2025/5/29
【横須賀市】視察レポート。
「この子なりの幸せ」を支える地域の力
〜横須賀市「sukasuka ippo」訪問記〜
先日、学びの多様化地方議員連盟の一員として、神奈川県横須賀市にある「sukasuka ippo」さんを視察させていただきました。
代表の五本木愛さんは、6人の子どもを育てる母であり、その末の子が障害を持って生まれた当事者です。五本木さんが口にした「この子はちゃんと笑ってるのに、かわいそうだと思っていたのは私自身だった」という言葉が、胸に深く残っています。
支援の出発点は、自分たちに必要なものを「自分たちで作る」こと。そこには、障害児家庭が直面する「情報の壁」「孤立の壁」「就労の壁」を、地域の力で乗り越えようとする強い意志がありました。
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◾︎ 支援のカタチは多様に
sukasuka ippoでは、以下のように多岐にわたる事業が展開されていました。
• 横須賀テレワーク:障害児の保護者など、就労困難な人たちを対象にした在宅ワーク支援。地域企業との連携が鍵。
• 「sukasuka-kids」インクルーシブ学童:障害の有無を問わず、子どもたちが自然に交わる場。「違うってことが普通なんだよ」と語る子どもの姿に感動。
• 「sukasuka-nursery」(即日一時預かり保育):障害児も受け入れる貴重なレスパイト支援。保護者の「ちょっとだけ休みたい」に応える場所。
• 「HAIR SALON SARAH」インクルーシブ美容室:障害のある子も通えるサロン。将来的に「卒業」して地域の他店に通えるようなステップアップ支援。
• 「Learning support」無料塾(学習支援):生活困窮世帯向けに軽食付きの無料塾を提供。子どもたちとの信頼関係を何より重視。商工会議所とのコネクションのおかげもあり、充実した軽食も提供ができているそう。
• 「one step」放課後等デイサービス(就労移行支援):中高生が段階的に社会とつながる職業体験。商工会議所との連携がユニークで素晴らしい。
特に印象的だったのは、就労体験で作った名刺を「自分はこの仕事ができる」と自信を持って提示する子どもたちの姿。スキルの可視化と自己肯定感の醸成、そして企業側の理解促進が見事に連動していました。
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◾︎「制度」よりも「文化」
五本木さんは、支援の本質は「制度」だけでなく、地域の「文化」だと語ります。
「この子にはこういう特徴があるから、こう接してね」と伝えることができれば、保育園でも、学校でも、地域でも、理解は生まれる。
トラブルがあっても、否定せずに関わり続けることで、互いの理解が深まっていく。
そうした関係性の土台には、「あの子もいるから、うちの子も大丈夫だと思えた」という、保護者間の連帯があります。
私自身も、子どもを育てている立場として、「この子なりの幸せ」をどう支えていくか、常に考えています。sukasuka ippoの活動からは、地域が持つ力と温もり、そして当事者の声から生まれる説得力を強く感じました。
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◾︎ 足立区でも、地域まるごとの支援体制を
足立区でも、学びの多様化や、不登校、障害のある子どもたちの支援に取り組んでいますが、「家庭・学校・地域」がバラバラではなく、つながって子どもを支える体制づくりが必要です。
sukasuka ippoのような活動が足立区にも広がるよう、制度面の整備とあわせて、「やってみよう」と思える地域の後押しができるよう、今後も提案と実践を続けていきたいと思います。
子どもたちの育ちに“正解”はありません。
けれど、「誰ひとり取り残さない」ために、できることを丁寧に積み重ねていくことは、私たち大人の責任だと感じています。
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佐藤あい
足立区議会議員/学びの多様化地方議員連盟 理事
橋本ゆき渋谷区議が素敵にまとめてくださった
議連レポートも是非ご覧ください!↓
https://note.com/manabitayoka/n/n27b554640ab0?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTEAAR7oATxQaHCe5p4OtPRZrC-0FRysHdnQSrv2C_b7Z1oBQTNa44UtEdFi5XtCLQ_aem_v6xEvEOcyKwbSvDK9hbiqw
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