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おくの 尚美 ブログ

虐待をなくすために

2019/3/17

幼い命が肉親に奪われることほど、人々の心を痛めつけるつらい事件はありません。今年1月、昨年の東京都目黒区で両親の虐待により5歳の幼児が「ゆるしてください」というメモを残して亡くなった事件の記憶も生々しいうちに小学校4年生の女児が沖縄県糸満市から引っ越した先の千葉県野田市で、直接的には父親の暴力により亡くなりました。この女児も学校のアンケートに父親の暴力を訴えていました。

いずれの事件も両親が逮捕されているので今後法の裁きによりしかるべき刑に処されることになるのでしょうが、幼い命は帰ってきません。野田市のニュースに触れたとき、私の立場で虐待の被害者を減らすためにできることは何なのか真っ先に考えこんでしまいました。

事件の一義的な責任は当然ながら加害者たる両親が負うべきです。しかし当地の子ども家庭センターや教育委員会など、行政の動きが十分だったのか徹底的に検証しなければならないと思います。また通っていた学校園の対応はどうだったのか、そこも十分考えなくてはならないでしょう。ただ虐待の要因は今後の捜査によって明らかになっていくでしょうが、そもそもこの両親に寄り添う社会の体制はあったのでしょうか。行政や学校など当事者を責めるだけでいいのでしょうか。

国は全国の児童相談所に全ての虐待案件の状況を1か月以内に確認するよう指示をしました。また今回の事件が契機ではありませんが超党派の国会議員の会合では「子ども家庭福祉士」という資格を創設することが論議されています。また改正児童虐待防止法には親権者の体罰を禁止する内容が盛り込まれるそうですが、それら施策で虐待を本当に減らすことができるのでしょうか。

昨年の虐待による通報件数は13万件あまり、それに比べ虐待の指導や調査に当たる有資格者の児童相談所職員は約4300人、単純計算で1人当たり30件以上、1日1件のペースで秘匿性の高い虐待ケースを調査しなくてはなりません。圧倒的な人手不足は明らかです。またすぐに人材が育つわけでもなく、かえって福祉相談が混乱しかねないのに新たな資格を創設する意味も分かりません。法改正も体罰の内容が明確でないうえに、罰則規定もありません。それらは場当たり的な対策というのは言いすぎでしょうか。

私は虐待をなくすには福祉行政の担当者の増員、公的セーフティーネットの充実、効果的な子育て支援策など社会福祉制度の仕組みの大きな変換が必要だと思っています。それとは程遠いところでの国の指示であったり、新資格の論議であったりするような気がしてなりません。

ここまで考え、私はあらためて強く心に刻みました。私は子どもたちの幸せのために政治を志すと。そこには当然虐待の根絶も含まれます。政治を変えたい、権力者や大企業の意向で弱者が切り捨てられる世の中ではなく、だれもが笑顔で過ごせる社会をつくりたいと。

最後に野田市の女児が以前住んでいた沖縄の地方紙、沖縄タイムスの1面コラム「大弦小弦」の抜粋を紹介します。私もおよばずながらネットの編み手として全力を尽くします。


「一家が暮らしていた糸満市と千葉県野田市の学校、行政の対応が批判されている。検証はとても大切だ。でも、家庭や学校からこぼれ落ちる全ての小さい命をセーフティーネットで受け止めるには、それで十分ではない。ネットを編むのは学校や行政だけでなく、私たち一人一人の大人だ。小さなことしかできないかもしれない。それでも、1センチでも、先へ手を伸ばそう。その先にある手を握って、ネットの穴を極限まで小さくしよう。」(沖縄タイムス 2/11)

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著者

おくの 尚美

おくの 尚美

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西宮市選挙区

肩書 元小学校職員
党派・会派 無所属
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