2022/12/4
●急激に進んでいる少子高齢化や核家族化、高齢者世帯の増加、価値観の多様化、生活不安の増大、犯罪や事件の深刻化などを背景に、地域社会のつながりや、地域に対する関心が薄くなっていることが問題になっています。
●そのような状況を受けて、孤立化、孤独死、虐待、認知症高齢者の行方不明、詐欺被害、消費者被害、見守りが必要な人の増加など、地域の福祉課題が徐々に拡大しているところです。
●住み慣れた街で、誰もが自立して、安心して穏やかに暮らしていくためには、日々の生活をサポートしてくれる社会資源が欠かせません。
●地域コミュニティとは、住民一人ひとり が連携し助け合ってより安全で安心なま ちづくりを目指す地域社会のことを指し、地域の中には様々な活用できる資源があり、それらは地域資源や社会資源と呼ばれています。
●目に映るすべてのものが「社会資源」⁉ 【「社会資源」というとみなさんはまず何を思い浮かべるでしょうか?教科書的には、利用者がニーズを充足し、問題解決するために活用される各種の制度・施設・機関・設備・資金・物質・法律・情報・集団・個人の有する知識や技術の総称であるとされています。ソーシャルワーカー(支援の専門職)にとって、これらの社会資源をどのようにとらえ、どのように活かしていけるかが重要であると考えらます。多くの専門職は、児童福祉・障害者福祉・高齢者福祉などの専門分野に分かれて働いており、それぞれの分野に関する制度やサービスには精通していても、他の分野のことに関してはよくわからないという現実もあります。そのため、意識していないと自分が詳しい社会資源の分野に偏って、援助の方向性を考えてしまうことも起こりうるのです。結果的に、限られた制度やサービスという型に、利用者の生活をはめ込んでしまう危険性もあります。】 〇「人的資源」: 本人/家族/親類/友人/隣近所の知人/医療・介護等の専門職 など。 〇「物的資源」: 病院/施設/青果店/鮮魚店/精肉店/酒店/スーパーマーケット/コンビニ/ガソリンスタンド/理髪店/美容院/電気・ガス・水道などのインフラ/自家用車/バス/タクシー/鉄道など。 *「人的資源」と「物的資源」はそれぞれ、「フォーマルな(公的)資源」と「インフォーマルな(私的)資源」としても整理できます。 「フォーマルな(公的)資源」:公的サービスを中心とする、目的が明確で安定的かつ専門的に提供されるものです。
〇制度に基づくサービスの提供が基本で、高齢者・障害・児童等の分野別にならざるを得ず、複合的な課題には、いくつかの社会資源を組み合わせることなどが必要。利用するには、ある程度の知識が必要で、手順に沿った手 続きが求められるが、安定性や継続性は高いものの、柔軟性に乏しく、自由度が低い。 「インフォーマルな(私的)資源」:家族や近隣住民、ボランティアなどが供給するもので、安定的や専門的に供給されることが前提とはなり得ないものです。
〇制度に基づかない住民の自主的な、あるいは民間企業による活動やサービス で、提供する側も利用する側も、状況に応じて活動の形を変え ることが容易にでき、柔軟性があり自由度が高く、多機能な側面を持つ。 |
●社会資源とは社会福祉の支援プロセスの中で用いられる資源を意味します。
( 一般的に利用者のニーズを充足させるために活用し得るあらゆる物的・人的資源を総称したものとされています。)
●この「高石市社会福祉協議会によるアンケート調査」個別訪問による社会調査も社会資源と言えます。
●「ライフネットライフネットスーパー」ネットで商品を選んだら、宅配してもらえるシステムですが、これも有効な社会資源のひとつです。
●ソーシャルワークにおいて、社会資源は援助活動での重要な要素です。(ソーシャル ワーカーには、個人/家族/集団/組織/コミュ ニティにおけるの各シーンにおいて、利用者のニーズを充 たすために、スピーディーかつ効果的な社会資源の活用 が要請されています。)
●社会資源の活用 は、社会資源を紹介することだけでなく、それが効果的に提供されるための調整、必要な社会資源が存在しない場合の開発・創造も含まれているとされています。
(ソーシャルワークには、多種多様化が進む社会資源の活用のあり方が改めて問われていて、サービス提供プランを作成する上で、社会資源をよく知らないために、利用者ニーズを反映/充足しないという問題が指摘されているところです。)
