2026/6/25
兵庫県 川西市議会議員(薬剤師) #長田たくや です。
ここ最近、公共施設の改修工事や解体工事で、必ずといっていいほど出てくるのが「アスベスト除去費」です。

「健康に悪いのは知ってるねんけど、よう考えたらアスベストって何なん?」と思われた方は、ぜひ最後までお読みください。
■ 古代から使われていた!?アスベスト
アスベスト(石綿)の正体は、ずばり天然の鉱石なのです。
鉱石でありながら、繊維状に加工ができ、鉱石ゆえに「燃えにくい!」という特徴がありました。
なんと古代エジプトやローマの時代から、「燃えない布素材」として活用されていました。

採取できる鉱石によって成分はやや異なりますが、共通しているのが、Si(ケイ素)が入っていることです。
日本でも採取ができ、あの 平賀源内 が秩父の山中で採取した石綿から、「火浣布(かかんぷ)」、つまり火で汚れを落とせる布を作った記録があります。

参照:大人の科学net
1960年頃より、防火措置として建築物にアスベストを吹き付ける需要が高まりました。
古い駐車場や建物の天井で、モコモコした吹付け材がありますね。現在ではアスベストフリーのモコモコ剤なのですが、かつてアスベストが使用されていました。見た目では判別が付きにくいため、専門業者による分析が必須となります。

引用:アスベストとは - 株式会社ティーシージャパン|アスベスト除去工事
その他、屋根や石膏ボードにも使われていたそうです。
学校の音楽室にある、穴が開いたあの壁。あれにもアスベストが含まれていたものがあったそうです。
アスベストは、建物の中に固まって存在しているだけなら危険というわけではありません。
問題は、解体や改修のときに繊維が飛散し、それを人が吸い込んでしまうことです。
つまり、建て替えや地震などによる倒壊時に問題となります。
1975年からアスベスト規制が始まり、2006年には一定量を含有する製品が使用禁止となりました。
■ 輸入量と使用量
建築資材として、いつからアスベストが使われたのか。
まず輸入量を見てみましょう。

次に使用量を見てみましょう。

1955年~70年前後は、高度経済成長期にあたります。特に後半のトレンドであったことがわかりますね。
その頃に建てられた建物には、アスベストを含む建材が使われている可能性が高くなります。
参照:石綿に関する基礎知識
現在では、解体時に危険度が設定されており、
レベル1〜3に分類され、レベル1が最も危険です。数字が大きいほど危険そうに感じますが、実際は逆^^;

引用:アスベストのレベルとは?レベル1・2・3の違いを法改正のポイント含め専門家が解説 | アスベストバスターズ
■ 人体への影響
解体時にお金がかかってしまうのはもちろん、アスベストの粉じんを吸い込んでしまうと、アスベスト肺、肺がん、中皮腫などの原因となることがあります。
臓器には全体を包む薄い膜があります。ここに「中皮細胞」があります。
中皮腫とは、肺そのものではなく、肺を包む胸膜に発生する腫瘍です。アスベストとの関連が強い病気として知られています。

引用:中皮腫とは
アスベストの曝露から、20年以上経ってから発症するとされており、次のような増加傾向を示します。

今後も増加が続くのか、それともピークとなって減少するのか。ここは注視が必要です。
東日本大震災や熊本地震などでは、倒壊後の空気中アスベスト量をしっかりモニタリングしています。確かに地震発生時には濃度がやや高まりますが、データを見る限りにおいては、そこまで顕著な濃度上昇が続けいていることはなさそうです。
参照:東日本大震災アスベスト対策合同会議
やはり最も注意すべきは、建物の解体・改修時に発生する粉じんを吸い込んでしまうケースですね。
公共施設やビル、高度経済成長期の建造物の解体はこれからも続きます。
アスベストの問題は、しばらくは続くのでしょう。
これは建築時には予想していなかった事態なのです。
それだけ我々の税金が使用されることになります。
アスベストは、高度経済成長の負の遺産とも言えますね。
そして私は、現在大量に設置されている太陽光パネルや風力発電設備についても、将来の撤去・処分費用、環境負荷や健康被害を本当に見込めているのか、繰り返すことにならないかと危惧しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な一日でありますように。
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ホーム>政党・政治家>長田 たくや (ナガタ タクヤ)>「燃えない夢の素材」が負の遺産に。アスベスト(石綿)と公共工事費の話