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珠洲市174億円のインフラ復旧予算 ― 復興の土台となる公共土木施設の再建

2026/3/7

令和6年元日に発生した 能登半島地震 により、奥能登地域のインフラは甚大な被害を受けました。とりわけ被害が大きかったのが 珠洲市 です。

珠洲市の令和8年度当初予算では公共土木施設復旧費として174億7,814万7,000円が計上されました。これは、地震によって被災した道路・橋梁・河川・上下水道などのインフラを本格的に復旧するための費用であり、市長は3月定例会でこの事業を

「より強靭で安全な災害に強い地域づくり」

の中心施策として位置づけています。

公共施設復旧関連予算は全体で約305億円ですが、その大半を占めるのがこの174億円の公共土木施設復旧です。まさに復興の土台となる事業と言えるでしょう。

 


地震で被災したインフラの実態

市長説明によると、珠洲市では想像以上の広範囲でインフラが被災しています。

道路

珠洲市が管理する道路は709路線ありますが、そのうち582路線が被災しました。

現在までに5件の復旧工事が発注されており、本格的な復旧が進められています。

橋梁

橋梁の被害も深刻です。

  • 市管理橋梁:167橋
  • 被災橋梁:76橋
  • 架け替え必要:36橋

これまでに20件の復旧工事が発注され、7橋はすでに本復旧が完了しています。

以下は輪島市での橋梁・河川の復興状況です。


上水道

上水道は地震による管路破損や地盤変動の影響を受けました。

令和8年度は

  • 被災水道管の本復旧
  • 道路・下水道工事に伴う支障移設

などを進めるとのこと。

全体の復旧完了は令和12年度が目標とされています。

 


下水道

下水道では、重要施設の復旧が進められます。

主な事業

  • 熊谷ポンプ場~浄化センター間の圧送管復旧
  • 放流・若山地区の浄化槽転換

この浄化槽転換については全国浄化槽団体連合会と協定を結び、令和9年度の完了を目指しています。

石川県珠洲市熊谷町11-17-5付近 熊谷(くまんたにまち)ポンプ場


河川

河川も多くが被災しました。

  • 市管理河川:74
  • 被災河川:44

これまでに

  • 23河川
  • 31件の工事

が発注され、4河川では本復旧が完了しています。

また、国が直接復旧する河川として大谷川などの大規模事業が進められ、令和9年度完成が予定されています。


令和8年度の重点施策

今回の174億円の予算は、単なる修繕ではなく本格復旧と強靭化が目的です。

本格復旧工事の開始

これまでの応急復旧から、いよいよ本復旧へと移行します。

そのために導入されるのが

コンストラクションマネジメント(CM)方式

です。

これにより

  • 工事の工程管理
  • コスト管理
  • 発注の効率化

を進めるとのことです。

 


インフラの「一体復旧」

今回の復旧で特徴的なのが道路・上下水道の同時復旧です。

これまでのように

  • 道路工事
  • 下水道工事
  • 上水道工事

を別々に行うのではなく、一体的に発注することで無駄を削減する方式だと思います。

飯田地区などでは令和8年度上半期から順次発注され、令和11年度の完了を目指すとのこと。


組織強化と制度改革

珠洲市では復旧体制も強化しました。

主な取り組み

  • 上下水道課の新設
  • 民間団体との連携(浄化槽転換)
  • 復興特例制度の活用

最大の課題は「入札不調」

復興事業で大きな問題となっているのが、建設業の人手不足です。

令和7年度の状況では

土木工事の50%以上が入札不調・不落

という厳しい状況でした。

原因は

  • 建設業の人手不足
  • 資材価格の高騰
  • 奥能登の厳しい施工条件

などです。

この問題に対応するため、令和8年度は

  • CM方式導入
  • 一体発注
  • 復興特例制度

などを活用して改善を図ってほしいところです。


国と石川県の支援

珠洲市の復旧は、市単独では到底実施できません。

国や 石川県による支援が大きな役割を果たしています。

例えば

  • 国道249号の権限代行復旧
  • 主要地方道の県事業
  • 国直轄河川復旧

など、国・県が大規模区間を担当しています。

奥能登地域の公共土木復旧には、県全体で巨額の復興予算が投入されています。


震災から2年。

珠洲市では今、道路・橋梁・上下水道など、暮らしの基盤を支えるインフラの復旧が本格化しています。

課題は多く残っています。 
特に建設業の人手不足は深刻です。

それでも、国・県・市が連携しながら、復興は確実に前へ進んでいます。

174億円のインフラ復旧予算は、 
珠洲市の未来を支える「復興の土台」と言えるでしょう。

 

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おおさか 佳巨

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肩書 土木技術者・元国務大臣秘書
党派・会派 無所属
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