●click➡●社会資源開発を進めるうえでコミュニティソーシャルワーカーが大事にすべき6つの視点 | 沖縄県社会福祉協議会 (okishakyo.or.jp) ●社会資源開発を進めるうえでコミュニティソーシャルワーカーが大事にすべき6つの視点 1.アウトリーチによって生活課題を的確に把握し、課題点を整理する視点 社会資源開発は、それ自体を目的化するのではなく、既存のサービスの枠内では対応が難しいニーズに対して、柔軟に対応できるサービスや支援方法を生み出す視点が重要です。そのため、前提としてワーカーには生活課題を的確に把握し、課題点を整理する視点が求められます。この時、制度の狭間にある課題に対してどうアプローチするかが社会資源開発の出発点となります。 また、生活課題の把握と整理を進めるにあたっては、社協の各種相談窓口の担当者とワーカーが同じテーブルについてケース検討会を開催するなどの情報共有・連携体制も重要となります。 一方、地域には、生活上の課題を抱えていても自らSOSを発信できない方や支援の必要性を自覚していない方もいます。ワーカーには必要に応じて支援が必要な方を訪問するなど、その方に寄り添う姿勢が求められます。 2.ワーカー自身も社会資源の一つであることを自覚し、積極的にネットワークを広げる視点 社会資源開発を進めるにあたっては、ワーカー自身が地域の中にある社会資源の一つであることを自覚し、他の関係機関や地域住民、民生委員、ボランティア、NPOなどと連携して支援にあたる視点が重要です。そして、自分たちの役割を伝え、相手の役割を理解し、日頃からネットワークの形成に努めるとともに、社会資源同士をつなげる力量が求められます。また、時には学校や企業、NPOなどの福祉分野以外の関係者と連携を図る場面も想定されます。いわゆる「相手の土俵」に上がった時も、ワーカー自身の役割や意見を相手に分かりやすい言葉で伝え、より良いパートナーシップを築くことが求められます。そのためにも、ワーカーは自身の資質の向上を追求し、積極的にネットワークを広げる姿勢や職場内におけるスーパーバイズ機能を強化し、チームで対応する体制づくりを図ることが重要です。 3.支援を必要とする方(当事者)を中心に考え、当事者の強みを生かしながら、当事者と地域とのつながりを生み出す視点 社会資源開発にあたっては、支援を必要とする方(当事者)を中心に考え、まずは、当事者本人のもつ「強み」や「課題解決能力」に着目しながら支援策を考えることが重要です。併せて、当事者の家族や友人、近隣住民などとの関係性を把握し、当事者を中心とした支援ネットワークの構築を図ることが求められます。これは、各種のケース検討会や地域ケア会議においても重要な視点となります。ワーカーはこのことを意識し、専門職だけで抱え込まずに、地域を巻き込みながら、当事者と地域のつながりを生み出す視点を持つ必要があります。 また、地域を巻き込んだ当事者支援を進めるにあたっては、地域住民や当事者を説得するのではなく、納得させてそれぞれの自主性を引き出すことを心がけます。 4.地域にある既存の社会資源を把握し、その特徴を理解したうえで活用する視点 社会資源開発では、新たなサービスやプログラムを生み出すことの他に、地域にある既存の社会資源をうまく活用する視点も重要となります。ワーカーには地域に元々備わっている「地域の福祉力」を引き出し、効果的に支援につなげる力量が求められます。そのためには、ワーカーは自らの担当地域の地域アセスメントをしっかりと行い、歴史・文化も含めた地域全体の特性や強みについて把握しておく必要があります。 また、今ある社会資源の価値について地域や関係者と共有し、活動に対する支援や後継者の人材育成について協議を行うなど、要支援者、地域、社協にとって相互にメリットのある「WIN-WIN」の関係づくりに努める姿勢が求められます。 5.地域に出向くことで「顔の見える関係性」を築く視点 地域をフィールドとするワーカーにとって、地域に「顔の見える関係性」を築くことは、職務を遂行するうえでの重要な要素です。ワーカー自身を知ってもらうことはもちろんですが、時には、ワーカーが「つなぎ役」となって社会資源同士のネットワークを広げることも大切です。例えば、地域の定例会へ参加する場合などに社協以外の機関にも参加を呼びかけ、地域と機関をつなぐことなどが挙げられます。 ワーカーは地域行事等へ参加するなど積極的に地域に出向き、住民と関わる機会を増やすことで信頼関係が育まれます。また、地域の関係者から協力を得ていくためにも「地域を良くしたい」という使命感と熱意をもって職務にあたる姿勢が重要です。 6.地域に協力者・理解者の輪を広げる福祉教育の視点 個人の生活課題について地域全体で考え、多くの人の協力を得ながら解決に取り組み、「地域の福祉力」の底上げを図ることがコミュニティソーシャルワークの目指すところです。地域で起きている課題を住民自らが「自分のこと」として捉え、「自分に何ができるのか」を考え、行動に移すことで、住民一人ひとりが地域福祉の担い手となります。このことは社会資源開発にも通じる重要な視点です。 |
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ミハラ ヨシユキ/67歳/男
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