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アメリカン・プリズン 潜入記者の見た知られざる刑務所ビジネス

2020/5/25

全米150万人の受刑者のうち、民営刑務所が約13万人を収容するという事実は衝撃的でした。刑務所運営の民営化により行政コストが削減できます。受刑者1人あたり、1日39ドルが民間運営会社に支払われる約束になっていて、行政が直接運営するよりも20ドル程度コスト削減なのだそうです。一方、民間委託により、さまざまな問題があり、それは塀の中のことなので、誰も知らなかったし、知りようがありませんでした。そこで、自らもイランで受刑歴のある米フリージャーナリストが、身分を隠して小型カメラとレコーダーを隠し持って、刑務官として潜入取材したのがこの本です。潜入取材は、ユニクロのものを読んだことがありますが、実体験だけに説得力があります。まさに知られざる実態が明らかになり、実際に、世論を巻き起こして民間委託の、一部見直しがなされたそうです。

刑務所の運営を受託しているのは、コレクションズ・コーポレーション・オブ・アメリカ(CCA)という会社で、なんとニューヨーク証券取引所に上場している、売上高1000億円を超えるピカピカの会社です。しかし、記者の目には、利益追求し運営コストを極限し、慢性的な人手不足になったいたようにみえます。

・なんと刑務官の時給は、たった9ドル
・地元からの応募は少なく、必要な人数を配置に割り当てていない(しかし州政府には合法と主張)
・慢性的な人手不足で、刑務官1人あたり176人の囚人を担当
・受刑者とのトラブルは人数不足で解決できないので、トラブルには誰も手を出さない
・受刑者の医療費は運営会社が負担するので、なるたけ外部の医者に診察させない
・スタッフが足りないので、囚人の大運動場でのレクや図書館・売店サービスが休止となっている
・全米では男性受刑者の9%が性的被害に遭っている

利益第一主義がもたらす歪みや非人間性が刑務所内で起きているのは、歴史的経緯があると著者はいいます。すなわちアメリカ南北戦争までの奴隷制度が、奴隷を利用して権力者が富を得ていく仕組みができていたということ。その奴隷制度が、刑務所の囚人を利用して権力者が富を得ていく仕組みに変わっただけだというのです。もっといえば、奴隷は主人の所有物だったため、資産として健康管理をはじめ大事にされた面があるのですが、囚人は州政府から預かっているだけなので、当初はまったく健康を顧みられることなく、補充が効く使い捨てだったそうです(毎年の死亡率20%超)。また囚人の血液を売って血漿を作るビジネスや、新薬の臨床試験に囚人を使うビジネスもあったそうです。やはり、有色人種を人間とは捉えておらず動物の一種と捉えていた実態があります。今のアメリカでは考えられませんが、たった100年前はそんな状況だった。現在では改善はなされているのでしょうが、根本的な思想の底流がこれでは、刑務所ビジネスが、まともな倫理がないことは明らかでしょう。
 
CCAの共同創業者トーマス・ビーズリーの言葉が紹介されています。
「車や不動産やハンバーガーを売るように売るだけ」。

<ユニクロ潜入一年 横田増生著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/51050825.html
2020-05-25 17.41.30-1

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吉田 実貴人

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