【25年4月19日 『逢坂誠二の徒然日記』8144回】

今日は、早朝から松前に向かうため、日記は移動中の車内で書いています。午前5時の函館、路面は濡れていますが、雨は降っていません。曇り、8度程度です。日中も雲が多く、時折雨が降るかもしれません。予想最高気温は14度程度です。

1）学術会議法案は廃案に

昨日から日本学術会議に関する政府提出法案の審議が国会で始まりました。

今回の法案は、日本学術会議を「国の特別の機関」から「特殊法人」へと法人化し、併せて政府の関与を大幅に強化する内容となっています。具体的には以下の通りです。

第一に、日本学術会議の法人化です。これまでの「国の特別の機関」という位置づけを廃止し、新たに特殊法人として再編することで、組織構造が大きく変わることになります。

第二に、政府による関与の強化です。中期的な活動計画や年度計画の法定化、大臣が任命する評価委員による活動評価、同じく大臣任命の監事による監査、さらには内閣総理大臣による是正措置の導入など、政府の監督機能が格段に強まることになります。

これに対し、日本学術会議は4月15日の第194回総会において声明を発表し、次の5点について明確な修正を求めています。

一つ目は、基本理念の明記です。現行法前文にある「科学が文化国家の基礎」「平和的復興への貢献」などの理念が法案から削除され、「経済社会の健全な発展」など、政府の政策目線の文言に置き換えられています。日本学術会議は、歴史的経緯と科学者の総意を踏まえ、理念を新法に明記するよう求めています。

二つ目は、政府関与の最小化と独立性の確保です。政府が任命する監事や評価委員による監査・評価制度は、会議の独立性を大きく損なうおそれがあります。特に「活動の独立性」「会員選考の自主性・独立性」の保障が必要だとされています。

三つ目は、会員選考制度の見直しです。法人発足時および三年後の会員選考において、外部者が関与する特別な仕組みを導入することが予定されていますが、これは恣意的な介入の可能性を高め、会議の継続性を断つものです。現行の自主的・内発的な選考体制の堅持が求められています。

四つ目は、科学技術政策決定過程からの排除への懸念です。学術会議の代表が総合科学技術・イノベーション会議において「行政機関の長」として参画できなくなる可能性が指摘されており、これにより科学者の視点が政策決定から排除されかねないとしています。

五つ目は、ガバナンスの自己強化です。学術会議自身が外部有識者を起用した評価委員会を設けることや、総会による役職者の選任など、自主的な統治体制の強化を進めるべきであり、政府主導の介入ではなく自主改革を基本とすべきだと述べています。

このように、日本学術会議はナショナルアカデミーとして、科学者の自律性と公共性に基づいた制度設計と理念の継承を求めており、政府案には慎重な審議と必要に応じた修正を強く要請しています。

しかし、私はこの法案は修正で対応できる段階をすでに超えており、明確に反対し、廃案とすべきだと考えています。

その理由の一つは、2020年の会員任命拒否問題にあります。政府は、いまだにその詳細な理由を明らかにしておらず、説明責任を果たしていません。この一連の対応は、「政府の意に沿わない学問は認めない」という姿勢を象徴するものです。

このような法案が成立すれば、日本の学問の自由と学術の独立性は、根本から損なわれることになります。

それはすなわち、日本の学問が死に絶えることを意味するのです。

【25年4月19日 その6447『逢坂誠二の徒然日記』8144回】

＝＝逢坂誠二への個人献金はこちらです。＝＝

https://ohsaka.jp/support.html

https://go2senkyo.com/donate/agree/123556

#逢坂誠二 #おおさか誠二 #立憲民主党 #立憲 #立民 #政治家 #国会議員 #衆議院議員 #函館 #五稜郭 #日記 #日本学術会議