長田 たくや ブログ

【川西市】 ウォーターPPPとは何か?川西市の実態と「交付金の条件」を整理する

2026/4/7

兵庫県 川西市議会議員(薬剤師) #長田たくや です。
ウォーターPPPをご存知でしょうか。川西市でも進めているのですが、字面に踊らされてもいけませんので、上下水道局にしっかりと確認しました。

ウォーターPPPとは、水道事業を「運用を含めて民間に包括委託する」ことを意味します。政府が推進している一方、欧州ではその失敗が報告されており懸念が広がっています。ただ、範囲も詳細も異なるため、川西市の場合をしっかり見ていきましょう。


「ウォーターPPP」という名称が先行しているが実態は包括契約
川西市でも進めている「ウォーターPPP」。上下水道施設を効率的に維持管理・運営していくための新たな官民連携手法とされています。
参照:上下水道事業におけるウォーターPPP導入検討について(川西市)

ただ、「料金などの運用面までは対象としていない」と書かれています。
つまり、従来の委託(個別・単年度契約)から包括委託にするというのが実態です。かつ、長期契約(10年間)とするのを条件にしています。

川西市も資料をつくって市民への説明会を実施しています。
そして、適応範囲は、まず下水道となっています。
参照:川西市上下水道事業におけるウォーターPPP導入検討に関するサウンディング調査説明資料

細かい話は抜きにして…令和10年度までに開始を急ぐのはなぜでしょうか?

交付金の要件になっている
ずばりお金です。
参照:下水道分野のウォーターPPP(レベル3.5)について

令和9年度以降にウォーターPPPを導入していることが条件となるため、令和10年度までに開始しなければならないということです。

交付金は社会資本整備総合交付金」「防災・安全交付金が該当し、補助率は1/2。事業費の半分を交付金で賄えることになります。新設施設への交付金は従来通り適用。一方、既存管の改築・更新はウォーターPPP導入要件が付きます。

参照:社会資本整備総合交付金等について

そのため、既存汚水管の更新事業継続のため、資金調達・交付金活用の観点からPPP導入の検討が不可欠なのです。交付金が大きいため、PPPによる「コスト逆転(民間の方が高くなる現象)」は生じにくいでしょう。要件を満たさなければ、市の一般会計から費用を捻出しなければなりません。

このように、市政にも国政が大きく関わってきているのです。私はいつも日本が良くならなければ市も良くならないと言っているのはこういうことです。
少なくとも、こちらに外資系企業が参入しないことをしっかり確認しておく必要がありますね。
参照:下水道分野における ウォーターPPPガイドライン第2.0版 


水道局と確認したこと

  • 交付制度は過去から存在し、平成22~24年頃に交付金へ移行、防災・安全交付金が開始。
  • 令和6年度に方針が明確化され、その後の八潮市の下水管損壊事故を契機に、適用が加速したとの認識。
  • 経営権を移譲するコンセッション型とは一線を画し、現時点で経営権移譲は想定していない。
  • 複数案件をまとめた包括発注は、事務負担の軽減にもなる。
  • 包括契約の範囲定義(対象業務、期間、成果指標、リスク分担)が重要。
  • 下水道事業は新設より既存管の更新・改築(ライニング工事等)が主軸。経年劣化による漏水対策として内側に新たな管を形成する工事を実施。
  • 市内の汚水管延長は約540キロ。普及率は99%台で新規整備の必要性は低く、更新・維持管理の継続が必要

人員不足
そもそも何故ウォーターPPPが生まれたか。根本原因は、人手不足にあります。
特に村などでは職員だけではどうにもならないそうで、民間委託と言う発想が生まれたとのこと。さらに土木・電気・化学職の採用難が深刻で、民間と比べると給料も差があるのが事実とのこと。

給水車運用や配水など現場業務の負担が大きく、機械化が難しい分野です。従来の人海戦術では維持困難で、民間委託や広域連携、DX・機械化・新技術導入などが必要とのこと。

技術継承
民間委託の話があると、セットで良く聞くのが「技術継承」の話です。自治体にノウハウのいる人間がいなくなるのでは?という危惧です。

具体的にどんな技術なのか確認してみたところ、例えば水道管の破損による漏水工事でさえ、どこのバルブを閉めて水の流れを止めるかなどは、経験値も必要だそうです。また、委託業者にはバルブ操作は安全保障の観点からやらせていないため、すべてを委託というのは現実的ではないとのこと。

委託後も自治体側の監視・連携を強化しないと技術が劣化するリスクがあるため、監視・連携体制の設計(KPI、監査頻度、技術移転計画、共同訓練)が重要との見解でした。


10年の長期契約となりますから、解除できる条件をしっかり整えておくべきですね。
また、海外事例の失敗については水道局側も把握をされていましたが、問題点は透明性の確保であり、監視できる仕組みをしっかり作ることが重要との見解でした。

総じて、交付金制度の影響もあり、民間委託は避けがたい側面があります。
このように国は交付金や補助金を使い、政策を進めていくのです。

せめて国政にて、インフラに外資系企業の参入を食い止める法律はできないものか。
その点は非常に懸念するところです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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著者

長田 たくや

長田 たくや

選挙 川西市議会議員選挙 (2022/10/16) [当選] 1,680 票
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肩書 参政党の市議会議員で薬剤師でもあります
党派・会派 参政党

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