2025/3/17
日本維新の会、北区議会議員のさいとう尚哉です。
都市の発展に伴い、これまで未活用だった空間の有効活用が重要視されるようになっています。その一例として、2024年11月2日にオープンした芸術文化センター「SKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)」が挙げられます。
この施設は、ロンドンにも店舗を構えるレコードショップ「VDS」やアートブック専門店「twelvebooks」といった、東京のカルチャーシーンをリードするショップが入居しており、大きな話題を呼んでいます。従来であれば、こうした文化施設は渋谷駅周辺などの都心部に開設されるのが一般的でした。しかし、「SKAC」はJR常磐線の亀有駅と綾瀬駅の中間に位置する高架下空間に誕生しました。亀有駅から徒歩約12分、綾瀬駅から徒歩約20分という、いわゆる都心とは言い難い立地にありながらも、カルチャーシーンにおいて注目を集めています。
この背景には、都心の賃料高騰だけでなく、カルチャーシーンそのものが「都市の余白」に魅力を見出し始めたという変化があります。『Always Listening』というオンラインマガジンにおける「VDS」創業者・関塚林太郎氏のインタビューでは、「東京の中心から西の方にはカルチャーが目まぐるしく動いている一方で、そういった自由の効く場所や空間がほとんど残されていない」という言葉が印象的です。
この流れを受け、私はこの変化を大きなチャンスと捉えています。例えば、北区も葛飾区と同様に、いわゆる都心ではありません。確かに賃料は上昇傾向にありますが、都心と比較すると依然として合理的な水準に留まっています。また、北区には既存のカルチャーシーンとの関連性もあります。王子地域には近年世界的に注目されているミュージシャンが存在し、東十条地域にはNIKEのジョーダンブランドに取り上げられたストリートバスケットボールコートもあります。こうした文化的背景があるからこそ、北区も高架下空間の有効活用を進めることで、さらなる都市の魅力向上が期待できるのです。
これらを念頭に、北区で高架下空間を一層推進するよう提言したところ、区長から前向きな御答弁をいただくことができました!所管課の皆様におかれましても鋭意御検討いただきましたこと感謝申しあげます。
さいとう尚哉:はじめに高架下空間の有効活用について質問します。2024年11月2日、芸術文化センター「SKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)」がオープンしました。ロンドンにも店舗があるレコードショップの「VDS」やアートブックの専門店の「twelvebooks」のように、東京のカルチャーシーンをリードするストアが入居したことで大変話題となりました。従来であればこうした芸術文化施設は渋谷駅周辺等の都心にできるはずですが、驚くべきことに「SKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)」はJR常磐線の亀有駅と綾瀬駅の中間にある高架下空間にできたということです。亀有駅から徒歩約12分、綾瀬駅から徒歩約20分という到底都心とはいえない地域においてカルチャーシーンで話題沸騰の施設ができた背景には、都心の賃料高騰はもちろんのこと、カルチャーシーンそのものが「都市の余白」に魅力を覚えはじめたという変化があります。『Always Listening』というオンラインマガジンに、前述した「VDS」の創業者である関塚林太郎氏のインタビュー記事がありますが、「東京の中心から西の方にはカルチャーが目まぐるしくうごめいている一方で、そういった自由の効く場所や空間がもうそれほど残されていない」という言葉にすべてがこめられています。
さて、私はこうしたカルチャーシーンの変化をチャンスだと認識しています。「SKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)」ができた葛飾区と同様に、北区もいわゆる都心ではありません。賃料が高騰していることは否定しませんが、都心と比較したらまだまだ合理的な賃料水準であるといえます。また、北区にはカルチャーシーンのコンテクストがあることも事実で、例えば王子地域には近年世界規模で注目されているミュージシャンがかおり、東十条地域にはNIKEのジョーダンブランドでとりあげられたストリートバスケットフィールドもあります。こうしたコンテクストがあればこそ、北区も葛飾区のように高架下空間を一層有効活用することで、都市的魅力を高めることができると確信しています。
高架下空間の有効活用という文脈において、注目すべきは福岡県大野城市の先行事例です。西鉄天神大牟田線連続立体交差事業により春日原駅から下大利駅まで高架化したことを契機に、大野城市は高架下空間の有効活用を検討しはじめました。2014年度から2カ年度にわたり、高架下空間とその周辺地域の一体的活用について市民と意見交換するための「しみん会議」を計7回開催し、その結果を『大野城高架下利用及び市街地活性化基本計画(案)』としてとりまとめましたが、「大野城市の新しい顔・都市軸となる空間の創出」という基本理念のもと、基礎自治体として高架下空間の活用可能性を主体的・積極的・野心的に検討しているところが大変印象的です。その後、当該基本計画案にもとづき、高架下の土地所有者である西日本鉄道株式会社――いわゆる西鉄や市内の各種関係者と具体的な活用方法等を検討するための「まちづくり会議」を設置し、高架下空間の有効活用について意見交換を重ねてきました。これにもとづき2020年9月には『高架下利用基本計画』が策定され、2024年度には将来的なイベントへの利用や西鉄によるテナントの誘致等を念頭に、高架下のにぎわいづくり実証実験も実施されています。
大野城市の先行事例において特筆すべきことはたくさんありますが、①上位計画や関連計画と整合性をとりながら高架下空間の有効活用に特化した計画を策定しているところ、②当該計画が「大野城市の新しい顔・都市軸となる空間の創出」という都市的魅力を高めることを基本理念にしているところ、③当該計画を公民連携で策定したという3点は特段参考にすべきです。
当時赤羽駅付近連続立体交差化事業において、北区議会からJR赤羽駅高架下利用計画を策定するよう再三提言がなされていましたが、率直な表現を使用するとすれば、当時の北区は「場当たり」ともいえるような対応に終始していたようにおもいます。もちろん高架下空間の有効活用はステークホルダーがいることなので北区だけで決定できることではありませんが、だからこそ大野城市のようなアプローチをとることが必要となります。
これらを念頭に質問いたします。JR常磐線の「SKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)」の事例等を念頭に、公民連携で高架下空間の魅力向上を一層推進するよう提言しますが、見解を御教授ください。また、高架下空間の魅力向上を所管する部署を御教授ください。
区長:ご紹介の、葛飾区や大野城市における事例は、高架下建築物の更新や連続立体交差事業を契機に、新たな賑わいや回遊性を創出し、まちの魅力を向上させる取り組みであると認識しております。
区ではこれまでも、赤羽駅付近連続立体交差事業等において、計画的に高架下空間の有効活用の方策を検討してきたところですが、今後とも、現在事業中の十条駅付近連続立体交差事業やエリア・デザインによるまちづくりにおいて、公民連携による、まちの魅力向上に資する高架下空間の活用に計画的・積極的に取り組んでまいります。
なお、高架下空間の魅力向上を所管する部署については具体的なエリアや整備手法、関係機関等に応じ、適切な体制を整えてまいります。
出展:2025年第1回定例会議事録
引続きフォローアップしていきます!
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