2025/12/27
昨日は、大河原芙由子市議に同行し、「認知症情動療法」の講座と実践を見学させていただきました。
ナビゲーターは藤井昌彦先生。仙台富沢病院の理事長をされている方です。
認知症とは、一度獲得された高次脳機能が病的に低下し、かつ日常生活に支障をきたした状態を指します。中でも、ストレスが爆発し、興奮状態になり、攻撃的な行動を取ることが、介護する方の気持ちを個人的に傷つけたり、自己嫌悪に繋がってしまう悲しい病気です。
そもそも脳のどの部分が機能低下してしまうのか?
認知症では、合理的で分析考や、言語機能をつかさどる新皮質が衰えてしまうのですが、情動を司どる大脳辺縁系は元気なままです。だからある意味「情」が剥き出しになっている状態といえます。
だから馬鹿にされたり邪魔扱いされたり騙そうとされると、それを敏感に察知し、気にさわって不満が鬱積していき、ネガティブな行動を引き起こしてしまいます。一方、安心できる環境、好ましい雰囲気、尊敬がある場で大脳辺縁系に良い共鳴をもたらし、症状が改善していくのだそうです。
つまり不具合が生じている「新皮質」に働きかけるよりむしろ、大脳辺縁系に歓喜の感情を迎えることで、そこから脳全体に改善をもたらしていく。つまり「知」より「情」に働きかけることが大切だということです。
ところで、興奮や爆発を抑制するために、抗精神病薬が処方されることもあるわけですが、オフラベル処方が日常的に使われていること、また、歓喜の感情までも抑圧してしまうのが、問題だと思いました。一時的に患者さんを落ち着けられたとしても、改善に向かう妨げになってしまうと感じました。
【情動療法】
では、どんな風に喜びを誘発できるのか?では富沢病院では様々な療法を導入していて、今回は東北大の学生さんの授業について様々見学させていただきました。アロマセラピー、摩擦療法、絵を見て話し合う、懐メロや懐かしい番組を聞いてお話をする(PSM情動療法)、演者が来てお話を聞く(演劇情動療法)など。1つの情を揺さぶる何かに糸口をもらった参加者の方々は、楽しそうにたくさんお話しされていました。ところで演者の方の朗読が本当に素晴らしかった。(前田有作さん。花の湯の店主でもあります)
【医療の変遷】
時代によって年配の方々が直面する病気の性質も変わってきました。以前は結核や脳卒中。癌の問題は今でも大きいですが、今認知症の時代が来ています。「目に見えない波動にて対応し歓喜的情動を創生する医療」を考えるとき、ただ対症療法や目にみえる部分だけでは対応できないもので、今までの物質ありきの医療から大きく転換する起点に私たちはやってきているのかもしれません。
ハンナ・アーレントの言葉が深く心に残りました。
「生」とは何なのか?
DNAの連続性に基づく循環型の生命(Zoe)。それは生命を標準化し、物質・症状を見て対処する。
一方「生涯」と呼ぶべき人間としての直線的な生「Bios」がある。一人の人が生まれ、その生涯を閉じるまでの人生。
その人がどう生きて、周りの人がその「生」にどう関わっていくのか。
人生、喜びが鍵だ、とも改めて思いました。
ご著書入手しましたので、お正月中にでも読みたいと思います。

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ローレンス アヤコ/55歳/女
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