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地方主要駅周辺の高層マンション、賛否両論!

2024/6/16

つい最近、国立市のマンションが富士山の景観を壊すということで、せっかく完成したマンションを積水ハウスが壊すこととなったというニュースが流れました。そんなことは最初から分かっているはずなのに、なぜ今になって! と誰もが思ったことででしょう。

 

さて、ここ数十年、私が全国の地方都市への出張のたびに、もの悲しく感じていたのは駅周辺の高層マンションの光景です。

東京に住んでいた私にとっては、ミニ東京が地方にたくさんできていくことは、せっかくの地方それぞれの個性が消えてしまい、

魅力が薄れてしまうと思えてなりませんでした。

 

とくに駅周辺の再開発が全体として行われず、部分部分で開発が進んでいくと、高層マンションの周辺には古びたビルや店舗が立ち並び、

緑も少ないとなると、「地方都市感が生じ、それが野暮ったさ」につながっていくのです。

 

ここにきて、どの地方都市も主要駅周辺がシャッター街となり、なかなか再開発にこぎつけないところも多くなっています。

 

やっとのこと再開発にこぎつけた場合、地権者にとっては面積に限りがあるため、容積率を上げ、上に高くすることで採算を合わせることとなります。それは致し方ないことだと思います。行政にとっても、「居住人口増加」「税収増加」「開発による経済効果」と短期的な効果を得られやすいのも確かです。

 

しかし、地権者の考えが至らないポイントをしっかりと考え、検討するのが行政の仕事です。

高層マンションのデメリットは下記の通りです。

 

・景観を損なう

・災害時の問題

・町全体のコミュニケーションの希薄化

・30年後の空洞化、廃墟化

 

国立市のケースは、景観を損なうことから撤去にいたったわけです。

 

さて、リスクも伴う高層マンションですが、地区によって建設を禁止したのが、神戸市と横浜市です。

神戸市は、2020年7月に主中心部・JR三ノ宮駅近くの22.6haで新たな住宅建設を禁止し、さらにJR神戸駅にかけての292haの市街地で容積率400%以上の住宅を規制しました。これにより、一般的に20階建て以上とされる高層マンション(タワーマンション)は、事実上新築できなくなりました。同じく横浜市でも2006年に規制がひかれ、高層マンション建設ができなくなりました。駅周辺に人口が増えたもののオフィスや商業施設で働く人は減ったとのことです。つまり、駅が近いタワマンには東京や他地域で働く人々が集り、まさに縦に長いベッドタウンができただけという結果だったことが要因です。

神戸市、横浜市とも、「駅周辺に商業やオフィス機能があるから人が集まり、周辺人口を支えている。住宅地化が進めば都市構造が崩れる」として規制を変えるつもりはないようです。

 

高層マンションの歴史はかれこれ20年から30年です。そのため老朽化してしまった高層マンションをどう処分していいのかは、誰にもわからないという先々のデメリットもあります。そもそも老朽化した高層マンショは、処分することを決定することもままならない可能性があります。住民が多いだけに建替えの合意形成は進まない、解体費も賄えないとなると、最終的には市が巨額の税金を投入して処分するしかありません。

 

神戸市は、「目先の人口増加というメリット」よりも、長い目でみたときの「タワマンがもたらすデメリット」の方が明らかにダメージは大きいと考えたのでしょう。それから4年が経過し、神戸市は人口が150万人をきったようですが、吉とでるか凶と出るかはもっと先になってみないとわかりません。

 

タワマン銀座と呼ばれる東京のベッドタウンの武蔵小杉。デベロッパーの担当者は売ることに必死だったといいますが、その後の未来の空洞化や高齢化、住む人の多様化などは行政が考えることだといいます。東日本大震災のときは、周囲の液状化で高層マンションから一歩も外に出られなかったという点でも高層マンションのデメリットが考えられます。

 

高層マンションで一旦は町が活性化した例は少なくありません。横須賀市の大滝町2丁目の例もそのひとつです。その街区の土地や建物の所有者などの地権者(権利者)で再開発を進めていった例です。2005年に始まった動きが2015年には竣工に至る。そこに住み続ける市民で動かした例でもあり、タワマン内外の企画やイベントもあり、活性化しているようです。9年前の竣工ですから、21年後にどうなっているのか注目したいところです。

 

どちらにしても、高層マンション云々ではなく、町としてどんな町を目指すのか。その中で高層マンションの役割りは何なのか。

 

安心安全なみんなが笑顔になる町、そういった形容詞ではなく、

デザインとして、どんな町を目指すのかを描いた上で再開発は進めていかないとテンデバラバラ、つぎはぎだらけの町が出来上がってしまいます。

 

今こそ、地方自治体のリーダー、まちづくりの担当者は、グランドデザインを描くこと!

それをしない地方自治はこれからの人口減少の時代、SDGsから逸脱した方向に進んでいってしまうというリスクを大いにはらんでいると言わざるを得ません。

 

ボケっとしていられない時代到来です!

 

 

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著者

からさわ りえ

からさわ りえ

選挙 大垣市議会議員選挙 (2023/04/23) [当選] 2,059 票
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