2026/9/27
神戸市会議員・東灘区選出
【神戸市東灘区・コベカツ】
■コベカツを「五方よし」の仕組みに
「私はコベカツには入らない」夏休みに聞いた中学生の言葉から考えたこと
神戸市では、2026年9月から「KOBE◆KATSU(コベカツ)」が本格的にスタートしました。
これまで学校を中心に行われてきた部活動を、地域や民間事業者などとも連携しながら、子どもたちが多様な活動の中から自分の「やりたい」を選べる仕組みに変えていく取り組みです。
私自身、コベカツには大きな可能性を感じています。
一方で、制度を本当に子どもたちのためのものにしていくためには、実際に利用する子どもたちや保護者、学校現場から出ている声に丁寧に向き合うことが欠かせません。
今回の神戸市会9月議会の代表質疑では、東灘区の皆さまからいただいた声と、私自身の元小学校教頭としての経験を踏まえ、コベカツについて質問しました。

■「私はコベカツには入らない」夏休みに聞いた中学生の言葉
夏休み、ある中学生と話す機会がありました。
「9月からコベカツだね」
そう声をかけると、
「私はコベカツには入らない」
という返事が返ってきました。
そのときの、少し沈んだ表情がとても印象に残っています。
もちろん、コベカツに参加することだけが正解ではありません。一人ひとりに、それぞれの事情や考えがあります。
だからこそ、制度をつくる側が「参加してもらう」ことだけを考えるのではなく、子どもたちがどのような思いで選択しているのか、不安や戸惑いを抱えていないかに耳を傾けることが大切だと感じました。
■東灘区の保護者から多く聞いた「移動」への不安
今回、東灘区の保護者の皆さまから特に多く伺ったのが、活動場所までの「移動」に関する不安です。
コベカツでは、学校区や在籍校を越えて活動を選べるようになる一方、活動場所が自宅から遠くなるケースも考えられます。
「活動場所までの交通費はどうするのか」
「夜に自転車で移動することにならないか」
「暗い道の安全や防犯面は大丈夫なのか」
「雨や悪天候のときはどうするのか」
「公共交通機関が十分でない地域ではどうするのか」
こうした声です。
これは単なる交通費の問題ではありません。
子どもたちが安全に活動場所へ行き、安全に帰宅できるのか。
保護者が安心して送り出せるのか。
私は、コベカツにおける「移動」を、交通、防犯、安全、地域環境などを含めた総合的な課題として捉える必要があると考えています。
一部の中学校区では移動支援の実証的な取り組みも行われていますが、特定の地域だけの課題とせず、神戸市全体の課題として検討していくことを求めました。

■元教頭だからこそ気になる「学校とのつながり」
私がもう一つ強く気になっているのが、活動場所が学校の外へ広がったとき、子どもたちの変化を誰が、どのように見守るのかという点です。
私は以前、小学校の教頭を務めていました。
学校では、教室での様子だけでなく、休み時間や行事、日々のさまざまな場面を通じて、子どもたちの小さな変化に気づくことがあります。
「今日は少し元気がないな」
「いつもと様子が違うな」
そうした変化が、子どもからのSOSにつながることもあります。
これまで学校部活動は、教職員が子どもたちの様子を知る一つの機会でもありました。
コベカツによって活動の場が地域や民間団体などへ広がるからこそ、活動先と学校が必要な情報を適切に共有し、子どもたちの変化を支援につなげられる仕組みが重要です。
学校、地域、団体がそれぞれ孤立するのではなく、子どもたちを中心に連携する。
そんな見守りの仕組みをつくる必要があります。
■学校現場の負担も置き去りにしない
もう一つ、元教頭として気になっているのが学校現場の負担です。
学校には、教頭や事務職員など、いわゆる「一人職」の職員がいます。
気軽に同じ立場の職員へ相談することが難しく、さまざまな調整や細かな対応を一人で抱えてしまうこともあります。
コベカツにおいても、教頭が活動団体との連絡調整を担ったり、事務職員が備品管理や修繕などを担ったりすることで、学校現場に負担が集中することが懸念されます。
しかも、これはコベカツ開始時だけの問題ではありません。
学校施設や備品を継続的に使用するのであれば、長期的な管理や調整についても考えておく必要があります。
学校現場に新たな負担を積み上げるのではなく、業務を分散し、支える仕組みづくりを求めました。

■コベカツを「五方よし」の仕組みに
コベカツは、子どもたちの活動の選択肢を広げる大きな取り組みです。
だからこそ、子どもたちだけでなく、関わるすべての立場が安心して参加できる仕組みにしていくことが重要です。
今回の質疑では、コベカツを
「五方よし」の仕組み
にしていくことが不可欠だと申し上げました。
その「五方」とは、
子どもたち
保護者
地域
団体
学校現場
です。
子どもたちが自分の「やりたい」に出会い、安心して活動できること。
保護者が安心して子どもを送り出せること。
地域が無理なく子どもたちを支えられること。
活動を担う団体が継続的に活動できること。
そして、学校現場が過度な負担を抱えることなく、教職員が本来の役割を果たせること。
この五つが調和してこそ、コベカツは持続可能な取り組みになっていくと考えています。

■「まだ完成形ではない」からこそ、これからが大切
コベカツは、始まった時点ですべてが完成しているわけではありません。
先日の神戸市総合教育会議でも、福本教育長から「コベカツはいまだ完成形ではない。まだまだこれからだ」という趣旨の発言がありました。
また、久元市長からも、市長部局として応援できることがあれば声をかけてほしいという趣旨の発言がありました。
私は、この「これから」を大切にしたいと思います。
神戸市教育委員会だけで課題を抱えるのではなく、交通、防犯、地域など必要な分野とも連携し、神戸市全体で子どもたちを支える仕組みへと育てていくことが重要です。
「選べる」ということは、「誰もが選べる」ということであってほしい。
住んでいる場所や家庭の事情、交通手段の違いによって、子どもたちの可能性が狭まることがないようにする。
そして、子どもたちが安心して活動できることはもちろん、保護者、地域、団体、学校現場にとっても無理のない仕組みにする。
子どもたちはもちろんのこと、保護者、地域、団体、そして学校現場の誰もが安心・納得できる「五方よし」のコベカツとなるよう、安全面のフォローや部局横断的な支援を含め、これからも現場の声を神戸市政に届け、しっかりと取り組んでまいります。

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