2024/6/14
本日は6月議会の最終日、これまで審査してきた議案の表決が行われました。
私は会派を代表して、「議案第82号令和6年度北九州市一般会計補正予算のうち門司港地域複合公共施設整備事業」に対する付帯決議を提案しました。
これは複合公共施設の建設に関する予算に賛成するものの、初代門司駅関連遺構に対する十分な調査と説明を求めると同時に、遺構に直接関係する予算については慎重な執行を求めるものです。
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かなり長文になりますが、報道やSNSでの情報で誤解を招きかねないため、ご覧いただければ幸いです。
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決議で求める内容については、できるだけ具体的にしましたが、自民未来の井上議員から質疑もいただいたので、そのやり取りでより詳しく趣旨を伝えることができました。
基本的に2月議会で可決された修正動議に則した内容であり、多くの議員に賛成していただけることを期待して提出しましたが、残念ながら賛成少数で否決されました。
また、未来自民の三原議員の反対討論の中で、「歴史は大切だが、価値ある発掘があっても立ち止まる時間はない。令和9年度の完成が遅れてはならない」旨の発言がありました。
議会中の建設建築委員会で都市戦略局の担当者による「重大な発掘があれば立ち止まる」との答弁を信じていますが、行政の対応が変わることのないよう注視していきます。
すでに否決されましたが、決議文を提出した趣旨についてご理解いただければと考え、本日いただいた質問や討論をもとに補足説明をさせていただきますので、こちらもご一読いただければ幸いです。
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●説明や調査が終わるまで一切の予算を執行してはならないとの考えか?
今回賛成するにあたって、「必要な調査がきちんと終わった場合に、速やかに建設を進めるために必要なこと」は執行すべきと考えているからこそ、建設に関わる予算に賛成しました。
具体的には、
「入札の公告にかかる手続き」
については、今議会後すぐに始めなければ、手続きが今年度中に終わらず債務負担が無効になり、次年度に予算取りからやり直すことになれば、調査後に建設するとなった場合に大幅な遅れに繋がるため、速やかに手続きを行うべきです。
「事業用地の買い戻し」
については、年度内に利息のつくタイミングなどを見ながら行えば良いと思います。建設ありきで動いているという誤解を招かないためにも、そういった配慮を求めます。
ただし、今議会中に建設建築委員会で確認したところ、「調査の結果、重大な発掘があった場合は事業を止める」ことを都市戦略室を確認していますので、そのことも改めて求めます。
また、
「遺構に直接関わる造成、杭打ち工事の準備やそれに関わる構造物の撤去」
については、調査と説明が終わるまで執行すべきではありません。
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●行政はどこまで説明すれば、満足なのか?
同事業の今後の進め方について、常任委員会や市民向けの説明会も順次行われているものの、門司区各校区への説明など現時点は途中の段階です。
また、説明の内容は遺構の文化財としての価値についてよりも複合公共施設建設の必要性や遺構を残した場合の負担増が中心となっています。
議長及び副議長より市長に対し、「遺構の文化財としての取り扱いや一部移築の方針を決めた過程、その後の対応について丁寧に市民と議会に説明すべきである」との趣旨で申入れも行われました。
市民及び議会が判断するためには遺構の価値についての評価結果や、その保存方法の検討経緯などについても十分に説明を行うべきであり、その必要性は門司区民に限ったものではありません。
今後の調査結果を含めて、より広く市民に説明し、市民の意向を聞く機会を作るべきと考えます。
そして、すでに関心のある方よりも、まだ関心の高くない市民の皆様にこそ伝えてほしいと考えています。
出来るだけ多くの市民の皆様が、あとで「知らなかった」とならないように、行政はより広く説明する責任があると考えます。
加えて、今後の調査結果についても、しっかり伝えるべきと考えています。
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●計画は予定通りのスケジュールで、今の場所で進めて良いのか?
調査の結果、特別な物が発掘されず、十分な説明が行われ、必要な調査が進めば、進んでいくものと考えており、そのために予算にも賛成しました。
現時点で求めているのは、適切な埋蔵文化財調査と厳密な記録保存です。
ただし、調査の結果、保存が妥当な発掘があれば、都市戦略局も言う通り、一旦立ち止まって検討が必要であると考えます。
その場合は、市民の皆様や議会の判断を仰ぐために、より広く説明すべきと考えます。
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