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「福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案」について

2023/3/6

復興庁ホームページ令和5年2月7日に「福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案」が閣議決定されたことが復興庁のホームページから分かります。

https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-4/20230202163547.html

そこに掲載されている「概要」からどのような法案なのか考えてみました。以下、私の解釈です。

以前、福島県内に、帰宅困難区域が設定されました。
その後、その中に拠点区域というものが創設されました。再び人が住めるように環境が整えられ、一部では避難指示が解除されたところもあります。

ただ、帰宅困難区域の中で「拠点区域」に指定されていない場所の環境整備は進んでいませんでした。拠点区域外と表現されています。そこに戻りたいという地元住民の強い要望がありました。

そこで拠点区域外の中に、特定帰還居住区域を設定し、帰還意向のある住民の帰還を実現しましょう、ということになりました。

そのために今国会で提出された法案が「福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案」です。

 

 

この法案の問題点に関して、記者会見の質疑応答が参考になりました。

渡辺復興大臣記者会見録[令和5年2月7日]

「自分たちの生活圏同士で虫食いに解除されるということをすごく危惧される住民がいる」、という質問に対しては「地理的な距離にかかわらず認定をして、まず帰還意向のある方を帰していこう」「基本的には帰還する人の意向というものを大前提に考えていきます」とのことです。

帰還の定義というのは、これは24時間365日そこに住みたい人を指すのか。1週間に1度だけ帰りたいという人だっていると思いますし、お盆にだけ帰りたいという人もいるかもしれない」という指摘に対しては「定義的にこれでなくちゃ駄目だという感覚は、私は持っておりません。様々な住まいのあり方があるというふうに思いますので、その辺は多様性を持って考えていきたいな」と回答しています。

「5年後の目標とする居住人口というか帰還人口に対して、なかなかかなり厳しい戻り具合だと思います。拠点内ですらその状況であるということを踏まえて、拠点外の帰還の難しさ」についての質問に対しては、「それは環境を整えていくことによって、新たに帰還しようという人も増えてくるんではないかな」とコメントされています。

 

住民の意思を尊重し、杓子定規に考えるのではなく、柔軟で前向きな考えで私は好印象を持ちました。

 

2023年2月8日、福島民友新聞の「復興拠点外に『特定帰還居住区域』新設へ」という記事には次の疑問点が記載されていました。

既存の特定復興再生拠点区域(復興拠点)の追加認定や範囲の拡大ではなく、なぜ時間がかかる法改正を経て「特定帰還居住区域」を新たに設けようとするのか

なるほど、と思いました。これに関しては次のような憶測があるそうです。

面的な再生が必要となる復興拠点をさらに拡大するよりも、小規模な除染で済む区域を新設することで国費負担を抑える狙いがあるのではないか」

無尽蔵に国費があるわけではないので、国費負担を抑える狙いがあっても問題ないと考えます。

地元住民の要望を受けて新設される制度に関する法案ですから、反対する理由はないのではないでしょうか。

皆さんはどう思いますか。

(2023年3月6日追記)

国費による除染について

今回の法律で創設される「特定帰還居住区域」では、認定を受けた計画に基づき、国による特例措置が適用され、国費負担によって除染等が実施される、とあります。

令和5年度復興庁予算概算決定のポイント
によると、・特定復興再生拠点区域外に係る除染等事業(60億円)とあります。

一方、環境省のホームページに掲載されている「除染費用にともなう補助金・予算などについてよくあるご質問」には次のように記載されています。

Q1

除染に伴う国の財政措置の対象はどのように決められているのですか?

汚染状況重点調査地域に指定された市町村が、法律に基づいた除染実施計画を策定し、その計画に沿って除染作業が行われた場合に、国の財政措置の対象となります。

Q2

汚染状況重点調査地域で市町村により行われる除染費用は国の負担になるのですか?

国が一時的に立て替え、東京電力株式会社に求償します。

そこで、もし私が国会で質問できる立場であったなら

質問1 特定復興再生拠点区域外に係る除染等事業(60億円)は東京電力に求償する対象になりますか。

と確認してみたいと思います。

もし、質問1の回答がNO出会った場合、

質問2(1) なぜ東京電力の求償対象にならないのか

質問1の回答がYes出会った場合、「除染費用にともなう補助金・予算などについてよくあるご質問」には

Q7

東京電力株式会社は、なぜ除染費用を支払わないのですか?

証憑(しょうひょう)の精査が終了していない、可否が判断できないなどの理由から、除染費用の支払いに応じていない場合があります

とありますので、

質問2(2)現在の東京電力の支払状況と、支払を受けるために政府が行っていること

について質問してみたいと思います。

 

原子力発電は本当に安価か?

経済産業省資源エネルギー庁の2021年12月28日の
電気をつくるには、どんなコストがかかる?には次の表が掲示されています。
2020年の電源別発電コスト試算結果①

上の表からは原子力は石油火力よりも発電コストが安価であることが示されています。

 

一方、2022年3月5日、毎日新聞の記事「東日本大震災11年福島第1原発事故処理費、底なし」には以下の記載があります。

2011~20年度に支出された東日本大震災の復興関連予算は38兆6029億円で、「原子力災害からの復興・再生」に充てられた費用(7兆1934億円)は全体の18・6%を占める。

2020年までに「原子力災害からの復興・再生」に充てられた費用は7兆1934億円とあります。

これを踏まえて

質問3 「原子力災害からの復興・再生」に充てられた費用は最新のものでいくらか?

質問4 資源エネルギー庁が公表している原子力の発電コストには、「原子力災害からの復興・再生費用」は含まれているのか?

質問5 もし、質問4の回答がNO出会った場合、「原子力災害からの復興・再生費用」を加えて計算した原子力の発電コストはいくらになるのか?

これらについて質問してみたいと思います。

 

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