2025/3/26
こんにちは、東京都議会議員の龍円あいりです。今回は、2025年2月27日の東京都議会における一般質問で取り上げた「インターナショナルスクール支援」についてお伝えいたします。
私が都議会でインターナショナルスクールへの支援を提案をするようになったのは、東京都の経済政策でもある「スタートアップ支援」に関する文脈から来ています。東京都は、スタートアップ国際金融都市戦略室を設けて、2022年に東京はスタートアップ戦略「Global Innovation with STARTUPS」を発表しました!
スタートアップが経済の変革と成長を牽引しているというのが世界の潮流です。日本(東京)は「失われた30年」と言われるように、競争力が低下した日本では閉塞感が漂ってきました。その上さらにスタートアップへの支援が十分ではないことから世界から遅れを取っている状況です。そこで、東京都において戦略的にスタートアップのエコシステムを構築し、支援を強化していくことがとても重要だとして、東京都での動きが加速しています。詳しくはリンクへ↓
東京都の新たなスタートアップ戦略「Gobal Innovation with STARTUPS」スタートアップ国際金融都市戦略室
スタートアップ企業が日本で最も多いのが、私の地元の渋谷区なのです。渋谷区では、スタートアップを支援する様々な事業を展開中です。渋谷区と東京都が連携しながら、スタートアップ支援のアクセルを踏んでいく必要があると考えて、取り組んできました。
スタートアップの成長支援をする「UP by Shibuya Startup Support」
スタートアップのビザや銀行口座解説などの支援をするShibuya Startup Support
産官連携でスタートアップ育成支援をするShibuya Startup Deck
そんな中、海外在住で超大手ファンドにいる友人が来日した際に、東京都のスタートアップ支援についてヒアリングをすることがありました。友人は、ヨーロッパ、ドバイやアラブといった中東、アメリカなど、世界中をスタートアップの現場を一年中回っているのですが、「アジアの拠点を"東京"にしたいというスタートアップや投資家は多い」というのです。東京がいいという理由は、意外にも、日本料理が好き、漫画が好き、カルチャーが好き、日本の街が好きというような「この街が好き」というような理由のことが多いとのことでした。そこで、実際に東京を選んでいただくために、スタートアップや投資家から選んでいただけるような体制を整えるための有益なアドバイスを多くいただくことができました。
その友人が「スタートアップ支援とは直接は関係ないんだけど」と言いながらも切り出したのが、かなり直接関係しているんじゃないだろうかという「子どもの教育」についてのお話だったのです。
海外からのスタートアップや投資家の方々は働き盛りで、子育て世代でもあることから、教育熱心でもあることが多いのだそうです!お子さんには世界の有名大学へ進学をさせたいと考えていることも多いのだそうです。
東京には住みたいものの、都心部に求めるような教育環境が十分にないことに課題があるということなのでした。子供の教育のことがネックになって、東京には暮らせないと考えてしまうという話は、「そりゃそうだ!」と納得しました。
しかし、現状の日本の教育制度では、インターナショナルスクールは「学校教育法」の枠外にあり、東京都の教育委員会の所管でもなく、私立学校としても認められていませんので、公的支援がほとんどない状況に置かれています。立ち位置的には、フリースクールに近い立場であり、地元の公立学校に籍を置いた上で、インターナショナルスクールに通う児童・生徒も多いのが実情です。各インターナショナルスクールが、それぞれ独自に努力をして学校運営をしているということになります。
東京都は、不登校の児童生徒への対策の一環として「フリースクール」への支援を始めています!インターナショナルスクールにおいても「不登校対策としての支援もする」という立場にあれば、こちらの補助の対象になります。
東京では不登校の児童生徒が急激に増えていることもあり、フリースクールへのニーズは高まっていて、こういった補助を受けて数も増えつつあります。
しかしこれらの支援が、高度外国人材が期待しておられるインターナショナルスクールを誘致したり、拡充したりするほどの支援には至っていません。そして、そもそもインターナショナルスクールは不登校のお子さんの「他の学びの場」としての役割を担っているわけではないこともあり、別の考え方で政策を進める必要があると考えました。
そこで、東京都においてスタートアップ支援をしている「スタートアップ国際金融都市戦略室」と意見交換をさせていただいたところ、非常にこの重要性について理解してくださり、前向きに取り組みを進めてくださっています。
2025年2月27日の都議会本会議の一般質問で、2024年度と2025年度の取り組みについて質問したので、よかったらご覧ください。動画アーカイブはYouTube、音声だとVoicy、文面だとこのあと続きます。
さて昨年の予特でも触れましたが、東京都からグローバルなイノベーションを生み出すためには、海外からスタートアップや投資家といった高度人材や企業を呼び込むことも必要です。アジアには様々な都市があり、その中で東京が拠点として選ばれるためには、ビジネス環境だけではなく、高度外国人材の方々にとって暮らしやすい環境の整備も必要です。こういう人材は、働き盛りであり、同時に子育てをしていることも多いことから、都心部に世界トップクラスの大学に進学できるようなインターナショナルスクールが十分にないことが課題になっていることをお伝えさせていただきました。都からは、今年度は「インターナショナルスクールの誘致・拡充に向けた課題を調査する」との答弁をいただいておりました。
Q.海外のスタートアップや投資家から、アジアの拠点として「東京」が選ばれるために、外国人の家族のために必要な教育環境づくりとして、インターナショナルスクールの誘致・拡充について、令和7年度は、どのような取組を行うのかお伺いします。
高度外国人材を呼び込む教育環境の充実に向け、都は今年度(2024年度)、学校へのヒアリングや関係者によるラウンドテーブル等を通じて、インターナショナルスクール整備や子供達の学習・生活面での諸課題を把握・共有。来年度(2025年度)は、これらの課題を踏まえ、都内進出を検討する学校に対し、適地に関する情報提供や行政手続の支援、事業計画策定などへの伴走支援を実施。また、既設の学校情報について、各国大使館の協力を得ながら効果的に発信するほか、地域の区市と連携した交流イベントの実施等を通じて、生活・教育環境の魅力を高める取組を推進していく。
今回の答弁では、いよいよ2025年度は、東京都に開校したいインターナショナルスクールに対しては、「場所」に関してのアドバイスや、「行政手続き」や「事業計画」などについて伴奏しながら支援をしていくことが示されました。また、日本に来られる外国人に対してインターナショナルスクールに関する情報をするために大使館などと協力して発信していくことも示されました。そして重要だと思うのが、地元の区市と連携したイベントを開催するということです!インターナショナルスクールと、地元の自治体との関係性が気薄なこともあり、これを機に情報交換や相互交流などが進むことも期待したいと考えています。
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