰り返しになりますけれども、JCHOでは、法人全体かつ各病院が独立採算による安定的な運営を目指して取り組んでおります。この桜ケ丘病院につきましても、経営改善による自己資金の増加、それから、支払い可能な上限額の見直しによる本部からの貸付金増加に向けた検討、それから、あわせて、現在皆様にお願いしている寄附金などを活用して新病院を整備することとしておりまして、新病院の完成に遅れが生じることはないと考えているところでございます。
○田中(健)委員 新病院、一日も早い竣工が待たれていますので、今、遅れがないと理事長に強く言っていただきましたので、是非力強く進めていただきたいと思います。
理事長、ありがとうございました。
関連しまして、独立行政法人、今度は国立病院機構について伺いたいと思います。
この国立病院機構においては、看護師さんたちがサービス残業、過重労働などに耐えかねて大量退職しているという問題が、週刊誌に相次いで報道がされました。ブラック労働問題とまで指摘をされていましたけれども、一体何が起きているんでしょうか。お伺いします。
○榎本政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま委員御指摘の報道がありましたことは承知しているところでございます。
この事案につきましては、本年二月上旬に、国立病院機構の病院において看護職員の勤務実態が労働関係法令違反の疑いがあると報道されたものでございまして、その後も類似の事案が報道されているところでございます。
現在、国立病院機構において、継続して事実確認を行っているものと承知してございます。
私ども厚生労働省といたしましては、これらの事実確認の結果を踏まえて、必要に応じ適切に対処してまいりたいと考えているところでございます。
○田中(健)委員 是非、事実確認を急いでいただきたいと思います。
この記事を見るだけでも、看護師の定員の問題だけでなく、古い建物や耐用年数を超えた設備の利用、サービス残業、勤務時間の改ざんというところまで記事に載っています。大変異常事態だと思っております。その中で、根本原因として載っておりますのは、国立病院機構本部によるコスト面での締めつけがあるんじゃないかという報道でありました。
国立病院機構においては、厚労省と本部で人事交流というのが続いておりまして、経営企画部長や財務部長、主要なポストは厚労省の役人の方が占めているとのことであります。本来なら、恐らく、病院と厚労省の懸け橋になる役目だと思いますので、そのような現状があったならば、病院の現状を国に伝え、そして、その現場を守っていくというのが人事交流の、ないしはそのポストの役目ではないかと思っておるんですが、先ほど事実確認をすると言ったんですが、人事交流というのは効果が出ているんでしょうか。ないしは役目がしっかり果たせているんでしょうか。
○榎本政府参考人 お答え申し上げます。
今委員から御指摘ございましたように、厚生労働省から国立病院機構の一部のポストに出向者がいるというのは事実でございます。
人事交流につきましては、一般的に、独立行政法人と国との間の官民を超えた有為な人材の登用などの観点とともに、公務部門で培ってまいりました知識経験の民間など他の分野での活用などの観点から行われるものでございまして、双方の組織の活性化と人材育成などに資するものというふうに承知してございます。
当然、それぞれのポストによって役割は違うわけでございますけれども、それぞれのポストに応じて期待される役割を的確に果たすということが求められるというふうに考えているところでございます。
○田中(健)委員 役目を果たせていないということですね、それでは。経営企画部長はやはり病院の経営を企画するところでありますし、財務部長はお金を握っておりますので、その現状が分からないはずないわけであります。
実際、働いている看護師の皆さんを始め病院の方も、事務所に来ていただきましてお話をお聞きをしました。今の現状は限界を超えている、このままでは患者さんの安全や命を守れないという悲痛な声をお聞かせいただきました。報道では、昨日、三十一年ぶりに看護師の皆さんを中心にストライキを行って、労働環境の改善を訴えたということも拝見しました。
これまで話を聞いて、どのように看護師や人材不足を確保し、医療現場を守っていくのか、大臣の考えがありましたらお聞かせいただければと思います。
○加藤国務大臣 今委員御指摘のことについては、国立病院機構においても事実関係等について確認等の作業を行っているということであります。
国立病院機構においては、医療現場を守り職員を確保していくために、令和四年十月の診療報酬改定に基づく看護職員の手当の引上げのほか、本年三月の臨時特別一時金の支給、四月の若年層の基本給の引上げ等処遇改善に取り組んでいるものと承知をしております。
こうした処遇改善をしっかり進めていただきつつ、先ほど申し上げました今回の事実確認の結果、どういった対応が必要なのか、必要なものが出てくればそれに応じて対応していきたいと考えています。
○田中(健)委員 大臣に御理解をいただいたということで、是非、事実確認を急いでいただきまして、改善に努めていただければと思っています。
これで独立行政法人の質問を終わります。山本理事長、ありがとうございました。お忙しい中、失礼いたします。
続きまして、コロナ禍での医療、介護、また、高齢者施設をめぐる問題についてお聞かせをいただきたいと思います。
