2026/3/7
先日、福島県選挙区選出の参議院議員である森まさこ元法相が郡山市を訪れ、土地家屋調査士会の会合で祝辞を述べたという話を聞きました。
しかし正直なところ、一般の市民から見れば
「土地家屋調査士会の会合で政治家が祝辞を述べて何をしているのか」
という疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、土地家屋調査士という職業の役割と、日本全体、そして福島県特有の土地問題について整理してみたいと思います。
土地家屋調査士とは、
土地の境界を調査する
測量を行う
建物や土地の「表示登記」を行う
といった業務を担う国家資格です。
制度は 土地家屋調査士法によって定められており、主に不動産の「物理的な状態」を登記に反映させる専門家です。

一方で、登記制度そのものは法務省が管轄しています。
つまり土地家屋調査士は、
の三つが交差する場所にいる職業なのです。
また、土地家屋調査士は土地の境界(筆界)を明確にする専門家として、国民の財産権を守る重要な役割を担っています。(日本土地家屋調査士会連合会)
土地家屋調査士の業界が国政に求めている大きな課題は、主に次の三つです。
日本では
という事情により、
所有者がわからない土地が大量に存在しています。
これは
の大きな障害になっています。
この問題を解決するため、2024年から相続登記義務化が始まりました。

しかし、登記制度の整備だけでは問題は完全には解決していません。
もう一つの大きな問題は
土地境界が曖昧な土地が多いこと
です。
欧米では土地境界がかなり正確に整備されていますが、日本では
がそのまま使われている地域も多いのです。
このため
が発生します。
大規模災害が起きると、
ということが起きます。
例えば、
能登半島地震では、土地境界の確認や登記の支援活動に土地家屋調査士が関わっています。
福島県には、全国とは少し違う特殊な事情があります。
2011年の
福島第一原子力発電所事故
によって、
が広範囲に発生しました。
その結果、
という問題が起きています。
これはまさに所有者不明土地の温床です。
福島県は
が多い地域です。
農地や山林では
というケースが多く、境界確定が非常に難しい場合があります。
福島県は災害復旧では、
の境界を確定しなければ工事が進みませんでした。ここでも土地家屋調査士の役割が重要になります。
土地家屋調査士会の会合に政治家が出席する理由は、
実はかなり単純です。
業界団体は
などを国に求めています。
つまり業界と政治の関係です。
土地家屋調査士の業界には政治団体として全国土地家屋調査士政治連盟も存在します。
そのため政治家が会合で祝辞を述べるのは、いわば「政治活動の一環」と言えるでしょう。
しかし本来、議論されるべきなのは
といった、日本の根本的な土地政策です。
地方では「土地はあるが、誰のものかわからない」という状況が増えています。
これは地方衰退の大きな原因にもなりつつあります。
土地家屋調査士の問題は、一見すると専門家の世界の話に見えます。
しかし実際には
といった、日本社会の根幹に関わる問題です。
政治家が会合で祝辞を述べるだけではなく、
日本の土地制度そのものをどうするのか
という議論が必要ではないでしょうか。
実はこのテーマにはさらに大きな問題があります。
「日本は先進国なのに土地境界が不明な国」
という問題です。
これは政治・行政の歴史と深く関係しています。
これは次回以降に書きたいと思います。
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