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田島 まいこ ブログ

新型コロナの特措法改正案の重要論点

2021/2/3

こんにちは、参議院議員・田島麻衣子です。

 

今朝は、参議院の委員会で「新型コロナウイルスに対応する特別措置法」などの改正案が審議されました。私も厚労委員の一人として審議に加わりました。

 

 

法案は、緊急事態宣言中に営業時間の時短要請に応じない事業者への罰則や、新型コロナの入院や保健所の調査を拒否した人に対する罰則を規定するため、あらゆる人に関係する非常に大事な法案審議です。

 

深夜にわたり銀座で豪遊した自民党の松本議員等の報道を潮目に、国会での罰則の議論は大きく変わりました。立憲民主党をはじめとする働きかけが功を奏して刑事罰は見送られ、全ての罰則は前科のつかない過料という行政罰のみに限られる事になりました。入院拒否患者に対する刑事罰は十分に検討されて加えられたものではなく、今回刑事罰の導入が見送られた事は大きく評価できるものと思います。

 

今朝、委員会で議論された主な論点をまとめます。

 

①審議の時間と情報は十分だったか

 

これには、私は強い問題意識を持っています。条文がはじめて野党議員に共有されたのは1月22日。それ以前の部会では政府担当者は出席せず概要だけが配られるだけなど、とても十分に議論できる環境にはありませんでした。

 

 

また1月15日に開かれた厚生労働省の審議会の専門家の意見は慎重論が多数だったにもかかわらず、その議事録が厚労省のホームページ上で公開されたのは、参院予算委員会の審議をあと一日に残した1月27日の夕刻です。

 

また入院拒否患者に対する刑事罰については、立法事実となる「入院を拒否した患者の数」を法案提出時に政府は把握していませんでした。

 

条文、立法事実、専門家の意見など、議論に必要な材料が十分に揃わない中で審議を急いだ点は否めません。

 

去年の5月25日に緊急事態宣言が解除されてから8ヶ月間もあったのですから、この間に法案の改正を議論する時間は十分にあったはずです。野党側は12月2日に改正案を出していますが、これを与党が取り上げることはありませんでした。

 

審議の時間は長ければ良いというものではありませんが、実質9日間というのはあまりに短い。重要な法案だからこそ、もったいないとおもいます。

 

② 時短営業をしているのに、客が店に居座った場合

 

上記の通り報道では、緊急事態宣言中の8時以降も銀座にいた政治家が問題になりましたが、8時で店を閉めようと思っても、客が居座ったらどうするのか。これはあり得るシナリオと思います。今日、福島みずほ議員が質疑で取り上げました。

 

政府の答弁は、「客が居座った場合、店側は時短に応じたものと考える」とのこと。

 

政治家などが店に長く居座っていたら、店側は「帰ってください」とはとても言いづらいでしょう。普通のお客さんでもそうです。しかし、それで時短に応じたものとして良いのか。新型コロナ感染防止に繋がるのか。これではいくらでも抜け道ができてしまいます。店に罰則をかける以上、客に対するなんらかの措置も必要と思います。

 

③店の事業規模に応じた時短営業の支援

 

そして店に罰則をかすならば、前提として十分な補償がなければならない。これは今日に限らず、先週の予算委員会でも多く取り上げられた論点です。

 

これに対する政府の答弁は「皆様の理解の得られるように取り組む」というものです。

 

先月個別に担当者と議論した際には、今のシステムでは技術的に無理なのでは、と答えていました。全国の店の売り上げや従業員数が一元化されたシステムは国に存在しないため、事業規模に応じた給付は不可能。これが今の政府の本音なのではないでしょうか。

 

今後、飲食店への支援をどのように公平に行うべきかは、デジタル庁の始動も含めて議論されるべき論点と思います。

 

④報道関係者が感染した場合の取材源の公表

 

今日の夕方に参議院を通過する今法案が可決した場合、新型コロナ陽性患者は、クラスター対策を行う保健所から「いつどこで誰と会っていたか」という質問に答えなければなりません。正当な理由なく答弁をしなかった、また虚偽の答弁をした場合には50万円以下の罰金となります。

 

これが報道関係者であった場合には、報道の自由と関連して憲法上の保護を受けることもある取材源の秘匿の自由との関係が問題になります。今日は元ジャーナリストである杉尾議員が取り上げました。

 

政府の答弁は「接触者、名前、連絡先、訪れた場所は(報告が)必要になる」「聞く側には守秘義務がある」「取材源の秘匿の自由と、感染の防止という公共の利益の中で考えられる」というもの。

 

具体的な運用の中で、乱用されないように注意する必要があると思います。

 

⑤まん延防止等重点措置の要件

 

ステージ3相当の状態をいうと西村大臣が答弁するまん延防止等重点措置ですが、この要件は「政令で定める」とあります。時短要請に応じなかった場合は過料が規定されており、国民の経済生活にも大きな影響を及ぼす可能性のある「まん延防止等重点措置」ですが、その発出要件は、数時間後には参議院を通過する今の段階になっても内容が明らかではありません。

 

国会による統制も十分ではないという指摘があり、やはり議論不足という感は否めません。

 

⑥正当な理由の説明

 

特措法の改正案には、多くの「正当な理由なく」という言葉が出てきます。

 

  • 時短要請に「正当な理由なく」応じない時は、命令
  • 積極的疫学調査について「正当な理由なく」答弁しない場合は、罰金
  • 医療関係者への協力要請に「正当な理由なく」応じなかった時は、勧告

 

などが例ですが、この「正当な理由」が何を意味するかは一部は国会で答弁されたものの、「今後ご説明していく」というだけで、今も不明な部分が多くあります。

 

このようにまだまだ多くの論点がある特措法。審議の時間が限られていた事は残念ですが、これからも改善について考え続け、運用面についてもしっかり委員会で確認して参ります。

 

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