コロナ禍で立会い出産や出産後の面会が制限されている家族というのが大勢いることが明らかになってきています。昨年の調査ではありますが、日本産婦人科学会が行ったアンケートで、妊娠中や出産後の支援に関して、感染症対策を理由に中止をしているという医療機関が多数に及ぶことが分かりました。出産後の家族面会の中止は七七%、また、立会い出産の中止は六三・二%であります。
この立会い出産、面会制限、さらには生まれた後の母子分離について、これまで厚労省はどのように考え、指導をしてきたのか、また、ちょうど二類から五類に変わるということでありますけれども、これによって対応はどう変わっていくと考えているか、お聞かせください。
○榎本政府参考人 お答え申し上げます。
今委員御指摘いただきましたように、コロナ禍におけます分娩時の立会い、あるいは面会、あるいは母子分離などの制限につきましては、厚生労働省といたしましては、母子及び医療スタッフの方々の安全とそれから医療提供体制の維持を念頭に置きながら、新型コロナウイルス感染症診療の手引や事務連絡を発出をいたしまして、各医療機関において個別に判断されているというふうに承知をしているところでございます。
五類に移行した後も、引き続き、感染対策に取り組みながら、妊婦や御家族の心身の健康を考慮して、妊婦の方々が安心して分娩できますように、関係学会や現場の声もよくお伺いしながら情報発信を行っていきたいというふうに考えているところでございます。
○田中(健)委員 その個別に判断というのが、やはり問題が起きているんじゃないかと言われているところであります。
私の友人もちょうど二週間前、三週間前でしょうか、赤ちゃんが生まれまして、しかしながら、旦那さんは病院にも行けず、また、もちろん立会いもできず、窓越しに赤ちゃんを見ることもできず、退院してようやく対面ができたという報告がありました。彼から言えば、コロナ洗礼だというふうにも言われました。
諸外国では、誰と一緒にお産をするのかを決めることは女性や家族の権利として尊重をされています。立会いによってお産の介入が減り、より安全になり、満足度も上がっているというエビデンスも海外で出ています。日本ではこれらが付加的なサービスと捉えられまして、妊娠、出産における前向きな、ポジティブな経験をする権利というのが余りに軽視されてはいないかと考えています。
この日本産婦人科学会の調査によりますと、昨年五月時点で、感染して二週間未満に出産した母親の九三%が赤ちゃんから隔離をされたということです。これも記事を添付させてもらいました。
特に、誕生後の母子分離というのは、その後の母乳育児や女性の精神状況、また親子関係にもマイナスが及ぶとされております。
その中で、妊婦さんの現状調査、国がやった中で、コロナ陽性女性の帝王切開、この帝王切開率が、第四波が六四%、第五波では五〇%、減ったのでありますが、第六波でもう一度上がり六七・五%、第七波で五一%という報告がありました。厚労省の発表、全国平均は、帝王切開、二〇%ですね。これを大きく上回っています。
この現状をどう認識して、また、これまで対応されてきたのか、伺います。
○榎本政府参考人 お答え申し上げます。
今委員御指摘ございましたように、日本産婦人科医会で新型コロナウイルス陽性の妊婦さんの出産方法について調査をいたしましたところ、約六八%がコロナ感染を理由とした帝王切開で出産したという報告がございまして、今御指摘いただきましたように、出生数に対する帝王切開率二一・六%でございますので、これを大きく上回っているという状況でございます。
一般的に、分娩の方法につきましては、各医療機関において、医学的観点などを踏まえて、また、妊婦さんの方々ともよくお話をした上で決められているものというふうに承知してございます。
厚生労働省といたしましては、二〇二〇年十二月以降、ホームページにおきまして一般の方向けのQアンドAをお出しをしておりますが、その中でも、妊婦が新型コロナウイルスに感染している場合、感染を理由に帝王切開を行わなければならないということはないということ、また、妊婦の全身状態などを考慮し、分娩時間の短縮が必要と判断される場合は帝王切開となる場合もあるということを周知をしているところでございます。
私ども厚生労働省といたしましては、新型コロナウイルス感染症かどうかにかかわらず、全ての妊婦の方々に対して安全で適切な周産期医療が提供できますように、引き続き、関係学会や現場の声を伺いながら取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○田中(健)委員 海外においては、WHOは、コロナ陽性という理由で帝王切開すべきでないと明確に言っておりますし、帝王切開が女性から赤ちゃんへの感染のリスクを減らすというエビデンスもありません。帝王切開で手術室が使われて、さらに、入院の日数も多くなりまして、さらに、それによって関わるスタッフというのも増えますので、医療者への感染リスクというのも高くなって、医療資源も余計に使っているという指摘もあるほどであります。
さらに、一度帝王切開しますと、次のお子さんも帝王切開になる施設というのが多いということで、妊娠、出産を含め、母体への負担も大変に大きくなっています。
