2023/7/23
大阪府のエンパワメントスクールの視察へ行ってまいりました。
●調査・研究テーマ
偏差値絶対主義教育ではない、自分らしく学べて、子ども個々人たちが持つ最大限の力を引き出し、学び直しがいつでも誰でもできる明るい社会につないでいくためにはどういった仕組みが必要か。
●目的
大阪府で平成27年から始まったエンパワメントスクールの現状、課題、成果を知る。
●内容
日時:2023年7月13日(木)午前10:30~11:30
場所:大阪府庁別館
説明者:
大阪府教育庁 教育振興室 高校再編整備課 新高校第二グループ 主任指導主事 祐實秀信氏
大阪府教育庁 教育振興室 高校再編整備課 新高校第二グループ 首席指導主事 松岡豊明氏
参加者:阪本克己、高柳俊哉、佐伯加寿美、出雲圭子、松本翔、堤日出喜、佐々木郷美、相川綾香、永井里菜
報告書作成者:相川綾香
●概要
高校中退率が高い傾向にある大阪府では、平成25年に東京のエンカレッジスクールを参考に、「わかる授業」や「意見を出し合う授業」等を通して、生徒の持っている力を最大限に引き出し、社会で活躍するための力を育むエンパワメントスクールの検討・開校準備を始め、平成27年には3校、平成28年には新たに2校などと徐々に増やしていき、現在では計8校の府立高校で実施されています。
【エンパワメントスクールの主な特徴】
①1学年6学級35人
②義務教育段階からの「学び直し」のカリキュラムを設定
③1年次の国数英は毎日各30分のモジュール授業
④「エンパワメントタイム」では、社会人基礎力を、身に付けるために、「正解が1つでない問題」について考える授業を実施
⑤入学者選抜では、募集定員の最大50%を面接や自己申告書などを資料として、生徒の意欲を積極的に評価
~学習面を支援する取り組みに対して~
《成果》
・平成30年度に生徒にアンケートを取った結果、モジュール授業やタブレット、電子黒板が分かりやすくて良かったという回答が多く、学習に対する苦手意識が改善しているとのこと。
《課題》
・1年次の「学び直し」のための基礎科目と2年次生の必履修科目の難易度に大きな開きを感じて、学習意欲が低下する生徒がいること。
・生徒の抱える問題は多様であり、1人ひとりにより丁寧な対応や指導をするためには、学習支援員等の地域人材を活用できるシステムの構築や、支援学校経験等がある支援教育の専門性の高い教員の配置が必要であるということ。
~生活面を支援する取り組みについ~
《成果》
・令和元年度の生徒のアンケート結果から、「他人の話をしっかりと聞けるようになってきた」「人と上手に付き合えるようなコミュニケーション力が身についた」と答える生徒がお送り、社会で必要な力が身に付いたということ。
《課題》
・進路決定率が目標95%以上のところ、令和元年度では93.3%、欠席者数の減少率が目標60%以上のところ48.9%、遅刻者数の減少率も目標60%以上のところ51%のため、これから目標値に向けて更なる充実を目指していかなけばいけないということ。
・「知的障がい」「発達障がい」など「さまざな配慮を要する生徒」が増加しており、各校の事情に応じたよりよい支援方法を検討する必要があるということ。
●所見・成果
現在、若者とくに中高生の精神疾患や自殺者の増加の原因として、成績の評価や勉強が分からない、ついていけない等、子どもたちへの学習面、教育方法を見直していく必要があり、もっと早い段階の小中学生での学び直しの機会づくりや、生徒が自分自身の意見を出し合える授業がさいたま市でももっとできればと考える。
●基本政策
1. 『誰ひとり取り残さない』視点での施策展開
4. すべての子どもに学びと成長の機会充実
5. 社会全体で子どもと若者を支えるまち
13. 多様な価値観と人権尊重・ジェンダー平等の推進
15. 市民協働・公民学連携による地域課題の解決
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アイカワ アヤカ/39歳/女
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