2023/8/4
市長と語る市政懇談会(佐久島会場)を開催しました。
自然の原風景が残り、アートで有名な佐久島は、観光面では絶好調ですが、人口減少や島民の高齢化が著しく進んでいる地域でもあります。
観光振興と安全安心な暮らしの両立ができるよう、島民の皆さんの声を丁寧にお聞きしながら、まちづくりに取り組んでまいります。
なお、当日出されたご意見・ご質問と、市からの回答の要旨は以下の通りです。
1.佐久島1号線道路の事故防止対策について
【問】佐久島への観光客が増加していることに伴い、佐久島1号線道路が混雑して大変危険である。特に自転車の交通マナーが悪いと感じる。交通事故防止を図ってほしい。
【答】観光パンフレットに佐久島での自転車の乗り方などについての注意事項を記載し渡船場などで配布するとともに、市営渡船の船内アナウンスでも島内でのマナー遵守について注意喚起をしているが大きくは改善していない。観光客や島民の方々が安全に通行できるよう、より効果的な啓発方法や安全対策を検討し、講じていく。
2.佐久島における津波避難について
【問】市の南部地域では津波避難タワーの建設が進められているが、佐久島における津波発生時の避難行動はどのようか。
【答】佐久島においては、理論上最大想定モデルでは最大5.6mの津波が到達すると想定されているが、近くに高い山もあり避難困難地域とはなっていない。地域で訓練を行い、避難所として指定されている佐久島開発総合センターまで、徒歩でどのくらい時間がかかるのかを認識し、津波の到達時間までに避難できないと判断された場合は近くの高い山などの津波浸水想定区域外に避難するなど、各自で備えていただきたい。
3.浮桟橋の設置について
【問】西港及び入ケ浦港には浮桟橋がなく、乗船や荷物の搬入が困難なので、浮桟橋を設置してほしい。
【答】現時点では計画はないが、佐久島漁港における登録漁船数や漁獲量等の利用状況に関し、今後の伸び具合を踏まえながら必要性を検討していきたい。
4.船台の設置について
【問】東港の船台の状態が悪く、4〜5トンの船が揚げられず、船の修理や船底の清掃を島外の造船所で行っているため、西港の船台を東港に移設した上で、西港に路線が広い船台を新たに設置してほしい。
【答】漁港施設の老朽化への対応は、施設の損耗具合や利用者数などを考慮し、西三河漁業協同組合が優先順位を付けて取り組んでいる。船台の更新については、西三河漁業協同組合へ伝えるとともに、漁協が整備すると判断した場合には、国や県の補助金が活用できるよう支援に努めていく。
5.排水路の整備について
【問】排水路が土、石、枯葉、倒木などで詰まっているため、大雨が降ると氾濫して冠水する。特に東港北側地区の被害が大きいので、排水路の整備してほしい。
【答】まずは工事要望書をご提出いただき、現場状況を確認のうえ施工の検討をする。
6.佐久島診療所の医療機器について
【問】以前、骨折した患者のレントゲン撮影をした際に、撮影した写真には骨折部分がはっきり映っていなかったので、必要な医療機器を導入・更新してほしい。また、島内で処置できる内容を増やしてほしい。併せて、医師の派遣期間を今よりも長くして、同じ医師による継続的な医療を受けられる体制を整えてほしい。
【答】佐久島診療所のレントゲン装置は令和2年度に更新をしたものであるが、専門業者に点検を依頼し、不都合が生じないようにする。診療所の診療科目は内科で、医師1名、看護師1名で対応しているが、内科に限らず、診療所でできる限りの処置は行うこととしている。医師派遣期間については、国の「自治医科大学卒業医師キャリア形成プログラム」により勤務計画が定められており、決められた期間での派遣となるのをご理解いただきたい。
7.校区コミュニティ活動費補助金の増額について
【問】島内の各種団体が、大島整備、梅の木の剪定、漂流ごみ拾い、道路の草刈りなど、島の環境整備活動をしているが、活動資金が足りないので、コミュニティ活動費補助金の増額をしてほしい。
【答】今年度から1事業20万円の特別加算事業枠を1枠から3枠へ増やしたので、大規模な清掃活動など該当事業があれば追加で申請をしてほしい。
8.公衆トイレの設置について
【問】観光客の数に対してトイレの数が少ないので、公衆トイレの増設をしてほしい。
【答】島内には8箇所の公衆トイレを設置しており、設置箇所は少なくないと考えているが、観光客などから不足している旨の意見が多いようなら設置を検討していく。
9.消火栓について
【問】島内の消火栓の一部が道路に埋め込まれているが、雨水などが溜まると消火ホースの抜き差しが困難となるので、立ち上げ式に変更してほしい。
【答】公設消火栓は20栓設置されており、15箇所が立ち上げ式となっている。今後、水道管の老朽化等に伴う工事が計画・実施される場合には、立ち上げ式への変更の可能性を模索していく。
10.市営渡船事業の運営改善について
【問】島民も観光客に混ざって渡船の列に並ぶが、特に高齢者は通院のために乗船することが多く長時間並ぶことが心配なため、島民が列の最前列に並びやすいように、アナウンスを流したり、看板を設置してほしい。できれば島民専用のレーンを作ってほしい。
【答】令和元年度の市政懇談会でも同様の意見があり、運輸局の指導を受けながら、運営方法を検討した。復路の乗船券を持つ島民は観光客の列に並ばずに、一色港からの乗船時には改札までお越しくださいと案内しており、大型連休前と夏休み前には乗船方法についてのお知らせを全世帯に配布もしている。渡船は公共交通機関なので、島民に限定した優先乗船はできない。
11.島の子どもの渡船料無料化について
【問】佐久島在住の子ども達は毎回渡船料が必要となるが、しおかぜ通学(島外から佐久島への通学)の場合は、渡船料を市が全額負担しているので、島在住の子どもについても同様の取り扱いをしてほしい。
【答】渡船は独立採算で運営しているため、運賃の減免ではなく、それぞれの目的に応じて各課が助成する形で運営することが適正であると考えるが、佐久島への移住・定住促進を考える中で、島民である子どもの渡船代のあり方を課題として認識し検討する。
12.クラインガルテンの入居について
【問】島の子どもが少なくなってきた今、佐久島しおさい学校を維持するための方策が必要であり、親子でクラインガルテンに住みながら通学できるような入居者を募集してはどうか。
【答】クラインガルテンについては、住民票の異動を認めない運用となっているが、開設して10年も経過していることから、今後の運用方法などについて国と協議しながら検討する。一方、移住・定住を推進するにあたり、島内の空き家の所有者や相続人に賃貸や売却の意向などを確認しており、近年では家族での移住が実現するなど、少しずつ成果も見えてきている。
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