かいでん 和弘 ブログ

小学生に朝の居場所が欲しい!

2024/2/25

 

こんにちは。30歳の目黒区議会議員、かいでん和弘です。

今回のブログは、「登校時間までの間、家に保護者がいない小学生はどこにいればいいの?」という問題についてです。

 
 

小1の壁

 

よく、子どもが小学校に上がると、保護者の仕事と子育ての両立が難しくなってしまうことを「小1の壁」と言ったりします。

 

 

目黒区でも、小学校進学のタイミングで、子どもを取り巻く各種政策の担当部署が「目黒区子育て支援部」から「目黒区教育委員会」に移ることが多いのですが、その際に“制度の連続性”があまり考慮されていない(縦割り行政)ので、家庭に新たな負担がかかってしまうことがあります。

 

その一例が、保育園と学校とで子どもが登校(登園)できる時間が違うという問題です。下図の通り、目黒区の認可保育園は朝7時15分から開所されていますが、年齢がひとつ上がって小学校に入ると、8時台まで登校することができません。

 

 

そのため、保護者が早朝に出勤しなければならない場合、保護者の外出後に小学1年生のお子さんが一人でカギを閉めて出かけるか、もしくはお子さんが保護者と一緒の時間に出て、登校時間までどこかで待機していてもらうほかなく、どちらも防犯上のリスクがあります。

 

学校の対応はバラバラ

 

実際、小学1年生が一人でカギ閉めするのはかなり不安でしょうから、保護者と一緒の早い時間に出るのが現実的です。ではそうした子たちは、登校時間までどこで待っているのでしょうか。これについては、学校によってかなりばらつきがあるようです。

 

校門が開く時間は、大部分の小学校が7時半以降となっていますが、なかには6時30分から開く学校や、7時に開く学校もそれぞれ数校あります。一方、2校では登校時間(=8時)までは敷地内に入ることができないルールになっており、正門の前では毎日、子どもたち10~20人が待機しているといいます。

 

 

また、登校時間前に校門の中に入れたとしても、そのあとの待機場所については違いがあります。多いのは昇降口前(屋外)、昇降口内(屋内)、校庭(屋外)の3パターンですが、なかには教室に入れる学校や、校庭で遊んで待つことができる学校もあるとのことです。

 

いくら元気な小学生だとはいえ、天候が悪い日にも屋外で待っているのは辛いことでしょう。なんとか、大人の見守りのもとで校舎内で過ごせる仕組みづくりを考えたいものです。

 

ただし、教職員の離職が相次ぐなか、先生方の働き方改革もまた急務ですから、私も「勤務時間前であっても学校の子どもなんだから先生が面倒を見るべきだ!」などと主張する気は全くありません。となると手は一つ。先生以外の大人が見守る仕組みしかありません。

 

(「大人は誰もいないけど、適当に昇降口のところで待っていてね」というのができればいいんですけどね。事故時に責任が問われるリスクを考えると、人員配置が必要になります。)

 

他自治体での実践

 

他の自治体では、シルバー人材センターに委託して実施している横浜市や三鷹市、学童を運営している事業者に委託している神奈川県大磯町、こども教室の委託団体である地域ボランティアに委託している八王子市など、様々な方法により朝の居場所を作り出しています。

大磯町HP「朝の子どもの居場所づくり事業」

 

その他、PTAや地域のボランティアの方に見守りをお願いしている自治体もありますが、朝の忙しい時間にご協力いただける方は限られるため、「朝の居場所は週に数日間だけです」という制限があったりします。それでは結局、意味がないですよね。

 

以上の事から私は、「放課後のランランひろばのように、事業者に委託するのが最も現実的」と考え、議会で朝の子どもの居場所づくりを提案しました。

 

区の回答は“調査研究”

 

私の提案に対する区の回答は次の通りです(ポイントを箇条書き)。

 

① 現在のところ、登校時間前の児童の居場所づくりについて、保護者からの要望は把握している限り寄せられていない。

② 朝の時間帯ということもあり、日々の地域の有償ボランティアや委託事業者による人員を確保することは難しい面があり、安定した運営を行っていくためには課題がある。

➂ また、登校時間前に学校に向かうということは、スクールゾーンの規制時間帯前の登校となることから、児童の通学時の安全確保のための一層の工夫も求められる。

④ そのほか、開放するのは校庭だけにするのか、体育館や特別教室など校舎内も活用するのかといった管理面での課題もある。

⑤ 教育委員会としては、区長部局と連携して子育て世帯のニーズや要望の把握に努めるとともに、他自治体の取り組み事例も参考にしながら、調査研究を進めてまいりたい。

 

結論としてはお役所言葉で「調査研究」、すなわち実施するかどうか未定で、できたとしても時間を要するというニュアンスの回答です。

 

かいでんの感想

 

① 保護者からの要望はない?

私は保護者の方から、「朝の居場所がほしい」というご意見を複数頂いていますし、実際に校門の前に数十人のお子さんが待っている学校もあるので絶対にニーズはあるはずですが、どうやらその声は区には寄せられたことがないようです。もしこの問題で困っている方がいらっしゃれば、援護射撃?の意味も込めて区役所へ直接ご要望いただけると嬉しいです(下のリンクは区に要望する正式なルート)。

 

目黒区HP「区長へのメール(区政へのご意見・ご要望・ご提案)」

 

② 誰が面倒を見る?

確かに朝の時間は人手が集まりにくいことが予想されますが、まだ事業者委託の方が、ボランティアよりも実現可能性が高いと思います。たとえ朝が辛かろうとも、善意の「協力」ではなく責任を伴う「仕事」になりますからね。

 

➂ 通学路の安全対策

スクールゾーンの規制時間帯前の登校を心配されていますが、現時点ですでに、時間帯前に多くの子どもが学校へ向かい、校門の前で数十人が待っているわけですから、朝の居場所を確保するか否かに関係なく検討すべき問題です。逆にこの課題を持ち出して「朝の居場所」に後ろ向きになるというのはちょっと違うと思います。

 

④ どこを開放する?

晴れの日は校庭、雨の日は校舎内のどこか(体育館や図書室など)を居場所とする運用がベストだと思います。これは“課題”なのでしょうか……?

 

結論としてまずはニーズや要望の把握に努めるとのことなので、私も実現までプッシュを続けようと思います。そしてそれと同時に、皆さんにお伝えしたいのは、“困ったことがあれば声を上げてみましょう”ということです。どれだけ困っていてもそれが区役所に届かなければ、解消することはありません。

 

そして議員への相談はその手段の一つです。私も皆さんから頂いたご意見は、逐一議会で代弁させていただいております。窓口は、メール(kazukaiden@gmail.com)、公式LINE、X、HPの問い合わせフォームなど、あらゆる方法で24時間365日、区政に関するご相談をお受けしておりますのでぜひ!

 

相談の仕方が分からないという方はこちらの動画をご覧ください。

 

この件に限らず、少しでも困っていることや区政へのアイデアなどありましたら、お気軽にお寄せくださいね!

 

《区政の最新情報はこちらから!》

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著者

かいでん 和弘

かいでん 和弘

肩書 めぐろの未来をつくる会(7人の第二会派)幹事長
党派・会派 無所属

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