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高比良 正明 ブログ

神戸刑務所(明石市)視察

2018/5/22

議員や元議員の9名に混じって、視察に行ってきました。

なかなか見ることのできない刑務所で3時間。

それも26歳以上で累犯、10年以上の長期刑の受刑者がいる反面、初犯はいない神戸刑務所。

いかめしい門ですが、この横は住宅地です。

門に入ってすぐの三叉路。

左手は住宅、右手は刑務官の官舎です。

ヤクザの偉いさんが出所する時には、ここにお出迎えがズラッと並ぶようです。

先ずは、代表の議員が所長に挨拶。

私も顔をのぞかせて、室内を少し見たところ、20畳ぐらいはありそうな広さで、10名程が座れそうな応接セットが置いてありました。

その後、分類教育部長と庶務課長によるレクチャー。

明治に神戸市中央区にできた兵庫県監獄署が兵庫区に移り、大正に 神戸刑務所 となり、昭和の戦中に現在の明石市に移転し、1986年から10年間かけて今のビル状に改築。

収容定員1800名のところ、現在1326名収容。

B累犯86%、LB累犯長期110名弱9%、F外国人65名5%(15カ国で、中国、ベトナムが多い)。

医師定員3名のところ、2名が在職(1名不足)。

収容者数については2003年に2191名とピークであったが、2016年には1318名と減っていて、全国の行刑施設収容者数では、拘置所の未決囚を含め、2006年に約8万人が現在約5.2万人と減少傾向。

罪名は、覚醒剤などの薬物が40%、窃盗が26.3%で、この2種で2/3となる。

これは全国と同じ傾向。

刑期平均 4年6ヶ月

2年以上4年未満が47.4%、1年以上2年未満が18.1%、4年未満が7割弱。

無期懲役は0.6%。

入所回数 平均4.6回

最高 31回

初入10.8%、2~3回36.7%、4~5回24%、15回以上1.8%。

万引きや無銭飲食の詐欺が多い。

平均年齢 50.5歳

最高 85歳

高齢化率 17%

30~39歳17.8%、40~49歳 30.3%、50~59歳 23.6%、70歳以上9.4%。

犯罪認知件数は、2002年に戦後最悪の285万件を記録。

2007年 『犯罪白書』で、「戦後約60年間にわたる犯歴記録の分析結果等を.基に、全検挙者のうちの約3割に当たる再犯者によって約6割の犯罪が行われている」と発表。

2012年 再犯防止に向けた総合対策決定、今後10年間かけて、2年以内の再入所率2割減=20%を16%に(2017年度で18%に減少しており、残り半分で更に2%減が目標)。

2016年12月 再犯の防止等の推進に関する法律施行

これに基づき、神戸と栃木県の黒羽の両刑務所がモデルとして、 地域で活動する社会福祉士(常駐1名、非常勤2名)、ハローワークのナビゲーター等を、2017年度から非常勤職員として配置し、福祉施設や病院、生活保護へとつなげている。

明石市や高齢者総合福祉施設(社会福祉法人)清華苑、明石更生支援ネットワーク会議.と協同して、高齢者、障がい者、帰住先のない出所者については、地域生活定着支援センター、社会福祉サービスにつなぐ、特別調整をとっている。

高齢者・認知傾向にある者については、心肺機能を低下させない訓練、認知症を悪化させない訓練を、市のアドバイスを受けながら行っている。

コーディネートモデル事業として、明石に帰住を希望する受刑者を神戸・加古川刑務所に集め、帰住調整し、出所後は、地域包括支援センターや生活保護につなげている。

就職について、2017年度は、在所中に就職決定したのが39名、加えて49名が出所後就職が決まり、合計は88名が就職しており、全国でも良好な数値。

施設内見学:

携帯電話、貴重品、タバコ、ライターなどは持ち込み禁止。

当たり前だが、撮影禁止。

2列に並び、前後を刑務官に挟まれて、別の棟へ。

入り口では、個室状になった廊下で、一旦両方の扉が閉まらないと、進行方向のカギが開かないようになっています。

鉄鋼・木工・印刷・プラスチック・ワイヤーロープ・袋製作等の各工場や風呂場、作業機械運転の訓練場、自動車検査場(誰でも車検を頼めて、他の車屋よりも少し安いようです)、居住棟を回る。

配置されている若手刑務官が、私達の前後にいるベテラン刑務官に敬礼しまくり。

隊列や移動の作業で、私達と動線が絡む可能性がある場合、停止して下を向いて直立姿勢を取る受刑者。

下を向くのは、有名な事件の加害者だと知れたりしないよう、顔を伏せるためだそうですが、作業している受刑者は、私達に横顔などが見える状態で作業しています。

懲罰房では、十人以上が個室で廊下を向いて座り、作業をしていました。

人間関係などによって、工場で働きたくないとして、懲罰を受ける事が多いとか。

服装は緑の作業服。

胸に番号が書かれたバッチをつけています。

廊下の掃除などで、房の外にいる受刑者は、帽子に2本線が入っていました。

独居房は、2畳ぐらいの広さでしょうか、狭い。

液晶TVはありましたが。

冷暖房があるわけではないし、スポットクーラーもないので、夏の工場内はたまらない暑さだと想像できます。

40分ほどかけて見て、再び研修室で、約40分間の質問。

私のQから。

Q SOGI (性的指向と性同一性)受刑者に対する配慮はどのようにしているか?