是非、これまでの方針は、原則的に帝王切開にすることはやむを得ないというところから、そうでない対応にQアンドAで変えたということでありますが、専門家と連携をしながら進めていっていただきたいと思います。
この新聞記事にもありますように、日本産婦人科学会の常務理事のお話が載っています。これまでは医療体制の維持が優先され、妊婦さんの視点が反映されていなかった、感染対策を工夫して経膣分娩を進めた施設の経験を広めていく段階だという、今ちょうどその段階にあるかと思っていますので、是非、正しい認識と、また情報発信と理解を努めていただければと思っています。
その中で、先ほどまでの中でも、個別に判断とか、産婦人科に委ねる、任せるという発言があったんですが、これまで厚労省というのは、産婦人科のお医者さんに権限を委ねていたというのがあります。今回のコロナ禍の対応がばらばらであったのもそうではないかという指摘があります。
実際、出産をする女性というのは、調べようにも不可能で、選択肢がなかったという声が上がっています。お産の際に選択できるように、各病院がお産に関わるデータというものを公開して、そして、それをしっかりと私たちが知ることができるということが必要かと考えますが、まずそれについて伺いたいと思います。
同時に、夫や家族の立会いについても、先ほどありました、各分娩機関に御確認くださいということがQアンドAには書かれていますけれども、制限というのはなるべく最小限にして、そして、国際基準、立会いについても、国際的には、それが大変に親子関係を高めるためには必要だということも言われていますので、是非こういったことを厚労省が率先して発信をしてほしいと思っておりますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○加藤国務大臣 コロナ禍における分娩時の立会いや面会、母子分離などの制限について、各医療機関において判断をされており、妊娠期間中に新型コロナの感染状況が変化する中で、例えば、感染拡大時には医療機関の判断で急遽面会を制限するといった、妊婦が事前に想定していない対応が行われるといったこともあったのではないかと考えております。
厚労省としては、妊婦が、分娩の立会いや面会の方針など、医療機関を選択する上で必要な情報をより得られやすくなるよう、医療機関に働きかけていきたいと考えております。
また、新型コロナを理由にした制限について、厚労省としては、面会については、産科に限らず、患者や家族の気持ちに配慮して対応することを医療機関に求め、院内感染対策に留意した面会の事例の周知、講習会の実施、また、母子同室については、妊産婦が新型コロナに感染している場合の授乳方法についての周知などを行っているところでございます。
引き続き、関係学会の意見も踏まえながら、コロナ禍における分娩について、それぞれ、妊婦またその家族の方々の思いもしっかり受け止めながら、必要な働きかけを行っていきたいと考えております。
○田中(健)委員 そもそも、コロナだからというよりも、コロナ前から対応がばらばらで、根拠のない介入が多かったという指摘もあります。このコロナ禍でよりそれが鮮明に、クリアになったということも言われています。是非、今回の提出法案の中にも、出産一時金の増額に伴って、全ての病院が出産費用の公開ということもこれから進めていく、調整をしていくということであります。これについてはまた法案審議の中で詳しく議論をさせていただきたいと思いますが、やはり、母子にしっかりと寄り添って、そして、やはり子供を産むというのは一人で大変に孤独なことだと思いますので、そういったことに寄り添うような体制を是非つくっていただきたい、大臣にお願いをさせていただきたいと思います。
引き続き、次に移ります。
高齢者の施設においてであります。
介護、高齢者施設をこの間回っていますと、様々な声をお聞かせいただきます。
先ほども大臣から、コロナが二類から五類変更になった場合もコロナがなくなるわけではないという発言がありましたし、また、先ほど中島議員の中にも、高齢者施設というのはゼロコロナだ、一人も出してはいけないという大変厳しい状況にいるという議論がありました。私も、施設を回っていますと、これからも高齢者施設というのは、コロナを一人も出さないように、まさにこれまでと同じように対策を続けていかなきゃならないというふうにお話をおっしゃっていました。
一方で、これまでそれだけの対応ができたのは、衛生用品や職員の人件費等が国からかなり財政的にも援助をいただき、また支援をいただき、それによって力を合わせてきた、感染症対策をしてきたというふうに言っています。つまり、財政的な支援がないと感染症対策が継続できるかというのが分からないという懸念を抱えながら毎日過ごしているということであります。
これまでは、地域医療介護総合確保基金で感染症対策や人材支援を続けてきたと思いますが、今後どのような対応を考えているのか、伺います。
○加藤国務大臣 まず、これまでのこの委員会での議論もそうであるように、高齢者施設に入所されている方は非常に重症化リスクも高いし、これまでもクラスター等も発生をしてきたところでございます。そうしたことをしっかり念頭に置きながら、コロナの感染予防、また感染拡大防止を徹底しつつ、利用者に対して高齢者施設が必要なサービスを安定的、継続的に提供していただくことが必要であり、それを前提に支援を考えていかなきゃならないと思います。
