2024/7/7
東京都知事選・東京都議会補欠選挙の議席がすべて確定しました。
20時に小池百合子知事に当確がついたのは下馬評通りだったものの、対抗馬と目されていた蓮舫候補を抑えて、無所属の石丸候補が次点となったのは驚きの結果でした。
まず、東京維新の会が独自候補を擁立できなかった点につきましては、改めて力不足をお詫び致します。
今回の選挙結果は、「古い政治=変わらない既存政党への根強い不信感」を如実に証明しました。自民党の裏金政治は論外だし、今の都政に大満足しているわけでもないけれど、立憲民主党・共産党などの野党にも期待が持てない。
こうしたいわゆる無党派の「現状批判票」が大きな塊となって、2位と3位を逆転する大きな事象を引き起こしました。
地殻変動が起きる中、われわれ維新の会は確かに今回、存在感を示せませんでしたし、都民が抱える政治不信の受け皿にもなれていません(都内支持率は3%)。
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ただ一方で、悲観することばかりでもないと思っています。
自民党でも、立憲・共産党でもない第三の選択肢。
それを標榜したのが以前「第三極」と言われた新興政党であり、今回、石丸候補に票を入れたのはかつての「みんなの党」の支持層とも多く重なっているでしょう。
「第三極」的な新しい政治に期待する人々がこれほど東京に大勢いて、投票行動を起こすことが可視化されたのは、決して悪いことではありません。
そして、維新こそがその支持を獲得するポテンシャルがもっとも高い既存政党であると、私はなお確信しています。
結党から12年が経ち、ベンチャー政党としては老舗の存在となった維新の会が、鮮度の低下も含め極めて難しい状況に直面していることは事実です。
さらに、第三極に期待する「ふわっとした民意」は、大SNS時代・大動画時代となった昨今、
N国党→参政党→日本保守党→石丸候補
と目まぐるしくブームを引き起こし、うつろい、常に新しいものを求め、その関心を掴み続けることは極めて難しくなりつつあります。
石丸候補が新党を立ち上げれば、しばらくはそこに衆目が集まり、浮足立つこともあるでしょう。
それでも、維新の会が大阪という地域政党をコアに持ち、幾多の危機を乗り越えながら、ここまで高い熱量と実績を保ち存続してきたことには、大きな意味と違いがあるはずです。
「ふわっとした民意」を掴み続ける鮮度・熱量と政策実行力を兼ね備え、持続可能な基盤を持つ既存政党になれるかどうか。
東京都民が期待するものと、私たちの今の姿にズレはないか。流されてはいけないものと、掴み取るべきものを峻別できているか。結党の精神を忘れてはいないか。
魔法の杖はありませんが、仲間たちとともに力を合わせ、足らざるを反省し、私たちは挑戦を続けます。
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また、都議補選についても、本来1人区であれば国政与党(自民党+公明党)が圧勝するのがセオリーであるにもかかわらず、自民党が2議席しか獲得できない結果となりました。
一方で蓮舫候補の失速に伴い、立憲・共産党の候補も合わせて1議席しか上澄みできないなど、こちらでも国政政党が総崩れとなっています。
日本維新の会も北区・板橋区ともに落選となりました。力不足を心よりお詫びします。
しかし、こちらも悲観する要素ばかりではありません。
北区は4位となったものの、26,600票あまりを獲得(開票率91%時点)。現在、議席を持っている共産党に肉薄する数字であり、私自身が2013年の都議選で獲得した得票数が13,296票(最下位当選)であったことを考えれば、短期間でよくここまでたどり着いたとも思います。
板橋区については52,550票を獲得し、知事との相乗効果で勢いにのる(都議補選全体で3議席を獲得)都民ファ候補を上回る順位につけ、本選に向けての基盤を作りました。
声明を出した通り、東京維新の会はまだまだ力不足。
統一地方選で地方議員が大幅に増えたとはいえ、共産党・立憲民主党が都議会ではそれぞれ15席以上を保有する中、わずかに1議席。
各基礎自治体における数でも1~2議席が大半で、共産党や公明党などの議席数には遥かに及びません。この現在地はシビアに捉えながら、複数議席の本選では地積獲得に手が届く戦略を練る必要があります。
都議会議員選挙・都政は私自身の原点でもあります。もう一度、自分の一挙手一投足をしっかりと振り返り、歩みを進めてまいります。
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ホーム>政党・政治家>音喜多 駿 (オトキタ シュン)>既存政党に勝者なき選挙。今こそ「第三極」の原点からの挑戦を続けよう