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宮城県の防潮堤について

2026/5/24

防潮堤の「正解」は一つではない 〜陸前高田と気仙沼・大谷海岸から学ぶ防災の未来〜

| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員

東日本大震災の被災地を歩くと、地域によって復興の風景が大きく異なることに気づかされます。特に「防潮堤」のあり方は、その街がどのような未来を描いたのかを象徴しています。

今回は、圧倒的な巨大防潮堤を築いた陸前高田と、住民の力で砂浜を守り抜いた気仙沼市・大谷海岸の事例を比較し、防災とまちづくりのバランスについて考察します。


対照的な二つのアプローチ

陸前高田:強固な「壁」による防御と街の再建

陸前高田市では、旧市街地の地盤を約10メートル以上もかさ上げし、その前面に高さ12.5メートルの防潮堤を整備しました。これは、壊滅的な被害を受けた街全体を一つの安全な土台の上に造り直すという、大規模な土地区画整理事業とセットで行われました。

ここでは、確実な「命を守る壁」としての機能を最優先し、広大な平地を守るための強固な防御態勢が敷かれています。万里の長城を思わせるその風景は、防災に対する不退転の決意の表れとも言えます。

気仙沼・大谷海岸:住民が守った「海が見える」風景

一方、気仙沼市の大谷(おおや)海岸では、全く異なる選択がなされました。当初の計画では高さ9.8メートルの防潮堤が砂浜の上に建設される予定でしたが、住民から「砂浜と海が見える景観を守りたい」という強い声が上がりました。

その結果、異例の計画変更が行われました。「防潮堤の位置を山側に下げる(セットバック)」とともに、「背後の国道45号そのものをかさ上げして、道路を防潮堤として機能させる(兼用堤)」という画期的な手法が採用されたのです。これにより、震災前と同じ美しい砂浜と、道の駅から海を見渡せる景観が維持されました。

復興スタイルの比較

比較項目 陸前高田の事例 気仙沼・大谷海岸の事例
主な構造 巨大防潮堤 + 大規模地盤かさ上げ 国道兼用堤(道路と一体化)
優先事項 確実な防御と広大な土地利用 景観・砂浜の維持と海との共生
住民の関わり 全体計画に基づく再開発 住民勉強会による粘り強い計画変更提案

まとめ:地域が選ぶ「防災の形」

陸前高田の「徹底した防御」も、大谷海岸の「景観との調和」も、どちらも住民が自分たちの街の未来を真剣に考えた結果であり、どちらかが間違っているわけではありません。

大切なのは、行政が一方的に決めるのではなく、地域の特性や歴史、そして住民の「どう生きたいか」という意思が反映されているかどうかです。

私たち高槻市においても、いつか来る災害に備える際、単にハードを固めるだけでなく、多角的な視点から「この街にふさわしい守り方」を議論していく姿勢が重要であると痛感します。

| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員

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