2023/10/14
【9月定例会一般質問を終えて】
その②〜放課後児童クラブは「質向上」と「待機児童対策」両輪の推進を〜
9月定例会において、
■宝塚第一小学校の過大規模校解消に向けた取り組み
■放課後児童クラブの安全対策と待機児童問題
について一般質問を行いました。
先日の更新に引き続き、
放課後児童クラブの安全対策と待機児童問題について、一般質問で取り上げた内容と私の考えを綴りたいと思います。
今回の質問のきっかけになったのは、宝塚市の公立の放課後児童クラブで働く職員さんからいただいた「短期間の離職が多い」というお声でした。
宝塚市の公立の放課後児童クラブには、計70名の支援員さんが所属していますが、ここ5年間で全体の40%にあたる28名の方が離職をしています。
そして、今年は年度途中で既に4名の方が離職しています。
児童と関わる代表格のお仕事、教員の離職率が年1%程度であることを考えると決して低いとは言えない離職者数だと思います。
(支援員さんの他に補助員さんもいますが、夏休み期間中限定の雇用であったり、勤務時間もバラバラで離職者率の集計ができないと言われました)。
内閣府の資料に、放課後児童クラブでの事故発生の要因の一つに「不慣れな職員が対応する場面があった」とあげられています。
公立の放課後児童クラブの職員さんは市の職員さんなので、ある程度の期間で異動をしていまうことは仕方ありませんし、属人的な仕事の仕方はすべきではありませんが、放課後の居場所で支援員さんと子どもたちが継続した関係性を築くことができているかは、子どもたちの安心安全に繋がります。
年度途中で離職してしまう、お仕事を覚えて児童と関係を築く前に辞めてしまうような環境要因があるのならば、見直しが必要だと思います。
では、全体の1/4の子どもが利用する民間放課後児童クラブはどのような状況でしょうか?
基本的に市は民間放課後児童クラブの職員さんがどのような働き方をして、そこで子どもたちがどう過ごしているかを把握していません。
民間に任せているのだからそれが当たり前では?と思われるかもしれませんが、児童福祉法や社会福祉法、子ども・子育て支援法で民間の放課後児童クラブであっても事業責任は自治体にあることは明白です。
市の担当部局から、安全対策として今年度より作成が義務付けられた放課後児童クラブの安全計画の提出を民間に対しても呼びかけることで対応したい旨の答えが質問中にありましたが、紙の計画を把握するだけで、現場を見ずして、児童の安全は本当に守れるのでしょうか?
公立民間問わず、子どもたちが放課後を安全に過ごすことができるように、保護者さんが安心してお任せできるように実態把握に努め、時には現場を視察し、平時から相談や助言などできる関係性を築き「質の向上」を図っていっていただきたいと思います。
続いて、両輪の一方「待機児童対策」について。
市は平成25年に各小学校80人は学校内に公立の放課後児童クラブを整備し、80人の定員以上は、学校外に民間放課後児童クラブを整備することで待機児童対策を進めていく方針を決めました。
添付のグラフを見ていただくと分かる通り、この10年で放課後児童クラブ全体の利用者数は右肩上がりで増加しています。
平成25年以降、民間の施設整備を推進してきましたが、放課後児童クラブを利用したいニーズの増加には追いつかず、この10年間の累計待機児童は1244人にのぼります。
今回のことで改めて集計して、私も驚きました。
宝塚市に限らず、今後、中長期的には子どもの数は減少していくことは明らかで、地区によっては既にピークが見えている学校もあります。
学校外で用地を確保して、運営をしていただける事業者を探して、民間の放課後児童クラブを作るよりも、80人までという枠に捉われず、学校施設を工夫して使用し、あらゆる手段で待機児童対策をすべきだ!と強く要望しました。
これは数年前から機会があれば繰り返し言い続けていることで、担当部局からしたらうんざりかもしれませんが、粘りに免じて一考いただきたいと本気で思ってます。
というのも、将来的に子どもの数の減少とともに施設を閉じていく作業が待っているからです。
放課後児童クラブは行き帰りの安全面から学校内の公立を選択される保護者さんが圧倒的に多いですが、市は民間の事業者さんに施設整備や運営をお願いして取り組んでいただいている状況です(事業者さん側の儲けはほとんどないと聞いたこともあります)。
施設を閉じていくフェーズに転じたときに、人気の高い公立を閉じ民間を残すというニーズとは逆の方向に進んでしまわないかという懸念があるのです。
例えば、学校外に整備した民間施設は需要の減少とともに事業者さんが閉じていくか判断するとしても優先して学校内の放課後児童クラブを残し、運営は公立から民間に移すということも選択肢の一つだと思います。
前回投稿した学校の将来を考えていくために精緻な児童数推計が必要だという話は、放課後児童クラブに関しても繋がっていて、精度の高い推計をもとに放課後の子どもの居場所をどのような形で確保していくのか将来構想を既にイメージしておかなければいけないと私は考えています。
今回、同じ維新会派と他会派の議員さんが放課後児童クラブで長期休み期間中の配食を実施できないかと一般質問で取り上げられていました。
子ども家庭庁も地域の実情に合わせて取り組んでいくように言っていますし、私も保護者さんの負担を考えれば是非進めていってほしいと思っています。
配食や私が取り上げた安全を担保する「質の向上」と「待機児童対策」をどちらか一方ではなく、両輪の取り組みを進めていただきたいと願っています。
以上、2つの投稿にわたって、9月定例会の一般質問で取り上げた内容をご紹介させていただきました。
これらの問題に関しては、継続して市の取り組み状況をチェックし、地域や子どもたち保護者さんにとって一番良い形で帰着するように力を尽くしていきます。
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