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「俺がいつ引退するって言ったか」by 吉田拓郎

2026/2/8

引退したっていいんたい。

 2022年末に自身の公式な立場として音楽活動から一線を退くことを発表していた吉田拓郎が復活する。2022年末には吉田拓郎が務めたラジオ番組も修了しておりメディアは挙って彼の引退を報道していた。2022年以降も単発的に音楽シーンには登場していたのだが、 2026年2月2日放送の「吉田拓郎のオールナイトニッポンPremium」に出演して7年ぶりのコンサート開催を発表した。コンサートのタイトルは 「TAKURO YOSHIDAスペシャルライブ・春だったね・2026」、東京と大阪の2公演限定ライブとなる。

 この発表を受けてマスコミ各社は「復活」だと報じたが当の本人はそれを否定している。復活ではなく単発的な音楽活動を行うだけだという意味で「復活」を否定しているのだと直感的に解釈したが彼に言わせるとそれは違った。吉田拓郎の言い分はこうだ。「引退という言葉を使っていない。現場からリタイヤすることは宣言したが音楽そのものをやめるつもりはないし、復活という表現自体を望んでいない」とのこと。実にややこしい。英語のリタイヤには引退や退職という意味が明確に含まれる。「いつ『引退します』って言ったか?僕はリタイアすると言っただけだ」という拓郎理論。「ええかげんな奴じぇけえ、ほっといてくれんさい」拓郎理論は意味不明であるが“唇をかみしめる”しかない。

 とはいえ、吉田拓郎の復活は大歓迎である。拙者が初めて行ったコンサートは拓郎とガロのジョイントコンサートだったし、ギターを始めたのも拓郎の影響だ。拓郎はあらゆる面で草分け的存在だ。単独のコンサートツアーの形態を確立したのも拓郎だし、夏フェスを初めて行ったのも拓郎、テレビ出演拒否も拓郎が元祖、アーティストが自前のレーベルを立ち上げたのも拓郎が最初、ニューミュージック系のCMソングを手掛けたのも拓郎が草分けだし、ミュージシャン系プロデューサーになったのも拓郎が先駆者だ。ミュージシャン系パーソナリティーも拓郎が最初だし、歌えてしゃべれるステージを展開したのも拓郎が最初。そんな拓郎の音楽を聞いて影響を受けたミュージシャンは多い。井上陽水、矢沢永吉、桑田佳祐、長渕剛、竹内まりあ、小田和正、氷室京介、奥田民生、佐野元春、松任谷由実、中島みゆき、福山雅治、桜井和寿、草野マサムネ、世良公則、坂崎幸之助ら錚々たるメンバーである。それだけ日本の音楽界において吉田拓郎の存在は偉大だということ。フォーク村から頭角を現し、キャンディーズから森進一、かまやつひろしからジャニーズまで幅広い歌手が拓郎ソングで成功を収めた。商業主義をがっちりリードしてCMやテレビと音楽を融合していった拓郎には生来のベンチャー気質が備わっていたのだろう。

 拓郎のライブは終活ライブにはならない。「外は白い雪の夜」「人生を語らず」「祭りのあと」「落陽」「流星」「リンゴ」は果たして聞けるのか。チケットは全席23000円と高額であるが価格以上の価値を見出せる人も多いだろう。

吉田拓郎 スペシャルLIVE 春だったね2026 特設サイト

https://takuroyoshida.net/


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坂本 雅彦

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