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「福祉サービスの経営戦略について」社会福祉士国家試験に向けての学習ノートです。

2022/6/12

●「福祉サービスの経営戦略について」社会福祉士国家試験に向けての学習ノートです。

1.福祉サービスとは何か。

 日本で、福祉サービスという言葉が使われるようになったのは1970年代に入ってからで、それが法令に記載されるようになったのは1990(平成2)年の社会福祉事業法(現:社会福祉法)の改正時からである。

 社会福祉法にある福祉サービスは「第3条(福祉サービスの基本理念)」「第5条(福祉サービスの提供の原則)」「第6条(福祉サービスの提供体制等の確保等に関する国及び地方公共団体の責務)」にあって、今日においては福祉サービスが一般的な用語となっている。

(かつては、「慈善事業」「救貧事業」「社会事業」「厚生事業」などの言葉が使われてきた。)

 また、社会福祉法第3条には、福祉サービスの基本理念として「福祉サービスは、個人の尊厳の保持を旨とし、その内容は、福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され、又はその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう支援するものとして、良質かつ適切なものでなければならない。」 と明記されている。

 誰でも人は人としてよく生きられるよう、支援を必要とする人の環境によって多種多様な「福祉ニーズ」が要請されることから、それらに対応する一連の支援システムが福祉サービスであると言える。

 福祉サービスの分野は、生活保護・児童福祉・高齢者福祉・身体障害者福祉・知的障害者福祉・母子及び寡婦福祉・精神保健及び精神障害者福祉・売春防止の福祉・障害者総合支援・その他支援である。

 行政主導の 「措置」 による福祉サービス提供のシステムを改めて、利用者本位の 「契約」 によるサービス提供の仕組みへの転換を図るというのが社会福祉基礎構造改革の方針であって、それに伴い社会福祉法人の行う事業についても行政措置に沿った事業の「運営」という考え方から脱却し、サービスの利用者との契約による事業の「経営」という考え方への転換が求められた。

 また、福祉サービスは国及び公共団体の責務であるとされているが、それだけでは需要と供給のバランスが取れず、社会福祉法人はもとより、地方公共団体と民間事業者が共同出資して事業を運営する第3セクターやNPO、NGO法人などの組織も担い手として参入しているのが現在である。

 福祉サービスを提供する事業者は、市場原理に基づいて利用者のニーズをつかみ、それに応えることで一定の利益を追求しなければならないが、福祉ニーズに対する福祉サービスの在り様として重要なことは「憲法」と「社会福祉法」との兼合いである。

 福祉サービスの事業も「ヒト・モノ・カネ」で成り立っているが、憲法にある基本的人権の不可侵、個人として尊重される権利、健康で文化的な最低限度生活を営む権利、社会福祉法第3条(福祉サービスの基本理念)を福祉サービスの提供においても遵守することが絶対であって、営利企業を含む多様な事業主体の福祉サービス事業への参入がある中で、一般市場と同じような競争原理が過度に働いている傾向が部分的に懸念されているところである。

 社会福祉法第24条(経営の原則)「社会福祉法人は、社会福祉事業の主たる担い手としてふさわしい事業を確実、効果的かつ適正に行うため、自主的にその経営基盤の強化を図るとともに、その提供する福祉サービスの質の向上及び事業経営の透明性の確保を図らなければならない。」とあることによって、提供する福祉サービスの質の向上と経営の健全化を図るためには、顧客満足度を高めて利用者を増やして収益向上等による事業の拡充を図るべく、他の一般的な事業体が取り組んでいるマーケティングを福祉サービスにおいても実践することが要請されるものである。

2. マーケティングとしての4つのPおよび品質マネジメントとしての3つのP。

(1)4つのP

 マーケティング戦略の立案・実行プロセスの一つであるマーケティング・ミックスに関連するファクターであり、Product(製品)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(販売促進)の4つのPがある。

  • Product(製品)

 事業体としての利益の基となるものとして提供する商品・サービスであり、4Pの中でも重要なポイントである。

  • Price(価格)

 市場での商品・サービスの対価であり、市場のニーズや競合をリサーチしたうえで、事業として採算性の確保とユーザーが購入してくれる提供する商品・サービスの価値の妥当な適正価格の設定が重要である。

  • Place(流通)

