小田原市議会の一般質問登壇日が５日の議会運営委員会が決まりますが、おそらく１５日です。

この時期は、まるで小説家になったような気持ちです。（作家さんには怒られるかも知れませんが）昨日もかなり夜遅くまで、そして今朝も早くから、ひたすらパソコンの画面と向かい合って、作文を続けています。締切間近ですね。

本日から、一般質問の予告編を連載で書いていきたいと思っております。

今日は農業政策についてブログに書き綴っております。

先日、「小田原市農業まつり」に参加させて頂きましたが、地産地消が広く紹介されており、皆様の収穫の喜びをおすそわけしていただくことも出来ました。

私の出した通告は

１　小田原市の農業政策について
（１）農家の疲弊の現状について
（２）地産地消とブランド化の現状について
（３）イオンタウン出店に伴う、本市の農業活性化の可能性について

です。

ポイントは（２）と（３）ですが、現状日本全体で農家の疲弊が言われて久しいですが、この現状を少しでも打開して、希望をきりひらいていかなければなりません。地方自治体の現場からもやれることはあります。

すこしでも未来に光を見いだせるような政策提案の場として参ります。

ポイントは、本市農作物のブランド化を推進して、高付加価値化し、また、市内の飲食店で提供したり、地産地消食堂を設けるなど、二次産業化、三次産業化によって、収益性を高めることです。イオンタウンによる販路拡大や、有機農業の振興にも触れたいと思います。

本日、ブログでは、私が、この３年半の中で、いろいろと聞き取ってきた実際の農家さんの声を紹介します。一律にすべての農家さんに当てはまることではないかも知れませんが、こういった声を聞いて、何とかしなければ、とずっと思っております。

ブログはリットリンクより、YOUTUBEもご愛顧ください。

【解説】9月一般質問解説第一回目！！動画をご視聴頂き、有難うございます。9月一般質問第一回目の解説はいかがでしたか？次週第二回目もどうぞお楽しみに。是非、ご感想のコメントもお待ちしております！〜小谷英次郎のプロフィール〜1981年1月4日、鳥取県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業大学卒業後世界一周の旅へ。帰国後は銀座のバーのマスターを経験...www.youtube.com

小谷英次郎 lit.link(リットリンク)小田原市議会議員　小谷英次郎のリンク集、立憲民主党小田原市政担当。早稲田大学政治経済学部卒。早稲田大学雄弁会出身。世界約160の国と地域を旅し、その後銀座のバーのマスターをつとめる。元神奈川県社会科高校教諭。小田原高校、神奈川工業、川崎工科。子ども達の笑顔あふれるまちをつくりたい。、SNS、Youtube、ブログ、商品、HPなど、いま見て欲しいリンクを、まと…lit.link

＜農家さんの声〜行政にしっかりと伝えました〜＞

・農産物の値段の決め方
農産物の値段は農家が決めていると思われがちだが実はそうではない。バイヤーやスーパーが値段を決めて農家には決定権がない。

・椎茸の原木の値上げ
１本220円が370円へ値上げされた。１度に1000本程度仕入れることがあるので単純計算でも15万円以上多くかかってしまう。このままでは、続けていかれない。
椎茸を使った加工品を販売もしている。茅ヶ崎や藤沢では利益をだせる値段で売れる。しかし、小田原では「高い」と言われてしまい、売れない。消費者教育が必要と思われる。

・儲からない農業の無限ループ　耕作放棄地
お茶・梅・みかん・米は、農協へ出しても利益には、ならない。キウイフルーツは少し良いが老木化していて先が短い。
儲からないので「自分の代で終わらせてしまおう」と耕作放棄地が増える。すると、イノシシなどが入り込みやすくなる。耕作放棄地を起こして何かを栽培しても儲からなし働く時間が増えるだけなので、やはり耕作を放棄するしかない。そうするとまた鳥獣被害がおこるので、それをガードする仕事が増える。
負のループが起きている。

・ネットショップの出現
ネットショップは、価格帯が同じ作物でも送料込みの値段である事が多く、個人経営の農家では送料を込みにすると利益が出ない。
とても戦えない。梱包材や梱包作業に時間をとられて、労働時間が増える。

・補助金の少なさ
栃木県上都賀が提携産地で勉強会に参加した。トマト・ニラ・イチゴに対しては、県と農協が協力して農家をバックアップしている。例えば7,000万円するハウスの建設費7割を補助金でまかなっている。神奈川県は、融資に対して無利子で貸し付ける程度。農家が衰退していくと一定量の作物が取れなくなり、農協も作物の量が減り過ぎると、選果施設を閉じさえねばならなくなり、農家は売り先がなくなってしまう。ひとたまりもない。

