2022/8/1
●介護保険制度の創設から、介護支援専門員はケアマネジメントを通じて利用者や家族をサポートし、多大な役割を担ってきたと言えるが、現下において介護保険制度そのものや介護支援専門員を取り巻く環境の変化のスピードが著しくなっているところである。今後も、感染症対策などに伴う、経済の停滞・鈍化や少子高齢化ほかの課題・問題が深刻化し、社会が要請する介護支援専門員への期待・役割が更に高まっていくこいとになる。
●利用者・家族からの相談をはじめ、利用者本位を前提とするアセスメントからモニタリングという従来からの継続的なケアマネジメントによる適切なサービス提供を維持していくためには、今後はより一層の業務スキルとパフォーマンスの向上を果たさなければならない。適切なケアマネジメント実践を担保するため、多種多様な知識を身につけ、コミュニケーション、課題分析・検証・解決などのスキルアップを図るといった、探求心・向上心持つ必要がある。そして、利用者の多岐にわたる複雑化したケースに対応するために、介護保険制度だけではなく、関連する他領域・他分野への見識を深めて、多職種連携において主体となって関わらなければならず、そのケアマネジメントを通じて利用者本位に基づいた自立支援・自己実現の支援を実行していかなければならない。
●今後の地域共生社会の実現に向けた介護支援専門員に要請される課題・期待に応えていくための課題のポイントは以下のようにあると考える。
①利用者本位の自己実現・自立支援の徹底を目指す。
利用者本位の支援を果たすために、利用者の生活支援に重点を置き、信頼関係を構築した上で、直面している問題だけではなく、相関する周囲の全体像を見渡しながら、バランスに十分に配慮された多職種連携支援の主体となることを意識する。
② 所属事業所の組織力向上のためのキーマンとなる。
自己研鑽とともに、事業所全体のレベルアップに繫がる組織力構築の要となる。
(ケアマネジメントのスキル・テクニックや人材育成・その他のシステム)
③ 実効性のある支援を確保するために社会的な視野を広げる。
質の高い、地元に根差した継続的な利用者支援を実現するために、厚生労働省・社会福祉協議会・地域包括支援センター・業界ほかの動向にもアンテナを張り巡らせ、所属事業所の経営方針や経営状況にも関心を持って、全体を見通しての真に実効性のある支援を考える。
④ 地域共生社会の実現と地域包括ケアシステムの構築の意識を高める。
利用者の個別支援において、地域全体の課題把握・問題解決の一員として、老若男女問を問わない全住民・構成員を視野に入れたケアマネジメント力を発揮する。医療介護関係だけではない地域全体での良好なネットワーク(役所・学校・地元の組織・会社・店舗・住民など)を構築し、的確な支援の実践によって介護支援専門員への社会的な評価、ひいては事業所・業界の評価を高めていく。
⑤ 多職種連携ケアにおける主体であるとの社会的なコンセンサスを確立する。
●利用者・家族のニーズや置かれている状況、医療関係ほかの多職種(多領域・他分野)の役割(関わり方)を十分に把握して、介護保険制度の専門職という自覚(能力の裏付けあること)を持ったポジションで、各セクションが効率よく協働して取り組める役割を果たす。(以上)
●地域包括ケアシステムのイメージ。
*ケアマネージャー(介護支援専門員)とは、介護を必要とする人に対して、介護保険制度に基づいたケアマネジメントを行う仕事を行う人のことです。介護職の中でも責任のある立場であり、その業務内容も多岐にわたります。
ケアマネージャーの主な仕事内容。
介護利用者の状況やご要望を把握し、介護利用者の生活に対する目標設定や、利用プランを作成していき、厚生労働省が定めている問題項目に沿った事前評価や課題分析といったアセスメントを行ったうえでケアプランを作成します。
(高齢者の問題点を明らかにして、それを把握する課題分析能力が問われることになります。)
利用者や家族の方々、サービス提供者にケアプランをよく見てもらい、互いが納得し合えるためのケアプランを作成し、面談の中でそれぞれの意見を尊重しながら多角的な意見を取り入れていきます。
(施設を利用したい申し出がある場合は、数多くある事業所についての情報を利用者に提供し、相談したうえで最適なものを一緒に考え、提案していきます。)
③ 要介護認定支援
要介護状態とは、日常生活において基本動作に介護が必要とされることを言い、要介護認定を受けるためには自治体での審査を受けることが必要であり、ケアマネージャーが家族や本人に代行して申請を行うことがあります。更新申請についても同じです。
利用者の自己負担料と介護報酬に関してのコストマネジメントを行います。
(事業所に対して介護給付が行われるため、国民健康保険団体連合会に必要書類を提出しなければなりません。)
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