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災害時の動画配信には字幕を!!聴覚障がいの方への合理的配慮【一般質問報告】20240701

2024/7/12

【障がいのある人への合理的配慮(合理的配慮の考え方、手話言語条例の必要性、災害時に情報発信する際の字幕や手話通訳者の設置等)】ついて議会にて質問しました。以下、発言内容を記述します。正確な文字おこしは後日市議会の会議録に掲載されます。

 

動画はこちらからご覧いただけます。春日井市議会 2024年7月1日 午後 (youtube.com)私の出番はこの動画の一番目です。

 

 

 

 

 

以下発言文章です↓↓

 

 

【質問者:金沢はるき】

 議長のお許しを頂きましたので通告に従い、「障がいのある人への合理的配慮について」を議題とし、質問いたします。

 令和6年4月1日から事業者による合理的配慮の提供が義務化されました。令和3年の障害者差別解消法の改正によるもので、行政機関等のみならず事業者による障がいのある人への合理的配慮の提供が努力義務から義務へ変更となりました。障がいのある人への障がいを理由とする「不当な差別的取り扱い」を禁止し、障がいのある人から申し出があった場合に「合理的配慮の提供」を求めること等を通じ、障がいのある人もない人も互いにその人らしさを認め合いながら、共に生きる「共生社会」を実現することを目的としています。この法律における「障がい者」とは障害者手帳を持っている人だけではなく、世の中にある様々なバリアによって日常生活や社会生活に相当な制限を受けている人全てを広く指しており、またこの法律でいう「事業者」とは営利・非営利、個人・法人、個人事業主やボランティア等、これも広く対象としており、その分野は、教育、医療、福祉、公共交通等に及ぶとされています。本法律の改正は事業者に対するものでありますが、改正に伴い、事業者の合理的配慮の提供を促す上で、市としてはどのような役割を担っているとお考えでしょうかお伺いいたします。

 そして、この合理的配慮について、既に春日井市でも多くの分野で取り組みがなされていることと承知をしておりますが、その中でも、私は、聴覚に障がいのある人への配慮について、特に「手話言語条例の制定」の必要性や、推進すべき多くの施策について、この場で質問をいたします。

 手話言語条例の詳細な内容については、以前に一般質問でも取り上げたことがあるので改めて申し述べませんが、手話言語条例の制定はいま多くの自治体で取り組みがなされています。令和6年5月14日現在、全国で536の自治体が「手話は日本語とは異なる独自の言語である」等とする条例を持ち、手話の普及を掲げています。歴史を遡ると、旧民法11条が1979年に改正されるまで、耳の聞こえない方々(聾者)に対する法的位置づけは大変な人権侵害ともいうべきものがあり、住宅ローンを組むことや家業を継ぐこと、運転免許を取得する等の際に多くの障壁があり、苦しい環境を強いられていました。令和6年5月26日の朝日新聞朝刊の天声人語には、学校において日本手話で教えてもらえなかったとして札幌聾学校の児童が賠償を求めた訴訟の判決があった、とあります。そんな中、聾者の権利保護のための活動や政策提言が世界各地で広がりを見せ、「手話は言語である」と定義した「障害者権利条約」が平成18年に国連総会にて全会一致で採択され、平成25年には障害者基本法の改正によって手話は言語であることが位置づけられ、障がい者の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得または利用のための手段についての選択の機会の拡充が図れらました。愛知県においては、「手話言語の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例」が平成28年に公布されており、その中では、県の責務、県民の役割、事業者の役割、学校等の設置者の取り組み、事業者に対する協力、財政上の措置、等について条文が整理され、それぞれ運用されています。犬山市においては、「犬山市手話言語の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用促進に関する条例」が令和6年4月1日から施行されました。国においては、障がい者による情報の取得利用・意思疎通に係る施策を総合的に推進し共生社会の実現に資するための、通称「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が制定されたところですあります。私自身、市内の当事者団体との方とお話する機会があり、そこで条例制定を含め様々お話をしたところ、今は市との連携がうまくいっており、今後もこの関係性を大事にしたい、そして条例の制定をゴールではなくスタートとして、春日井独自の春日井版の聴覚障がい者の方々への取り組みにつなげていってほしい、との話を聞いています。

 様々申し上げましたが、私は、手話言語条例の制定は必要であると考えます。条例の制定により、いまある施策をより深化させ、今後要望をいただく施策を迅速にかつ当事者団体や事業者と連携を取りながら推進するための大きな足がかりになると考えるからです。まずは、「手話言語条例の制定」の必要性について、市としてどのようにお考えか、ご所見を伺います。これが小項目(1)です。

