2026/3/20
兵庫県川西市議会議員(参政党) #長田たくや です。
約10年前、「かかりつけ薬剤師」という制度ができました。患者さんと簡単な文書で同意を得ると、薬局に来た際は基本的にそのかかりつけ薬剤師が対応することになります。個人の電話番号を伝える必要(薬局内ルールにもよる)があり、24時間の対応が求められます。

個人的に、何だかなぁ…と感じていました。
■ 医療は点数制度
1点10円で、医療行為などにそれぞれ点数が付いています。これは公定価格であり、勝手に増減することはできません。改訂されるたびに、新たな要件が課さ、それに応えると加算がつく仕組みです。同様の仕事でも、要件を満たすか否かで報酬単価が変わる仕組みです。
やる気があり、国の方針にもしっかり追随し、福祉の増進に積極的に取り組んでいる薬局ほど、単価が高い仕事ができるのです。しかしそれは同時に、患者さんの負担増にもつながりました。
■ かかりつけ薬剤師制度の改訂
かかりつけ薬剤師になるには、患者さんとの同意文書が必要でした。いったん固定されると、基本的にその薬剤師が対応します。その分、調剤報酬は少し高くなります。一方、不在時に他の薬剤師が対応すると、調剤報酬は減る仕組みでした。
つまり、同じ薬局でも対応する薬剤師によって会計が変わっていたのです。
今回の改定では、
・同意文書が不要になったこと
・かかりつけ薬剤師かどうかに関係なく点数が同一になったこと
が大きな変更点です。
その代わり、患者フォローアップなどの行為に対して点数が付くようになりました。多少はまともな方向に近づいたのではないでしょうか。
ただ、よく分からないのが、お薬手帳に「薬剤師名+かかりつけ」と記載することが要件とされている点です。アプリなどの電子お薬手帳ではどうするのでしょうかね。薬歴入力時にチェックが入いるような仕組みになるのでしょうか。
参照記事には、「これまで同じことをしているのになぜこの患者だけ高くなってしまうのかと悶々(もんもん)としていた方々もいたと思う。」と厚労省の担当者が述べていますが、んなもん1年ぐらいで気づけ!と思いますわ。
■ すごい点数
調剤薬局では見たことがない四桁の点数がありました。
薬を減らしたら1000点!ただし、かかりつけ薬剤師が条件とあります。いや、別にかかりつけじゃなくてもできるし、って感じはしますが。
私も現行制度下にて、何度かこの点数を取っていましたよ。

しかし、これも患者の負担増になるのよね…。それがなぜ心情的にしんどいのか。
それは、患者自身が望んで依頼するよりも、私たちが指摘してから業務が始まるわけです。問題意識が小さいほど、コストを含めて納得してもらうのはわりと難しいのです。
参照:かかりつけの同意書は不要、お薬手帳に薬剤師名+「かかりつけ」
参照:令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】
■ 実態との剥離の解消
これまでボランティア感覚で行っていた業務に報酬がつくようになった点は評価できます。
例えば、「残薬を整理し、次回の処方内容を調整してもらう」ことをけっこうやりました。
医師の手間を減らすために、処方箋の修正ではなく、次回処方の提案書を患者さんに持たせて受診してもらう。
残薬整理は結構好きなんですよね。カオスな状態を整理していくのは気持ちが良いです。
■ 矛盾と理屈
調剤の現場では、ほぼ同じ行為でも、やる気のある薬局ほど患者負担が高くなる構造があります。
なんとも歪なシステムだなとずっと感じていました。
「高い報酬を全体から集めること。それは心地よい空間づくりや、業務負担を減らす機器の購入などに投資ができ、還元されるんだ」という理屈で自分の心を納得させていました。
しかし、本来は頑張っている薬局ほど患者負担が軽くなる。
そのようなインセテンティブの方が望ましいのではないかと思います。現状は施設要件の加算を取るほど、患者の負担増となっているのが現状です。
患者負担は据え置き。その分の保険収入が増加する、つまり固定割合ではなく、変動割合の制度の仕組みがあれば理想的。手作業では絶対無理だけど、DX化すれば可能ではないかと思います。そうすれば、頑張っている薬局ほど患者負担は小さいので、より患者さんが集まりやすくなるという好循環を生み出せると思います。
今日はかかりつけ薬剤師制度について所感を述べました。
制度開始当初から、「24時間、個人の電話で対応」という仕組みは、とくに若い女性薬剤師にとってリスクが高いと感じていました。案の定、以下のような記事にもなっています。
参照:セクハラ電話に万引き、クレーマー…「困った客」に悩む薬剤師の悲痛な叫び【覆面座談会】
医療現場はカスタマーハラスメントを受けやすい環境でもあります。
現場を守る制度設計を強く求めたいところです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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