2025/6/16
5月7日、ロシア大使館で開かれたレセプションに出席しました。この日、日本人の招待客は10名にも満たないほどの少人数でしたが、その分、ロシア人外交官の方々とじっくり交流することができました。
特に印象的だったのは、政務部の書記官の方と初めてお会いし、名刺交換をさせていただいた場面です。初対面にもかかわらず、ロシア語で自己紹介をすると、相手の表情が一瞬で和らぎ、会話も弾みました。
実は、その数日後に行われた「ロシアの日」祝賀レセプションには、より多くの日本人が招かれていたのですが、5月7日に初めて会った書記官の方が、私のことをしっかり覚えていてくださいました。やはり、日本でロシア語を話す人はまだまだ少なく、母国語で話しかけられると、それだけで強い印象が残るのだと改めて感じました。
私自身も、ロシアに駐在していた頃、日本語を話すロシア人に出会うと自然と親近感が湧き、距離が一気に縮まった経験があります。言葉は、国境を越える力を持っていると、改めて実感したひとときでした。
レセプションの中で、外務省のロシア課の職員が招待されていたかを尋ねたところ、「招待されていないと思う」との返答がありました。日本政府がロシアとの外交に消極的であることを、ロシア側はすでに見抜いているのでしょう。しかし驚くべきことに、ロシア人から日本に対する敵意や嫌悪感は、ほとんど感じられませんでした。
ウクライナ侵攻後、日本が制裁に加わった際も、彼らの多くは「アメリカにやらされているだけだろう」「アメリカが背後にいるから仕方ない」という反応を見せていました。今回のような場面でも、「日本はアメリカの影響下にあって、独自の外交判断ができない」との見方が根強いのを感じました。
しかし、対話のチャンネルが閉ざされたままでは、何も始まりません。日本に必要なのは、選択肢を増やすことです。エネルギー資源大国であるロシアとの関係を安定させることは、日本経済の安定、そして私たち一人ひとりの生活の安定にも直結します。
外務省が動かないのであれば、自分が動くしかない——そんな思いを新たにした一日でした。外交とは政府の専権事項であると同時に、人と人との積み重ねでもあります。だからこそ、言葉を交わし、心を通わせることが、未来の可能性を切り拓く第一歩になるのです。
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