 商品・サービスを市場に流通させるための流通経路や商品・サービスを提供する場所を指すもので、実存店舗であれば立地や形態によってユーザーが利用するにあたってのイメージアップや利便性の向上等が求められる。

  • Promotion(販売促進)

 市場において顧客ニーズの満足を満たす商品・サービスを開発しても、それをユーザーに存在を知ってもらわないと購入や利用につながらないので、ターゲット層に対して認知してもらうためのアクションが必要となる。

(2)3つのP

 サービスマネジメントを見直し、顧客分析をするために活用するファクターとして、People(人材)・Physical evidence(物的環境要素)・Process(サービス提供課程)の3つのPがある。

  • People(人材)

 サービスに関わる人を表しており、サービスを提供する側の従業員とサービスを受ける側の顧客指すもので、双方の満足度は深く関連することから従業員のみならず顧客に対してもマネジメントの視点を持つことが重要である。

  • Physical evidence(物的環境要素)

 サービス提供において使用するツールや内装・調度品等の物的な態勢であって、その充実は人的なサービスと相俟って顧客満足度の向上に大きく影響するものである。

  • Process(サービス提供課程)

 サービスを提供する流れを示すもので、より良い接客を行えるようPDCA(計画・実行・評価・改善)を回しながら、効率のアップや顧客満足度を向上させていく必要がある。

 

3. 福祉、医療、教育におけるサービスと有形製品のサービスとの大きな異同点を列挙し、その列挙した項目についての説明。

(1)Intangibility(無形性)

 車や電化製品のように物体として、目に見えたり、触ることができないため、具体的にどのような有益をもたらすのかが認識しづらい。作り置きや在庫を確保できないのが特徴である。言葉や文言による説明などの所謂「見える化」や魅力を高めるためのイメージの喚起や醸成が重要である。

(2)Heterogeneity(異質性)

 同じサービス内容でも提供する側のスキルやタイミングによって品質に差が生じることが多々あり、提供したサービスの結果や出来栄えの均一性が望みにくい「不確実性」がリスクとなるケースが出現する。

(3)Inseparability(生産と消費の同時性)

 サービスの提供と消費が同時になされるとういう特性があり、その場で提供されるものが多く、サービスのほとんどは「距離的問題」と「人員的問題」が同時に発生する。サービスの消費期間は、都度のタイミングであってユーザーが持つ印象によって評価が左右する。

(4)Perishability(消滅性)

 サービスは何らかの行為であるので提供と消費が同時に進行して行われると消滅する。サービスを保存して時間を改めた提供はできず、在庫が持てない点がサービス業のメリットでもあり、貯蔵ができない点がデメリットでもある。また、人によってしか供給できないケースは、供給する側のペースや都合に合わせて需要をコントロールしなければならない場面も出現する。

(5)プロフェッショナル・ヒューマンサービス

  • サービス評価の二面性

 顧客が知覚する品質(顧客満足)の重要であるという側面とサービスの提供者が専門職であることが必要との社会的なコンセンサスが形成されている側面との二面性に配慮して統合するマネジメントが要請される。

  • 顧客の変容性

 同一のサービスの提供であっても受ける側がそれぞれ個別に知覚し、サービス提供のプロセスが時間や状態の進行・変化を伴うことから、同一の顧客のニーズが変化したり顧客自身のニーズを感じる体況などの前提条件が変化するような顧客の変容性は大きな特徴である。

  • 期待の不明確性

 顧客が期待するサービスの品質は、到達点(例:病気ならば治療)は共有できても、プロセスにおけるニーズ(例:治療方法)は考え方や見識などによって不明確であって、サービス提供者側もどのようにすればよいのかの見通しが立てにくい。

(一般的なサービスのように全体としては顧客が知覚する品質にバラツキがあっても、個々人単位での期待する品質は明確であることと大きく異なる。)

  • 連続性

 サービス提供の期間が不明で往々にして長期にわたるため、同一のサービス提供者が提供期間満了までやり切るというシステムでは対応できず、サービス提供者の引き継ぎを伴うという連続性が多々出現する。(以上)

 

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著者

三原 義之

三原 義之

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肩書 *デイサービスの現役の介護職。介護福祉士。元大手金融機関/大手産業廃棄物処理会社の企画マン。働きながら学ぶ専門学校の学生。
党派・会派 無所属
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