・お茶や米の価格の低迷
今までは、１番茶（５月頃）２番茶（7月頃）、ばん茶（夏以降）の３種類を出荷して来たが、今では１番茶しか買い取ってもらえない。それ以降のお茶は廃棄するしかない。

・小田原価格？
土を作り、種を蒔き、手入れをして売り物になるまでの手間等を考えると、小田原では思うような値段で売れない。
藤沢、鎌倉、恵比寿などに出すと、小田原価格の1.5倍や２倍の価格で売れる。消費者の価値観が違うと感じる。
しかし、遠くまで売りに行ったり、土日に開催される事の多いマルシェなどへの参加は、休日返上で働くしかなく、子どもとのコミニケーションもはかれず、ただただ疲弊していくだけになる。小田原の作物や加工品は、小田原で売りたい。

・リタイア組との価格の違い
サラリーマンを定年退職した方や、農家でも高齢になり趣味の延長で栽培する方が、低価格で卸してしまう問題もある。例えば朝どれファーミーなどで販売すると、趣味の範囲で栽培している方が、専業農家の価格の半分程度の値段で出されてしまう。
消費者は、安い方を選ぶので、手間暇かけて美味しいみかんを作っても手に取ってもらえない。

・定期的な販売会や農業祭の開催
毎年11月には２day march に合わせて「農業祭」は開催されてはいたが、コロナの影響で２年間行われていない。
例え月１であっても定期的に同じ場所で直販会のようなモノを開催したい。
この大根は○○さんが作った。このみかんは○○農園の○○さんがつくったというように、顔を覚えて頂けるようにつながっていきたい。

・販売先導者
小田原は、良いにつけ悪いにつけ色々な農産物が多すぎる。ゆえに農家の足並みが揃わない。
我々は作るのはプロだが、販売は素人だ！
例えば、朝ドレみたいな団体がトラックで売りに出てくれるとか、「こういう作物を連携して作って下さい」のように農家をまとめて先導してほしい。農家１人では、どうにもならない。

・ブランド化
キウイフルーツは県西地区が全国に先駆けて栽培を始めたのにブランド化出来なかった。
例えば「デコポン」は熊本県が登録商標をとっているので、小田原は「しらぬい」としか呼べない。
現状小田原でブランド化できているのは、「下中玉ねぎ」のみ。
行政と農協が力を合わせて、小田原産の農作物をブランド化して欲しい。

・小田原市の農政
小田原市の農政を考えた時に本当に農家の為に動いてくれているのか疑問。
生産緑地化にするにあたりの助成は、県が１/３市が１/３農家が１/３で行えるのに、市が予算がなくて出せないとなると、せっかく事業補助があるのに利用できない。
また、助成事業や補助の情報が取りにくい。
もっと農家の誰でもが分かる広報活動をして欲しい。

・次世代の農家と消費者
次世代の農業者へ生きがいのある農業の形を作っていきたい。そこには、消費者も巻き込んでの教育が必要。
農家が「自分でつくるより、スーパーで買う方が安いじゃん」では、魅力的な農業ではない。また、消費者も不揃いの野菜であっても何ら困らない。見た目より味や質を重視する意識を持って欲しい。
学校給食の芋ひとつとっても形や大きさにこだわっている。その方が調理員が楽だから。
若い人の中には、真っ直ぐなきゅうりでないと調理し難いという方もいる。
そのあたりの意識改革をしたい。

・オリーブ
耕作放棄地などの利用として、前市長からオリーブの苗に助成金がついたことがあった。多くの農家が取り組んだが、実がなった後のケアが無い内に市長が変わり、頓挫してしまった。加工を絶対に必要となる作物の栽培に弱気になっている。
良いアイデアが浮かんでも、このオリーブの経験から弱腰になっているのが現状だ。
JAに救済を求めても、市の政策だから手出しができないとの回答があった。

・農作物の工業化
カット野菜や皮を剥き真空パックされた産物が多品目うられるようになった。
もう、こうなると農家は戦えない。
また、過去に某スーパーチェーンでは、品揃えの多さを売りにして、地産地消のシステムを壊してしまった。それだけでなく農産物の規格化を行い、現状の「曲がったキュウリは仕入れない」という基盤を作ってしまった。

・レモンの活用
良質なレモンが取れるようになったが、それから先の道が見えにくい。できれば、加工品としてではなく収穫をした状態のレモンを販売したい。

・農家の最大の希望
徹底した地産地消を全ての農家は希望している。

・相続
代々農家で昔はみかん山を持つのがステイタスであったが、近年では耕作放棄地になりつつある。いらない山の為の相続には400万円がかかるので、市に買い上げを申し出たものの不可。足かせになっている。