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三原 義之 ブログ

ソーシャルワークのアプローチ方法について~社会福祉士国家試験に向けての学習ノートです。

2022/8/1

●心理的アプローチ

 アメリカの慈善組織協会(COS)における専門的なケースワークからの「診断主義」から派生した「ケースワーク心理社会療法」としてホリスによってまとめられたものである。

 アプローチの特徴は、フロイトの「自我理論」「精神分析理論」を取り入れた「医療モデル」で、クライエントと取り交わす《言葉》によるコミュニケーションを通じての援助関係をスタートとし、そのクライエントのみの問題とせず、置かれた周辺環境との相互関係や相互作用の中で、個人としてのパーソナリティを理解して、その変容の実現と周辺環境の状況の機能を高めて問題を解決しようとするアプローチするものである。

 このアプローチ方法は、多くの支援問題に適うものであるが、言語コミュニケーション能力が備わっていることが前提であるが、時間をかけてのクライエントとの信頼関係に基づいた相互連携による高パフォーマンスが期待できる。

●機能的アプローチ

 「心理的アプローチ」が心理的内面の捉え方において、フロイト理論を過剰に取り入れているとの批判から発生した。1930年代の「意志心理学」をベースに1960年代にスモーリーがソーシャルワーク機関の機能を重視し、保持しているクライエントの潜在する可能性を引き出し、問題やニーズを明確なものにして援助しようとするアプローチである。

●問題解決アプローチ

 1950年代にパールによって提唱されたもので「自我心理学」「学習理論」「役割理論」をベースとして「診断主義」のスタンスを取りながら「機能主義」の要素を取り入れた折衷的な手法である。パールが1957年に著した「ソーシャルワーク-問題解決の過程」の中で、ケースワークを「個人が社会的に機能する際に出会う問題に、効果的に対応できるように福祉機関で用いられる一つのプロセス」と定義した。つまり、個別支援をケースワーカーと利用者の関わりの中での「問題解決過程」とし、クライエントのモチベーションや能力を高めて、多様な機会活用によって自らの主体的な問題解決を支援しようとするアプローチである。

●課題中心アプローチ

 1970年代にリードとエプスタインによって理論構築された「心理社会的アプローチ」「問題解決アプローチ」「行動変容アプローチ」からの影響を受けて折衷された方法であって、新規に開発された方法ではない。

支援の効果を担保しながら効率化による時間短縮を目指し、計画的かつ組織的な援助プロセスの構築を提唱したもので、限定された支援システムの枠組みの中で、計画的に問題解決を行う方法によって、支援課題のカテゴリーに汎用性を持たせて、双方にとって効率的な対応が可能になるようなシステム構築を意図したものである。

●危機介入アプローチ

 1950年代にリンデマンとキャプラン等によって構築された「危機理論」をベースにしたもので、危機状況にあるクライエント個人に対して介入をするためのアプローチである。

 災害・戦争・犯罪・事故・バイオレンス等の人のライフサイクルにおいて回避することが困難な状況下で種々のストレスを感じた際に、その時点での解決と、その後に続く適応に至るプロセスにおける社会資源の役割を指摘し「地域予防精神医学」としての方法を発展させたものである。

●行動変容アプローチ

 パブロフ(古典的条件付け)、スキナー(オペラント条件付け)、バンデユーラ(社会的学習理論)等の「行動理論」の知見をソーシャルワークに採用したもので、観察が可能な行動自体に着目して、その問題行動を良い方向に変えれば解決するという支援のアプローチである。

 他に見る「心理的な側面」に働きかけるアプローチ方法と異なって、行動の原因について過去の検証をすることなく、現在の行動に直接的または間接的に影響を及ぼしている環境との関係に着目したものである。援助目的を可視化された行動といった具体的かつ客観的に測定可能な形で設定するため、援助計画を立てやすく、クライエントにおいても問題を理解しやすいのが特徴である。

 児童・障害者・認知症等の支援において、言語的コミュニケーションを取ることが難しいクライエントに適しているとされている。

「行動療法」によるケースワークを導入している子育て支援等の子ども・家庭分野において「有用」との評価がなされているが、行動理論が動物の実験心理学の結果(条件反射-パブロフの犬etc.)に由来していることがネックとなっており、多領域の社会福祉現場での活用の普及が進んでいない。目に見える行動に焦点を当てる手法は、周囲で支援対策を共有しやすく効果的であり、行動理論に対する感覚的な拒否反応や抵抗を払拭して「行動変容アプローチ」の活用の機会を増やすべきであるとの議論がなされている。(以上)

総まとめ】ソーシャルワークの全15種アプローチ

 

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著者

三原 義之

三原 義之

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肩書 *デイサービスの現役の介護職。介護福祉士。元大手金融機関/大手産業廃棄物処理会社の企画マン。働きながら学ぶ専門学校の学生。
党派・会派 無所属
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