2022/5/6
●准看護師は医師・歯科医師、看護師の指示のもと、看護や診療の補助をおこなう医療の専門職です。
(准看護師は第二次世界大戦後の看護師の不足をカバーするため、学歴要件を中学校として創設されたものです。当時は高校へ進学する女性が少なく、高卒資格が必要な看護師は思うように増えなかったことに対応したものです。)
●看護師は国家試験の合格を経て厚生労働大臣から免許を受けますが、准看護師は都道府県試験の合格を経て都道府県知事から免許を受けます。
●日本看護協会の「看護業務基準」によりますと、看護師には「科学的根拠に基づき、看護を計画的に実践する基礎的能力」が、准看護師には「医師、歯科医師、又は看護師の指示のもとに、療養上の世話や診療の補助を、対象者の安楽を配慮し安全に実施することができる能力」が必要とされています。
(そのため「保健師助産師看護師法第6条」には、准看護師は自らの判断で業務をおこなえず、必ず医師・歯科医師、看護師の指示を受けなければならないと定められています。また、年齢や経験に関わらず准看護師から看護師へ指示を出すことはできません。)
●准看護師として働くには、各都道府県で実施される准看護師試験に合格して免許を取得することが必要です。
(准看護師試験を受験するには、高校卒業の場合は准看護師養成所で2年の課程、中学校卒業の場合は准看護師養成所で2年または高校の衛生看護科で3年の課程を修了する必要があります。)
●准看護師から看護師になるには、2年制の看護師養成所での課程を修了し、看護師国家試験に合格しなくてはなりません。
(ただし中学卒業後に准看護師になった人の場合、3年の実務経験が必要になります。また、通信制の看護師養成所の受験には、准看護師資格と7年の実務経験が必要。)
●准看護師には、看護師と比べて資格取得にかかる期間や費用などを抑えられるといったメリットがあり、半日制の養成所では働きながら、子育てをしながら学習できるなど、多様な働き方を目指す人などには適した資格です。(高齢者施設や在宅サービスでの需要が高く、慢性的な看護職員不足を補う貴重な存在でもあります。)
●これは余談です。(古い記事)
「そもそも戦後の看護婦不足の時代に、できるだけ短期間に最低限の看護技術を身につけて、医療現場の即戦力となるよう作られたのが准看護師です。国家資格である看護師に対して、准看護師は都道府県知事の認可であり、大きく異なります。」
「その成り立ちから、准看護師の制度をめぐっては、医師会と看護協会の根深い対立があり、一筋縄ではいきません。」
「廃止が“悲願”の日看協 国も一本化の方針」
「日本看護協会は、准看護師の廃止が“悲願”です。看護師の専門性の高まりや、地位向上のためには資格の統一が必要との立場で、2000年には廃止のための総決起集会を開いて200万人を超す署名を集めるなど、強気の姿勢をくずしません。」
「これに対して、大病院に看護師を奪われ、自力での確保が難しい中小病院や診療所では、現場の即戦力であり、かつ人件費も抑えられる准看護師がいなくなっては死活問題です。そのため、診療所や中小病院の開業医などが中心の医師会は、准看護師の廃止に根本から反対しているのです。」
※神奈川県では、2013年度をもって「准看護師の養成を停止」しています。
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ホーム>政党・政治家>三原 義之 (ミハラ ヨシユキ)>准看護師? 意外と知らない看護師との違い。准介護福祉士も将来に介護福祉士と棲み分けるのか?