2022/5/11
●高校の理数教育で「生命倫理」の学習機会模索の動きが広がっています。
●文部科学省は、2022年度から実施の高校の学習指導要領で理数科の探求型授業において「生命倫理」を学ぶ機会の検討を求めています。
●「安楽死」「尊厳死」「出生前診断」・・・高校生には『時期尚早』との先生方の声もあるようです。
●個人的な見解ですが、公民科「倫理」の分野ではなく理数科「理科」の分野で学ぶ、というところが不思議(少し不可解?)でして、正解の存在しない個々人が判断するテーマのように思うからです。
●「理科」ですから生物学的な学びで、どちらかと言えば「フィジカル面」の知識が先立ち、現実での判断は「メンタル面」が重く働きますので両分野を交えての基本的な知識を得るといった配慮がなされるべきではと・・・
●このような案件については、現実の議論においてコンセンサスを得られた死生観がないのですから、決められずに、敢えて曖昧に留めるといった日本人らしいこれまでの経緯は、それなりの妥当なもののように考えていて、世界のスターンダード(グローバル化?)に流れることは日本人には不向きのように思うのです。
(私は家族に対し「延命治療は不要である」と伝達していまして「何が何でも命(いのち)が大事」という議論は、どちらかと言うと苦手なタイプです。その時々の取り巻く環境によるケースバイケースでは?)
●高校から「安楽死」「尊厳死」「出生前診断」のようなことについて、心身両面バランスよく基礎的な事柄を学んで、主体的に自ら考えて、皆で議論して「探究」することは、大いに結構なことのように思います。
●大切なことは「正解はない」ということを知って、自らが「正解を決める」というプロセスが必要である、ということを感じることだと・・・
●生命倫理|Discovery|高校生と未来 進路マッチングサイト じぶんコンパス (gyakubiki.net)
●「生命倫理」を学ぶ背景。(上記のページからの抜粋です。)
『DNAの解明よって生命の本質が明らかになりつつある今、生物の細胞の中で治療に役立つ特定の物質を作ったり、1つの細胞から別の個体を生み出すなど、生物の遺伝子を直接操作する新技術が次々に開発されている。』
『こうした生命科学の目覚ましい進歩により、人間が長い歴史の中で培ってきた“生命を利用する技術”は、新たな段階に入ったといえる。』
『医療の現場でも、遺伝子によってかかりやすい病気を診断する技術や、遺伝子技術を応用した治療法が実用化されつつあり、改めて医療の「倫理性」を問う声が起きている。』
『高度な先端技術には、難病の克服や長寿の実現、不妊治療などの期待も大きいが、人間はどこまで生命を操作してよいのか、という難しい問題が突きつけられている。』
『生命と倫理の問題を研究するには「哲学」「心理学」系の学部に進学するのが一般的なコース。』
『「哲学」の分野には、人間存在とはなにか、生命の価値は普遍的か、人間にとっての正義をどのように実現するか、といった本質的なテーマを研究する「倫理学」という学問領域がある。』
『また、人間の心の働きを分析する「心理学」、人間の発達過程を研究する「教育学」からのアプローチも有効だ。』
『さらに、総合・学際系統には、人間そのものを総合的な視点で研究する学問として「人間科学」がある。』
『人間の心や身体のしくみをはじめ、人間が発展させた文化と歴史、人間社会における規範の問題など、多角的に人間を捉え、人間の本質的な問題に迫ることを目指す。』
『脳死による移植医療や臓器提供、病気の遺伝子治療、人工授精と精子バンクなど、倫理の観点から社会的議論になっている医療技術は数多い。』
『したがって、生命倫理についての深い見識を備え、生命に対する尊敬の念をもつことは、医師や看護師などの医療スタッフや福祉の仕事を目指す人にとっても、非常に重要な条件といえる。』
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