2022/11/27
●「家族の世話で勉強できない。友だちと遊べない。」
●ヤングケアラーとは、一般的に親・祖父母・幼い兄弟(兄妹)等の面倒を見ている子ども達を指します。
(厚生労働省と文部科学省の調査によりますと、ヤングケアラーに該当すると考えられる子どもは、中学生の約5.7%、高校生の約4.1%も存在しているとされています。)
●大人に代わり家事や家族の世話を担う「ヤングケアラー」の学業等への影響が社会問題になっています。
(日本で、ヤングケアラーという言葉が広く一般に使われるようになったのはごく最近のことです。2014年にイギリスで「子どもと家族に関する法律」が成立し、ヤングケアラーを法的に位置づけ、地方自治体に対して適切な支援につなげることを義務づけられたことがきっかけです。)
●自分の時間が持てず、友人関係や学校生活、進路・就職などに影響が及ぶことも少なくないという状況です。
(家族のケアを理由に十分に睡眠を取ることができず、学校に遅刻するなど、日常生活に深刻な影響が出てしまっている子どもたちもいます。また、ケアに追われる中で授業や部活動への参加、友人との交流に当てる時間も制限されてしまい、教育や社会経験の機会を損失する状況に置かれ、その後の人生にも悪影響を及ぼす可能性が生じることもあります。)
●ヤングケアラーであることで、子どもたちが未来を諦めなくていい社会を目指す必要があります。
(家族に対するケアの経験が、その子どもにとって大切な時間・経験となることもあり、全てのケアが否定されるものではありませんが、ヤングケアラーとして生きていることで、『子どもらしく生きること』が難しくなってしまう場合があると言えるのです。)
●click➡●子どもが子どもでいられる街に。~ヤングケアラーを支える社会を目指して~ 【厚生労働省】 (mhlw.go.jp)
●家族で助け合うことも、ケアを受けるべき人が悪いわけではなく、子どもが一人で抱え込まないように、社会全体で支えていくことが大事です。
(厚生労働省は、大きく4つに分けて支援策を打ち出しています。)
① 早期支援(ヤングケアラ―問題の周知、実態調査の推進等)
② 相談支援(スクールカウンセラーの配置、オンラインでの相談受付等)
③ 家事育児支援
④ 介護サービスの提供
(このほかにも、子どもの居場所づくりや学習支援・食事支援など、さまざまな場面でのサポートが求められています。)
●重視すべきは、見えにくいヤングケアラーをいかに「見つけ出すか」です。「ヤングケアラー」問題の大きな課題点は、当事者であることを自覚していない子どもが多いという点にあると言われています。
●公的サポートは、「申請主義」であることが多く、自ら行政窓口に出向き、制度の利用を申請して初めて、制度を利用できるというものです。つまり自分の現状を、困難な状況にあると認識し、それを改善させるための支援策があるこを知って初めて、公的サポートを利用できるようになります。
(ヤングケアラー対策として、ソーシャルワーカーの整備や、福祉サービスの拡充を行ったとしても、当人である子どもたちがそのサービスの存在を知らず、また自分の置かれている環境にいることに問題意識を持たなければ、サービスを利用しようとも思わないといった事態が想定されます。また、社会との関わりが希薄で、家族や友達としか関わったことがない子どもが、ソーシャルワーカーなどの外部の支援サービスと接点を持とうとすることに抵抗感を持つことも心配されるところです。)
●ヤングケアラーに関する相談窓口。
●児童相談所相談専用ダイヤル *フリーダイヤル 0120-189-783(いちはやく・おなやみを) (児童相談所は、都道府県や指定都市等が設置する機関です。子どもの福祉に関するさまざまな相談を、24時間・年中無休・通話料無料で受け付けています。携帯電話からの電話もつながります。) ●24時間子供SOSダイヤル(文部科学省) *フリーダイヤル 0120-0-78310(なやみいおう) (都道府県や指定都市教育委員会などによって運営されている全国共通のダイヤルです。子どもや保護者などからの相談を、24時間・年中無休・通話料無料で受け付けています。) ●子どもの人権110番(法務省) *フリーダイヤル 0120-007-110 ●日本精神保健福祉士協会「子どもと家族の相談窓口」 *相談専用Eメール: kodomotokazoku@jamhsw.or.jp ●このほかにも、高齢の方の介護については「地域包括支援センター」、障がいのある方の介護等については「基幹相談支援センター」など、さまざまな分野の相談窓口があります。また、ヤングケアラー当事者・元当事者同士の交流会や家族会もあります。子どもたちが自ら相談できず孤立してしまうケースがあるため、周りの大人が早めに気づいて必要な支援につなげていくことも重要です。 |
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ミハラ ヨシユキ/67歳/男
ホーム>政党・政治家>三原 義之 (ミハラ ヨシユキ)>【社会福祉士国家試験の学習から(VOL.4)】「家族での支え合い」の中での「ヤングケアラー問題」?