 続きまして小項目(2)について、少し具体的なこととなりますが、いくつか質問いたします。春日井市における当事者団体さんと市とのやり取りの成果として、多くの事が実現できていると聞いております。例えば、市内コンビニにおけるコミュニケーションボードの設置の協力や、選挙におけるコミュニケーションボードの設置、また電話を使えない方もみえることから、できる限り市の案内等にFAX番号を記載し運用すること、そしてコロナ禍における体温計の利用時に振動で計測を伝えることのできる振動体温計を身障日常生活用具としての申請可能品目に追加すること、等であります。様々な取り組みを通じ、春日井市がいかにこれまで当事者の方々との緊密な連携が取れていたかということがうかがい知れるわけでありますが、時代の変化とともに要望も多種多様となってきており、私からも、これは必要ではないかと思うものをいくつか列挙したいと思います。まず第一に考えなければいけないと感じますのは、災害時における情報発信の際の字幕、そして手話通訳者の存在であります。コロナ禍で前市長が動画にて市民へ呼びかけを行うことがありましたが、その際も私は手話通訳者の設置を強く訴えました。耳で情報を取得できない方々にとっては、動画に移る字幕もしくは手話通訳者の存在は大変重要です。災害時の情報発信における字幕もしくは手話通訳者の設置については強く申し上げたいものの一つであります。字幕の表示については、アイドラゴンという機械もあるようでございます。また、既に運用がなされている電話リレーサービスについては、まだまだ周知がされていないように感じます。こちらは大変に優れている制度なのでより強力な周知をすべきと思います。そして、平成25年に義務化された「避難行動要支援者名簿の作成」及び令和3年に努力義務化された「個別避難計画の作成」において、支援者が訪問したり窓口対応する際に、耳の聞こえないまたは聞こえにくい方々にあったコミュニケーション手段をとることが必要と考えますが、ここはどのようなお考えでしょうか。それぞれお伺いし、壇上からの質問といたします。

 

【回答者:健康福祉部長】

 合理的配慮の提供につきましては、障害者差別解消法が改正され、本年4月からは事業者にも義務化されたことから、障がいのある人が様々な場面において、不当な差別的取扱いを受けることがないように、より一層の啓発活動を行うことが非常に大切であると考えております。

 今後も、市内の事業者の方への説明会を実施するなど、様々な機会を通じて障がいのある人に対し、日常生活や社会生活全般において必要かつ合理的な配慮が図られるように促してまいります。

 手話言語条例につきましては、愛知県において平成28年に制定されていることから、現在のところ同様の条例を制定する考えはございません。しかしながら、手話言語の理解を促進し、多様な手段による意思疎通の円滑化を図ることは、障がいのある人もない人も互いに認め合いながら、共に生きる「地域共生社会」を実現するためにも非常に重要であると考えております。今後も、障がいのある人や障がい者関係団体の意見をお伺いしながら、他自治体の先進的な取組など、必要な調査研究を行ってまいります。

 災害時の情報伝達についてでございますが、まず、市公式ユーチューブ・チャンネルでの動画配信による情報発信においては、急遽、手話通訳者を確保することが難しいと想定されるため、字幕表示での対応を検討してまいります。

 次に、電話リレーサービスにつきましては、耳が聞こえない人と聞こえる人の会話を、通訳オペレータが「手話」などにより、即時に双方向につながることを可能とするもので、防災対策としても非常に有効であることから、普段から利活用の促進を図ることで、いざという時にも役立つように周知啓発に努めてまいります。

 また、障がいのある人の個別避難計画の作成にあたりましては、個々の障がい特性に配慮が必要なことから、介護支援専門員や地域包括支援センターなどにご協力をいただき、できる限り円滑なコミュニケーションが図られるように努めてまいります。

 

【質問者:金沢はるき】

 ご回答ありがとうございました。合理的配慮の考え方、手話言語条例の必要性、そして災害時の情報伝達に関して、これは動画配信の際は字幕の表示の対応を検討していただけること、また電話リレーサービスの周知と個別避難計画に関するきめ細やかな対応等、それぞれお答えいただきました。

 最近、多くの駅において無人化の動きがあります。春日井市では市議会建設委員会として駅舎の無人化が予定されているところの有人化を求めていることと思いますが、無人化は聴覚障がいのある方にとっては利用が大変しにくくなり、インターフォンでの問い合わせなどが利用できない場合があります。各鉄道関係者に求める要望の中に、聴覚障がいのある方々への配慮のための取り組みをするよう文言を追加いただきたく思います。事業者への合理的配慮の義務化については、市内のコンビニだけでなく、民間の病院や薬局、スーパー等にも積極的な配慮の呼びかけが必要であります。近年では外国人の方の就労も増えており、日本人同士でもコミュニケーションが困難な場合がある上に外国人の方相手だとその難易度はさらに上がってしまいます。こちらも対応を望みます。

 障害者権利条約の基本理念である障がいの「社会モデル」という考え方があります。これは、障がいのある人が日常生活または社会生活で受ける様々な「制限」は、障がいのある人ご自身のはたらきの障がいのみが原因なのではなく、社会の側に様々な障壁(バリア)があることによって生じるもの、という考え方です。共生社会の実現には、この障壁を取り除く必要があります。階段しかないから2階に上がれないという場合を考えますと、車いすの方が2階に上がることのができるよう社会の側が、建設的な対話を通じ歩み寄ることが大切であります。例えばその解決策がエレベータかもしれません。通行しにくい道路があるならば通行しやすいように変え、利用しにくい制度があるならば利用しやすいように社会の側が変わらなければいけない、これが障がい者福祉を考える上で大変基本的な理念であります。

 本当の意味での共生社会実現のために、春日井市の、合理的配慮の先進的な運用、そして聴覚障がいのある人への手話言語条例制定を含めた様々な施策の実施に大きな期待を持ちまして、質問を終わりたいと思います。

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著者

金沢 はるき

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