2022/8/4
●「社会的処方」とは?
患者の非医療的ニーズに目を向け、地域における多様な活動や文化サークルなどとマッチングさせることによって、患者が自律的に生きていけるように支援するとともに、ケアの持続性を高める仕組みのことです。
●例えば「眠れない」と訴える患者に対する睡眠薬の処方をするといった医療行為ではなく、本人のニーズや好みに応じた社会資源(地域での学び合いの場やボランティア活動などの社会とのつながり)を医療機関と連携するカタチで運用するような意味合いを持ちます。
●「社会的処方」システムで先進するイギリスにおいて定義されているプログラム。
○ Give:人から施されるだけではなく、自らが支援する側にも立てる。
○ Connect:ほかの人たちとつながることができる。
○ Keep learning:学び続けるものを持っている。
○ Be active:身体的・精神的に活動的である。
○ Take notice:周囲で起きていることに注目している。
●イギリスにおいては「社会的処方」は医師だけではなく、看護師やソーシャルワーカー、薬剤師などの専門職が、地域にある処方先(社会資源)の情報を持っているとは限らないという観点から「リンクワーカー」という職種を設けて運用しています。
●「リンクワーカー」は、社会的処方をしたい医療者からの依頼を受けて、患者や家族に面会して社会的処方を受ける地域活動とマッチングさせるのが仕事です。
●孤立という病を、地域のつながりで治すという方法というシステムです。
●この著書で語られているのは、医療分野から派生したこの「社会的処方」を広く地域に根づかせて、地域共生社会の根元にある「助け合う」という精神をみんなで共有して暮らしていきましょう、というとこにあると感じました。
(著者の取り組み、他の各地での取り組みが、具体的に紹介されています。)
●「元気のヒント12」
① 毎日(飽きずに)することを持つ。~小さなことから何でも。
② 一日一回は出かける。~外に出て人に見られ、人を見る。
③ 食べることに興味を持つ。~食べたい気持ちがあれば元気。
④ お礼を言う、お礼をする。~和やかに人とつながれる。
⑤ 身近な楽しみをもつ。~あまり準備やお金がかからない「ちょっとした楽しみ」。
⑥ 自分から声をかける。~「こんにちは!」と自分から挨拶。
⑦ ご近所づきあいを大切にする。~遠くの親戚より近くの知り合い。
⑧ たまり場や行きつけをもつ。~行きつけは一種の安定剤。
⑨ 来るものを拒まない。~声がかかる間が花。
⑩ 信頼できる友達をもつ。~古くからの付き合いを大切に。
⑪ 年の差のある友達をもつ。~行動や価値観の幅が広がる。
⑫ 「楽しみ」をもつ準備を始める。~50歳代がチャンス!何かを始めてみよう!
●誰もが立ち寄れる溜まり場の設置?
・有志に補助金を交付してなるべく数多くつくる。・グループ・個人を問わず、飲食などの憩いの場の提供など。・世代による区分をしない。(ごちゃまぜ)・規模や精度に応じての考えたルールづくりが必要。
●主に大学生・専門学校生への住居の提供?
・不動産賃貸の専門業者に委託する。・空き家の賃貸による有効活用する。(戸建て・マンション・アパートetc.)・空き部屋提供の同居の下宿型も検討。・「民業圧迫」への配慮が重要。
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