A 戸籍性別で入所している。

性転換手術の途中の場合、独居房で、入浴も個別。

同性愛者も同様。

様々な質問などもあり、累犯ではそれまでの生活態度も見ているので、同性愛者かどうかの判定に漏れはないはず。

Q 仮釈放では2~3週間、開放寮で出所前の娑婆に出る心構えなどに慣れる練習をするが、満期出所では数日で不足ではないのか?

A 開放寮には最低3日間いて、その前にも社会生活に向けた指導はしています。

Q 世界では若年者の受刑者が多く、高齢者は減少するが、日本では高齢者が多い。

どこに原因があると考えるか?

A  万引きや無線印象句が多いというのは、福祉につながっていな飼ったり、福祉が充実していないのではないか?

「福祉の世話にはなりたくない」との、本人の意向もあるだろうが・・・

年末に高齢者犯罪が増える傾向がある。

Q 職場環境が悪ければ、受刑者の人権にも関わる。

職員は有給休暇を取得できているか?

A 20日のうち、10日ぐらいは取れている。

Q 離職率はどうか?

A 新卒で入ると、世間とのギャップが大きく、それに慣れる前に辞める人もいる。

今年も春に入った新人が一人辞めた。

女子政務所では離職者が多いと聞く。

夜勤や高齢受刑者に小娘扱いされたり、化粧やファッションも制限されるためのようだ。

Q 柔道有段者のような明らかな制圧要員が見かけられなかったが、制圧の件数など概況はどうですか?

A (回数は答えず)非常事態になればベルを押して鳴らせて知らせる。

制圧があれば、その場面を録画して、後で検証できるようにしている。

以下、参加者からの質問

Q 受刑者一人あたりに対するコストはどのくらいか?

A 受刑者数5.2万人、強制収容費が400億円で、80万円/年で、服や食事など受刑者のためだけのコストであり、刑務官の人件費を入れると、1900億円となり360万円/年となる。

(たかひら注:

施設などハードの代金を入れる必要があり、更にコストは上がるはず。

生活保護を利用して、娑婆で暮らしてもらったほうがコストは安い。)

作業売上は1~2億円なので、焼け石に水だ。

医療費も健康保険がなく、実費で支払う。

医療刑務所に行くほど重篤でない場合、近隣の病院に入院するが、その際は個室で、3人の刑務官が見守る。

差額ベット代も加算され、何百万円もかかることがある。

Q 自治体の取り組みは何があるか?

A 明石市の安全安心連絡会議等のような、地域の人々、医療、ハローワーク、学校、警察などが入った話し合いの場つくり。

Q 釈放時指導の状況はどうか?

A 以前もあったが、2006年から監獄法から刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律へと転換して、丁寧になった。

Q 2003年のピークから収容者数が減っていった理由は?

A 少子・高齢化と景気が良くなったことではないか。

不景気になれば、受刑者も増える傾向にある。

Q 認知症や知的障がい者の収容状況は?

A 重度の認知症は3~5人、常態的にいる。

中度は、現在10人だが、潜在的に3~5倍いると見られる。

軽度は、10人。

この人達は、明石市の地域連携モデルの対象者となっている。

ねたきりや症状が進むと医療刑務所行となるので、老化の防止に体操やパズルでの頭の体操もやっている。

Q 地域受け入れの実態、出所者としての個人情報保護とのせめぎ合いについて

A 福島県に勤務していた時に「『老人ホームに出所者がいる』かと訊かれたが、どう答えればよいか?」と施設にの人から訊かれた、その時には「今いるかいないかについては、お答えできませんが、出所すれば普通の市民であり、利用可能性はあります」との答えを示した。

「普通に接していきましょう」と市民にお願いするしかない。

Q 自動車整備士や建設資格を取らせているが、訓練後の就職は上手く行っているか?

A 反復継続して求人を出してくれるのは、自動車整備工場ぐらい。

元マルボーの協力工場主は「良くて1割が残る提訴」とのこと。

Q 受刑者のiIQはどのぐらいか?

A 一般の人を100とすれば、80ぐらいと少し低いが、生活には支障ない。

Q 仕事はどうやって回ってくるのか?

A 刑務所協力工場より回ってくるが、「仕事をください」と営業にも出かける。

自衛隊の迷彩服、試験問題、投票用紙など官からも仕事をもらう。

受刑者の作業は労働ではないので、最低賃金以下で安く引き受けている。

Q 出所時の手持ち金はどのくらいか?

A 入所時の所持金を抜きにして、作業報奨金が4~5千円/月で、平均の4年いれば、24万円となる。

そこから所内で生活必需品の買い物もするので、引かれもするが、幾ばくかは持って出られる。

「自治体や議会へ庶務課長が話に行くことも可能です」。

との案内があって、終了。

100Mほど離れた場所にある、刑務所作業製品展示場でお買い物をした後、参加者の情報交換をして帰路につきました。

出所者を民間が雇用しないなら、役場で雇用すべきとの話がありましたが、予防として障がい者雇用率2.6%が課せられている役場が、知的障がいのある人を常勤雇用すれば良いと発言しておきました。

東海地方以外は、短期雇用しかしていないんですから。

知的障がいがある職員を正規採用している自治体例

封筒が10枚100円で安かったので購入。

2千円弱のベルトを買っておけばよかった・・・

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