2025/1/4
【介護職員は初の減少に。長野県の介護人材確保策について(昨年の質問)】
全国の介護職員の数は令和5年度におよそ212万6000人で、前年度よりも2万8000人減少。
高齢化の進展によって介護を必要とする人が増える中、全国の介護職員は初めて減少に転じたと報じられました。
特に地方、中山間地において、地域で今後介護を受けられるようにするために、人材確保は喫緊の課題です。
長野県においても、処遇改善や働き方改革とともに、外国人の介護福祉士を養成することなどにより、将来必要な人材数を確保していくことを今から考えていかなければいけません。
令和6年2月定例会にて、介護人材確保について質問を行い、県の現状について質しました。
【青木の質問】
①外国人も含めた多様な介護人材の確保について、県としてどのような戦略で取り組むか。
②介護現場では、職場環境や職員の待遇改善が進まない実態がある。今後、介護職員の待遇改善とICT導入による生産性向上、働き方改革を実効性を持って進めるために、県としてどのように支援するか。
③介護福祉士や介護福祉士養成施設の現状認識と、県としての支援は。
④県内の外国人介護人材の確保に向け、介護福祉士養成施設において外国人留学生の入学や生活を支援することについての見解は。
◎福田健康福祉部長の答弁
まず、介護人材確保に向けた県としての戦略はという御質問でございます。
御質問にもございましたとおり、令和8年には4万2,000人、現状から3,000人増が必要であると見込んでおりますが、介護人材の確保に向けましては、職員の処遇改善に加え、求職者と介護職場とのマッチングと資格取得の一体的な支援などによります入職促進、サービスの質の確保向上に向けた研修等によります資質向上、職員の負担軽減に向けた介護ロボット・ICT導入支援などによる定着支援、離職防止といった様々な視点から総合的に施策を進めているところでございます。
現在策定中の第9期長野県高齢者プランにおきましても、介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進を重点施策に位置づけており、今後とも、アクティブシニアなど多様な人材の入職支援などに努めてまいります。
とりわけ、外国人介護人材については、国において、技能実習制度を見直し、新たに育成就労制度とする法案が今後提出されることとなっておりますので、こうした制度改正も踏まえて、さらなる受入れの拡大を図っています。
次に、職員の処遇改善及びICT導入による生産性向上や働き方改革への支援についての御質問でございます。
令和6年度介護報酬改定では、介護職員等の確保に向けて、介護職員処遇改善加算等が見直され、加算率が引き上げられるとともに、事業所内での柔軟な職種間配分が可能となったところでございます。
また、見守り機器等のテクノロジー導入による業務改善など、事業所における生産性向上の推進を評価する加算が設けられたところでございます。県としては、事業所に対し、介護職員により高い賃金が支払われるよう、こうした新たな処遇改善加算等を取得していただくため、アドバイザーの派遣などを通じて積極的に働きかけを行ってまいります。
介護現場の生産性向上に向けては、これまでも介護ロボット・ICT導入に係る支援をしてきたところでございますが、第9期高齢者プラン策定懇話会の場などで、事業所において機器の選定や業務改善に向けた効果的な活用などに課題があるとお聞きしているところでございます。このため、介護ロボット・ICTの導入を引き続き支援するとともに、来年度は、効果的なテクノロジーの活用や働き方改革の相談に対応するワンストップ窓口の設置や、働きやすい職場づくりへの支援、例えば週休3日制の導入なども一部で取組が行われておりますが、こうした職場づくりへの支援などによりまして実効性のある取組となるよう支援を行ってまいります。
次に、介護福祉士の役割と養成校の現状、県の支援についての御質問でございます。
介護福祉士は、専門的知識及び技術をもって介護に関する指導的な役割を担っており、一定以上を配置した場合には介護報酬の加算が行われるなど、介護現場にあって重要な役割を果たしているものと考えております。
介護福祉士養成施設数や入学者数は、御指摘のとおり全国的に減少しておりますが、御質問の中にもございましたけれども、介護福祉については、平成29年4月施行の法改正によりまして、養成施設を卒業した方であっても国家試験が必要となり、介護施設での実務経験を経て受験資格を得る方と同様の取扱いとなったこと、さらには、介護職に関心のある若い世代の減少などがその要因であると考えております。制度は変わりましたけれども、養成施設では、介護に関する知識、技術を体系的に学ぶことができるため、その役割は引き続き重要であると認識しております。
養成施設への支援といたしましては、入学者への就学資金の貸与、オープンキャンパスなど養成校のPR経費への支援、また、介護の仕事や魅力を若い世代にPRするため、小中学生等への訪問講座や介護の職場体験事業などを行っているところでございます。さらに、介護福祉士会や養成施設等と連携いたしまして、介護福祉士を目指す方の増加に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
最後に、養成施設における外国人留学生への支援という御質問でございます。
これも、御指摘のとおり、県内養成施設における外国人留学生の受入れは非常に少ない状況にございます。しかし、生産年齢人口の急減による介護人材不足が見込まれる中、外国人介護人材の確保は今後も必要でございまして、そのためにも、養成施設における外国人留学生の受入れを増やすことは望ましいことと考えております。
県では、外国人留学生の受入れ支援として、就学資金の貸与をはじめ、養成施設が行う外国人留学生受入れのための広報経費や日本語講師の派遣経費への支援、外国人留学生の就労予定先の事業所が支援する奨学金に係る費用の助成などを実施しているところでございます。こうした支援策をさらに活用していただくため、今後とも事業所等へ働きかけを行うとともに、養成施設とも連携して受入れの拡大に努めてまいりたいと考えております。
また、国に対しましても、地方における外国人留学生の受入れが進むよう、その支援のための十分な財源措置など支援策の拡充を要望してまいります。
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