2022/6/13
●「地域福祉を推進するための住民参加の必要性について」社会福祉士国家試験に向けての学習ノートです。
●少子高齢化やバブル崩壊以降からの経済の右肩下がり傾向、その他の環境の変化(国家間の経済摩擦・自国ファースト傾向・国家間紛争の激化etc.)によって社会福祉へのニーズは多様化を伴って増大し、既存の福祉サービスでは対応することが困難となって行き詰りの状況に陥って多くの問題を抱えるに至っている。
その状況を打開するためには、これまでのような部分々々への対処療法では立ち行かないとの判断が働き、「持続可能な」「誰一人取り残さない」「我が事丸ごと」の「地域共生社会」の実現を目指しているところである。
「地域福祉を推進するうえでの住民参加の意義」は、地域福祉システム構築のために「支援の問題・課題を、住民が、自分のことと捉えて、住民のために地域福祉にかかわる」ことにあって、地域での多種多様な生活課題に対応する、地域での「支え合い」「困ったときはお互い様」によって、持続可能な支援体制をナチュラルな状態で維持できるような地域組織を整備・構築するところにあると考える。
「地域福祉を推進するうえでの住民参加の課題」は、近年において著しく加入率が低下している「自治会」に代表される地域コミュニティの再構築による住民間の繋がりの機会の創出である。住民同士のつながりが空疎化・希薄化し、地域活動への参加や地域の助け合いの機能が低下しているのである。
日本の自治会の歴史は明治時代の市町村制施行時の大規模合併への住民の抵抗を緩和するための便法として、排他的色合いをもった地縁組織(一種の自治政府)として容認されたものであって、その経緯から構成員が土着の住民であることを前提としたカタチで広まっているものと考えられる。
そのような経緯から、自治会の法的な根拠は無く地方自治法ほかの法令には何らの規定もなく「任意のルール」で運営されており、現状の地域の自治会は一般の住民には馴染みにくい閉鎖的で近寄りがたい雰囲気であるケースが多い。
自治組織に属する高いハードル(役員の業務負荷大)の軽減策としての「行政の関与の拡大」「一部業務を業者委託」「デジタル化の推進」etc.)を講じて、なるべく多くの住民が加入できる自治会の思い切ったリストラを推進すべきであると考える。(祭礼・互助会のような部分については、別枠の自治組織として残存させるような配慮も重要である。)
住民参加率の高い新しい「自治会」は、「老人会」「子ども会」「ボランティア活動」などの併設を含めて、市町村の条例を制定すべきで「地域住民の自治」にこだわっていては前進は望めない。
「自治会」という従来の概念にはよらない「地域共生社会」の実現に向けた「地域住民の組織化」への思い切ったアプローチが必要であるように考える。(以上)
●平成27年版厚生労働白書 - 人口減少社会を考える -より抜粋。
●自治会の行事のうち、「力を入れている」とした割合が最も多かったもの。(公益財団法人山梨総合研究所の調査データ)
●平塚市ホームページより抜粋。
●戦時中の隣組ポスター。
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