これまで、高齢者施設については、緊急時の人材確保や施設の消毒、清掃に要する費用等の補助、また、高齢者施設等に医療従事者を派遣する際の派遣元医療機関への補助、施設内療養を行う場合の補助など、様々な支援を実施をしてまいりました。
現在、位置づけ変更後についての各種対策、措置の在り方については、今、内容の検討、調整をしているところでありますけれども、今申し上げた高齢者施設の持っている役割また状況、そうしたことをしっかり踏まえて内容を固めていきたいと考えております。
○田中(健)委員 今大臣から、各種様々なこれまでの財政的支援の説明がありました。やはり、今後どうなるかという不安な施設の皆さんが多い中でありますので、一日も早い対応、また指針を出していただきまして、安心して高齢者施設が運営できるように御支援いただければと思っています。
一方、今度は人材の方であります。
先ほど空本議員からもありました。介護、高齢者施設の人材不足というのは大きな課題であります。政府も、介護職員の処遇改善、これに力を入れてくれまして、私たちからも処遇改善に対するお願いをしてきたところでありますが、コロナを経ても人材不足というのは解消のめどが立たず、このまま推移をすれば、二〇二五年には三十七万人が不足をするということが言われています。その中での外国人労働者の活用をどのように進めていくかということについて伺います。
令和五年度予算では、外国人の介護人材受入れ環境整備事業の拡充ということが載っておりますが、介護業界においては、外国人技能実習生を雇用できるのは介護保険事業者のみであります。外国人技能実習生については、先ほど議論がありまして、様々な課題があり、今検討をしているということですが、国内人材を確保することが困難な状況にある産業分野において外国人を受け入れる特定技能制度、これを、今認められていない訪問介護や、また住宅型の老人ホーム、高齢者施設等に、人材が不足をしている業種にも拡大をしていくということを考えられないかと思っていますが、政府の見解を伺いたいと思います。
○川又政府参考人 お答えします。
介護人材の確保につきましては様々取り組んでいるところでありまして、外国人労働者の活用も非常に重要であると考えております。
具体的には、奨学金の給付、資格取得などの、介護福祉士を目指す外国人への学習支援、あるいは地域住民との交流、日常生活の相談などの生活支援などを実施をしております。
御指摘の、技能実習生あるいは特定技能外国人の訪問介護、有料老人ホームでの従事に関する御指摘につきましては、検討すべき課題であるというふうに認識をしております。
現在、技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議におきまして、制度の在り方全般に係る議論が行われておりますので、その議論の状況も踏まえ、今後の外国人介護人材の活用につきましては、介護現場の実情あるいは関係団体等の御意見も伺いながら対応してまいりたいというふうに考えております。
○田中(健)委員 こちらも、現場は待ったなしの現状が続いておりますので、引き続き検討をしていただきまして、方向性というものを示していただければと思います。
時間がありません。最後、一問お伺いします。労働者各々、学び、学び直しについて伺いたいと思います。
今国会は、私たち、賃上げ国会と位置づけてまいりまして、予算においても、賃上げ、人材活性化、労働市場強化ということで、パッケージで様々な対策をしてくれております。その中で、教育訓練給付金制度について伺います。
概要についてお聞きしようと思いましたが、概要は飛ばさせてもらいまして、その中で、これは人材確保や人材育成にもつなげていく必要があるということで、専門実践教育訓練、これに多くの講座が入っておりますが、新しい、どんどんとできたものを入れていってほしいと思っています。
例えば、昨年五月、道路交通法の改正によって、受講すれば資格要件が引き下げることができる受験資格特別講習、十九歳で、大型、中型また二種免許を取れるという制度なんですけれども、やはり今、二〇二四年を抱える運輸業界においては、これを活用して一人でも多くの人材を確保しようということを言っています。
この受験資格特例講習はまだ教育訓練給付金制度に入っておりませんので、是非、準中型の運転免許教習と併せて対象とすることで、人材確保また運転者不足解消につなげていけないかと思いますが、見解を伺います。
○奈尾政府参考人 お答え申し上げます。
第二種免許や大型免許、中型免許につきましては、労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する資格でございますので、その取得を目指す教習は、教育訓練給付制度におきまして、特定一般教育訓練それから一般教育訓練の講座として指定されてございます。
御指摘の受験資格特例教習を組み込んだ大型免許等の取得を目的とする講座でございますけれども、特定一般教育訓練や一般教育訓練の指定基準を満たす場合には、講座指定を受けることは可能でございます。
○田中(健)委員 ありがとうございます。
是非、それを活用して、多くの人が資格試験に臨めることを進めていきたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。
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