2025/6/19
私が外務省で勤務し、ロシアの日本国総領事館に赴任していた当時、突然「総領事館の移転」が決定されました。館内ではこの案件は「政治家案件」と呼ばれ、上層部からは前向きに進めるよう指示が出されていました。しかし、現場としては「こんなの幹部でもなければ誰もやりたくない」というのが本音でした。
総領事館の移転は、ただの事務所の引っ越しではありません。現地の地方政府との協議、セキュリティー対策、膨大な事務手続きと予算――それらをすべて調整しなければならない重労働です。巨額の予算が動くため、政治的な利害が絡むことも多く、当然、自民党が目をつけないわけがありません。
実際、移転の決定前には、自民党所属の国会議員と親密な関係にある建設会社の社長が総領事館を訪れ、総領事と面談。その後、議員の事務所から「移転を進めるよう」圧力がかかりました。
当然、館内は激震です。そもそも移転の必要性すら感じていなかったのです。しかも、外務省幹部たちはこの移転を「出世のための手段」として捉えていました。政治家案件を成功させれば評価され、キャリアが加速するからです。
赴任前の総領事はこの移転に反対していたと言われています。しかし、ある日突然長期休暇を取り、日本に戻ったままロシアに戻ることはありませんでした。「政治家案件に異を唱えれば左遷される」――館内に走ったのは恐怖でした。その後派遣されたのは、移転推進派の総領事。まさに、反対すれば排除され、従えば栄達が約束される。そんな構図でした。
この話は表に出れば大スキャンダルとなる可能性があります。ちょうどその頃、森友学園問題で政治家による「忖度」が社会問題となっていた時期でもあり、館内では「これこそが本物の忖度だ」と語り合っていました。先日、当時の同僚10名ほどと再会した際も、この話題でもちきりでした。誰もが「あれはあり得なかった」と振り返っています。
この案件で圧力をかけてきたのは、自民党議員の事務所です。つまり、少なくともその議員の秘書は、政治家の立場を危うくするようなスキャンダルを把握していた可能性が高い。そして、もしその秘書が統一教会系であった場合――議員は秘書に「弱み」を握られていたことになります。
私は、自民党が統一教会の主張と酷似した政策を進めてきた背景には、秘書に情報を握られている議員の存在があるのではないかと疑っています。統一教会系の人物が議員秘書として政界に「潜り込んで」いるのではないか――この可能性を徹底的に検証すべきだと考えます。
しかもこの問題、自民党だけの問題ではありません。統一教会は野党にも影響力を及ぼしている可能性があるため、野党側もこの問題に真正面から切り込めていないように見えます。
私は、この問題の全貌を明らかにし、二度と同じことが繰り返されないよう徹底的に追及していきます。
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>三好 りょう (ミヨシ リョウ)>外務省勤務時に直面した「政治家案件」――総領事館移転をめぐる闇